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東日本大震災より5年、見直したい家庭と企業の防災対策

最終更新日:

執筆者:高荷智也

東日本大震災から5年目となる2016年、今後想定される災害から自分と家族の命を守るため、家庭の防災対策の見直しが必要です。短期連載の形で、家庭と企業における防災対策やBCP(事業継続計画)の見直しについて、優先順位やポイントを紹介して参ります。

東日本大震災より5年、見直したい家庭と企業の防災対策

東日本大震災から5年目、今見直したい家庭の防災対策

そもそも防災対策に取り組んでいるか

 あなたの家庭では防災対策がそもそもできていますか?すでに取り組まれている場合は次の項目をご覧ください。まだ手が付けられていないということでしたらちょうどよい機会です、ぜひ「自分と家族が死なないための防災」について実践してください。2016年は東日本大震災から5年目ということもあり、市場には防災用品の流通が増えると思われますので、必要なグッズをそろえやすい時期になります。

「自分と家族の命を守る防災対策」ができているか

 すでに防災対策に取り組んでいる家庭の場合は、その準備が「命を守るための防災」になっているかどうかをぜひ確認してください。家庭の防災対策で重要なことは、大きなリュックに防災グッズを詰め込むことではありません。具体的には次のような項目ができているか確認をする必要があります。

  1. 地震対策(自宅の耐震化・家具の固定)が万全か
  2. 避難(津波・土砂災害・火災・噴火)の準備が万全か
  3. 1~2週間程度の備蓄の準備ができているか

 防災グッズを用意しても、倒壊した自宅や転倒した家具につぶされてしまえば意味がありません。大量の水や食糧を準備しても、1分1秒を争う避難時にはかえって重りになるだけで不邪魔になります。自分と家族が襲われる可能性がある災害を知り、その災害から命を守るために何をすればよいのか、ぜひお考えください。

最新のハザードマップの情報をチェック

 自分の自宅、職場や学校がどのような災害に襲われる可能性があるのか、具体的に知る方法は「地域のハザードマップ(災害地図)」を見ることです。ハザードマップには、地域で生じる可能性が高い災害について、「どこがどのくらいの影響を受けるのか」「避難所はどこなのか」といった情報が書き込まれている地図で、役所の危機管理課や、インターネットの検索で手に入れることができます。また代表的なハザードマップには下記の様なものがあります。

  • 地震(揺れの大きさ)ハザードマップ
  • 火災ハードマップ
  • 津波・洪水ハザードマップ
  • 土砂災害ハザードマップ
  • 噴火ハザードマップ

 ハザードマップは、地域で生じる可能性が高い災害のものが作成されます(海なし県に津波マップは不要ですからね)。ハザードマップがあるということは、その災害が地域で生じる可能性が高いということですから、何かしらの対策が必要になります。

東日本大震災以降、全国の自治体で災害想定の見直しが行われ、ハザードマップも作り直されている場合があります。特に南海トラフ巨大地震の対象地域をはじめ、津波の被害を受ける地域の「津波ハザードマップ」は浸水の警戒地域が広くなっている可能性がありますので、2011年以前の地図を頼りに家庭の防災計画を立てている場合は、ぜひ再確認をしましょう。

インターネットでハザードマップを入手する際には、Webで「○○市 ハザードマップ」などと検索するか、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で探すのがおすすめです。

防災グッズ(非常持ち出し袋)のカスタマイズができているか

 家庭の防災対策で準備すべき防災グッズには様々なものがありますが、重要なことは「そのグッズを用意すれば死なずにすむか」と考えることです。東日本大震災以降ホームセンターやネットショップでは「被災者の声を生かした」とか「防災士が選んだ」という触れ込みで、様々な防災グッズのセットが売られていますが、実はこうした防災セットの大半は、準備すべき防災グッズとしては最も優先順位が低いものが多いのです。

 家庭で防災グッズのセットを準備する場合、次の4種類に分割しておくことをおすすめします。

寝室から脱出するための「枕元セット」
→就寝時の大地震や停電に備えて、笛やライトを枕元に常備。

走って避難するための「非常持ち出し袋」
→津波や大火災からダッシュで避難するための最小限のセットを玄関先に常備。

避難所や自宅で3日程度を過ごす「避難生活セット」
→災害発生から72時間を過ごすための生活用品一式、なくてもよいです。

インフラの停止に備えた1~2週間程度の「短期備蓄」
→大地震・強毒性の新型インフルエンザなどに備えた短期備蓄、水や食糧が中心です。

 最も重要なのが、大地震の不意打ちに対処するためのセット、(1)の「寝室から脱出」するための道具です。もちろん大前提としては、地震で潰れない家・倒れない家具を準備することが重要ですが、夜中に停電をすると身動きがとれなくなり、津波や火災が発生した場合の避難が遅れると致命的ですので、懐中電灯やスリッパが枕元に必須となります。

 次に必要なのは、(2)の「走って逃げるための非常持ち出し袋」です。津波・洪水・火災・土砂災害・噴火・原発事故など、一分一秒を争って避難する際に掴んで走り出すことができる、最小限の道具を玄関先においておきます。いわゆる「防災グッズのセット」として重要なのがこの項目です。コンパクトにすることが重要なので、大量の水や食糧は不要です。

 基本的には上記2点を準備しておけば、家庭の防災対策としては実用レベルと言えます。さらに、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの大震災、また強毒性の新型インフルエンザパンデミックなどに備える場合は(4)の「短期備蓄」が必要になりますが、これは普段購入している食べ物や生活用品を「少し多めに買って備蓄し、備蓄品から消費して、使ったら補充する」という方法で少しずつ買いますのがおすすめです。

 そして冒頭で触れた通り、(3)の「避難生活セット」は、あれば便利だがなくてもよい防災セットになります。内容としては「3日分の水と食糧」「ラップなどの生活用品」「ドライシャンプーなどの衛生用品」などが主ですが、いずれも「命を守る」ための道具ではなく、一刻を争う避難時に持ち出そうとした場合、重すぎて行動が制限される恐れが生じます。

 そのため、非常持ち出し袋とは別のバッグに「避難生活セット」をまとめておき、余裕がある避難時にのみ持ち出せるようにしておくとよいです。防災セットを購入してある場合は、買ってそのままにするのではなく、中身を全て取り出して、上記(1)~(4)に分割、不足する物を買い足すようにするとよいでしょう。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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