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Voicyそなえるらじお #836 旅行中の防災は?減点ではなく加点にし、頑張りすぎないこと!

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #836 旅行中の防災は?減点ではなく加点にし、頑張りすぎないこと!

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月25日(木)、本日も備えて参りましょう!

旅はいいぞ…

本日のテーマは「旅行中の防災対策」のお話です。

  • 本日はコメント欄に頂いたご質問への回答。
  • コメントを下さいましたのは、「炊き込みご飯」さんです。
  • 『高荷先生、おはようございます、質問があります。ゴールデンウィークに家族と泊まりで東京から山形まで旅行に行く予定なのですが、どのように事前準備をしたら良いか悩んでいます。

    ①重ねるハザードマップで訪れる場所、旅館の確認をしました(特に危険な箇所は無いようです)
    ②車で行くので、車載の飲み物、食べ物、トイレを少し多めにしようと思っています
    ③観光中はいつもの防災ポーチを持ち歩こうと思っています
    ④アクティビティはせず、内陸部の名所をまわる予定です
    訪れる場所ややる事によって準備は変わってくるとは思いますが、家族旅行で気をつけるべき事などはありますでしょうか?

防災と旅行

  • 旅行やお出かけ中の防災をどうするか、悩んでしまいますね。しかし、旅行中の防災で最も大切なことは、防災に気を捕らわれすぎないということなのです。
  • 日常生活における防災でも、お金をかけすぎたり、細かく管理しすぎたり、防災的にやらなければならないことを増やしすぎたりすると、大抵は苦しくなって長続きしなくなります。これは旅行中の防災でも同じことが言えます。
  • 常にハザードマップを確認、お天気アプリで雨雲の接近をチェック、危険な場所には近づかず、ホテルは非常階段の隣の部屋を予約、車には避難用品を常に確保し、外出中には防災ポーチを必ず携帯。これらを楽しく行えるのならば問題ありませんが、「しなければならない」ことを増やしすぎると、恐らくせっかくの旅行が楽しく無くなります。防災企業の社員研修になってしまいます。
  • 最悪なのは、旅行の計画、当日の行動に防災の要素を入れすぎて、自分や家族の楽しいという気持ちに水を差すような状況になること。防災を優先してやりたいことを諦める、行きたい所を変更する、というのはよくありません。
  • 防災は主役ではなく、可能な範囲で無理なく後付けする、ちょい役でなければなりません。楽しい家族旅行のはずが、防災をがんばりすぎて窮屈なものになってしまったら、そのご一家は防災を嫌いになってしまう可能性があるのです。
  • また、例えば防災的に100点の行動を取れなかった時に、それを悲しむようになってしまうのもよくありません。ホテルの部屋が2階だった、津波が来たら沈む、もうだめだ。電車のチケット、先頭車両しか取れなかった、衝突したら潰れる、もうだめだ。このように、防災的に100点ではない行動を、ネガティブに思うようになってしまうと、旅行の全てが減点方式となり、悲しい感じになります。
  • 特にお出かけ中の防災は、減点方式ではなく加点方式にすべきです。たまたま非常階段の隣の部屋だった、ラッキー。立ち寄ったイベントで非常用トイレを配っていた、とても嬉しい。家族が買ったお土産がたまたま食べ物だった、コレは非常食になる、やったね。という具合です。
  • 旅行中の防災は大切ですが、メインにしない、がんばりすぎない、悲しまない、ということをまずお考えください。

旅行中の防災で気をつけること

  • その上で、旅行中の防災としてどのようなことに気を配るべきでしょうか。
  • まず、宿泊先や、滞在先の重ねるハザードマップは見ておくべきです。ただし、ハザードマップを見て宿泊先を決める、と言うところまで行ってしまうと、選択肢が狭くなり苦しくなる恐れがありますので、これはオススメしません。
  • 普段と異なる土地、自分が滞在する場所が沈んだり崩れたりする恐れのある場所なのか、それを知っておくことは有効ですし、重ねるハザードマップを使えば10秒で把握できますので、それほど負担にもなりません。
  • ホテルに宿泊する際には、部屋からの避難ルートだけは確認しておくとよいです。火災等が発生した際に、右と左どちらへ行けば良いのか、を知っておくだけでも助かる可能性が高くなります。非常階段から遠い部屋だったからと行って、それを嘆くようになると旅行を楽しめなくなりますので、発災時の行動だけ確認できれば良いのです。
  • それから、屋外で活動をする場合は、お天気アプリなどをスマホにインストールし、大雨やゲリラ雷雨が接近してきたら教えてくれるようにするのも有効です。河川の急激な増水、開けた場所での落雷、屋根のない場所での雹や竜巻は、命にかかわる危険となります。
  • 屋外アクティビティを楽しむ際には、こうしたゲリラ豪雨・雷・雹・竜巻を避けることが重要。積乱雲が接近してきたら建物や車の中に避難できるようにしておくと安全です。こうしたリスクを避けて屋外のアクティビティを最初から諦める必要はありません。危険が接近してきたら逃げる、ということを決めておけば大丈夫です。
  • 自動車で旅行をする際には、旅行専用というより、平時から最低限の防災用品を積みっぱなしにするのがよいと思います。防寒用品、携帯トイレ、飲料水と食べ物などをメインに、必要なモノを詰みっぱなしにしてください。もちろん負担でなければ、大渋滞などに巻きこまれるリスクを考慮して、旅行時だけトイレやお水を少し増やすのはありです。
  • ただ、増やせなかったからといって悲しんでしまうと旅行が悲しい行事になるので、できる範囲でと考えることが重要です。
  • 防災ポーチなども持ち歩けると良いですが、これは行動を阻害しない範囲で持ち歩くようにして下さい。荷物が重すぎるとそれだけで外歩きがキツくなります。無理のない範囲で、お気に入りのグッズを持ち運ぶ、非常時に何が必要となるかは、本番を迎えるまでは分かりません、役に立ったらラッキーくらいの気持ちを持つことが重要です。
  • ホテルの中を移動する、目の前の観光スポットに移動する、程度でしたら手ぶらでいっても良いと思います。まず旅行を楽しむことをメインにおいて、できる範囲で防災を追加する、この優先順位をぜひお考えください。

本日も、ご安全に!

本日は「旅行中の防災対策」のお話でした。

それでは皆さま、引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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