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Voicyそなえるらじお #835 本日開始「熱中症警戒アラート」…昨今の暑さは死にいたる災害!

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #835 本日開始「熱中症警戒アラート」…昨今の暑さは死にいたる災害!

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月24日(水)、本日も備えて参りましょう!

夏が始まる…

本日のテーマは「熱中症警戒アラート」のお話です。

  • 本日、2024年4月24日から、今年度の「熱中症警戒アラート」および「熱中症特別警戒アラート」の運用が開始されます。本日はこのお話。

もはや災害と言える夏の暑さ

  • 昨年2023年は、観測史上最も熱い一年となりましたが、その要因のひとつが地球温暖化であり、温暖化が止まらないどころか加速している現状、今後も夏の暑さはますます酷くなることが想定されます。
  • 最近の夏の暑さは、我慢してしのぐレベルにはなく、対策を講じなければ死んでしまう、災害のひとつになりつつあります。実際、夏の熱中症による死亡者数は右肩上がりで、平成の初期には毎年200名前後だった熱中症による死亡者は、令和以降1000名を超えるようになっています。
  • もちろんこれは、夏の暑さの問題と、高齢化により体力の劣る方が増加しているという2つの状況が合わさったモノになりますが、死者だけでなく熱中症による緊急搬送も、昨年は約9.1万人を超えています。
  • 地震や水害に備えるならば、熱中症対策も同列で必要になるほど、昨今の暑さはシャレにならないレベルになっているのです。

熱中症警戒アラート・特別警戒アラート

  • 熱中症警戒アラートは、2021年に導入された新しい仕組みです。環境省と気象庁が運用をしており、熱中症の危険性が高い状況が予測される際に、暑さに対する「気づき」を呼びかける目的で、発表されています。
  • 熱中症警戒アラートは、おおむね都道府県単位で発表される情報です。前日の夕方17時に翌日の情報として発表され、翌朝5時に修正版として再度発表されます。
  • 昨年2023年は、全国で1,232回発表されました。最も回数が多かったのは、新潟県と長崎県の年間42回で、次いで鹿児島県本土の41回、熊本県の40回と続きます。ちなみに東京には26回、愛知には28回、大阪には19回発表がありました。
  • 最も早く熱中症アラートが発表されたのは、2023年5月18日の予測として、沖縄の八重山地方に出されたものです。沖縄地方以外では、7月2日分の予測として、大分県に出されたものが最速。
  • 最多の地域に発表されたのは、8月5日分の予測で、全国40の地域に熱中症警戒アラートが発表されました。
  • この熱中症警戒アラートが、本日より運用開始となります。これが発令されている状況で、迂闊な行動をとると死ぬ恐れがありますので、参考情報ではありますが、気象警報と同じようにぜひ警戒をしてください。

熱中症特別警戒アラート

  • さらに、昨年2023年には、熱中症警戒アラートを上回る情報として、「熱中症特別警戒アラート」という仕組みが導入されています。熱中症警戒アラートは、該当都道府県や地域内で、1箇所でも「暑さがやばそう」と予測される市町村などが出てくると発表されますが、
  • 熱中症特別警戒アラートは、該当地域内の市町村全ての地点で「暑さがすごくやばそう」と予測される場合に発表されます。特別警戒アラートは昨年も発表されたことはありませんでしたが、自分だけではなく周囲の人の命を守る対策も取るような、そんな状況となります。
  • 例えば、エアコンのない場所での行事やイベントは全て中止するか、極めて厳重な管理下で実施をするとか、工場・倉庫・店舗などの作業もエアコンがない場所は日が沈むまで中止するとか、もちろん子どもを外で遊ばせるなども控えるべき、そんな状況です。
  • 最近は、台風、大雨、大雪などが想定される際に、イベントの中止や会社の休業などが行われることが増えており、これは社会全体としても安全方向にはよいことです。これらと同じレベルで、「熱中症警戒アラート」、そしてとりわけ「熱中症特別警戒アラート」を扱っていただきたいと思います。

暑さの警報が必要

  • 現状日本には、寒さに関する情報はそこそこあります。例えば気象庁から発表される、低温注意報や、霜注意報などがそうです。しかし暑さに関する情報は気象情報としては存在していません。
  • 似た言葉として、2011年から2020年まで、「高温注意情報」というものが存在しましたが、これは気象庁による「注意報」ではなく、単なるお知らせです。熱中症警戒アラートの仕組みが出来てからは、これに統合されています。
  • しかし、日本における夏の暑さは、もはや災害級です。命を守る対象としての気象現象になっていますので、「熱中症警戒アラート」や「熱中症特別警戒アラート」など、「気づき」を与える情報だけでなく、「高温注意報・高温警報・高温特別警報」など、防災対策を促すレベルの仕組みが必要になってきていると思います。
  • 当面は、個人・学校・職場の単位で、「熱中症警戒アラート」や「熱中症特別警戒アラート」が発表されたら、人が死ぬかもしれないので、最大限に警戒する、ということをぜひお考えください。 

本日も、ご安全に!

本日は「熱中症警戒アラート」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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