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次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)・電解酸性水とは

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最終更新日:

執筆者:高荷智也

家庭向けの販売や利用が広まっている「次亜塩素酸水」は、優れた殺菌効果をもつ除菌消臭剤ですが上手な利用にはコツが必要です。次亜塩素酸水とハイターとの違い、次亜塩素酸水の特徴や安全性、利用や保管の方法、そして選び方やオススメ商品をご紹介します。

次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)・電解酸性水とは

 次亜塩素酸水(じあえんそさんすい)とは、家庭の視点で見れば、近年利用が広まってきている「除菌・消臭剤」の主成分のことです。また化学の視点で見れば、「次亜塩素酸(HClO)水溶液」のことです。さらに備え・防災の視点で見れば、「非常時に活用できる万能除菌剤」と考えられます。

次亜塩素酸水の用途や利用シーンは?

 次亜塩素酸水は水道水で薄めて濃度を変化させることで、様々な用途に用いることができます。薄くすると、赤ちゃん用品の除菌、ペットの消臭、また野菜などの生鮮食品の洗浄に使うことができます。またいわゆる除菌消臭剤として、部屋にスプレーをしたり加湿器(噴霧器)で室内の除菌に用いたり、エアコンやゴミ箱の清掃に使うこともできます。

 濃度を濃くすると、まな板やスポンジなどのキッチン用品、シンクや三角コーナーなどの第度頃周辺の除菌に用いたり、風呂場のカビ取りやトイレの防臭に使ったり、また家族がノロウイルスに感染した際のノロウイルス対策に用いることも可能です。

次亜塩素酸水の効果はどのくらい?

 次亜塩素酸水の効果は、厚生労働省をはじめに様々な研究機関が検証をしており、その結果が広く公開されています。食中毒の原因となるO-157などの大腸菌や黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌やノロウイルス、またインフルエンザウイルスなども数十秒から数分で死滅させることができるという効果が確認されており、大変強力です。

次亜塩素酸水の安全性・危険性は?

 次亜塩素酸水の安全性についても、効果とあわせて厚生労働省をはじめとする研究機関が検証しております。次亜塩素酸水は除菌や消臭を行うと成分が「ただの水」に戻るため安全性が高く、他の除菌・消臭剤と比較しても子供やペットなどに用いやすいのです。

次亜塩素酸水の作り方

 次亜塩素酸水は専用の機械を用いなければ製造ができませんので、○○と△△を混ぜて家庭伝簡単手作りは不可能です。

次亜塩素酸水の購入・入手の方法

 大変便利な次亜塩素酸水ですが、スーパーやドラッグストアなどで見かけることはあまりありません。次亜塩素酸水はどこで販売されているのでしょうか。家庭や店舗で次亜塩素酸水を使おうと思った場合、入手方法は生成装置を購入して自家製造をするか、次亜塩素酸水そのものを購入することになります。

 しかし次亜塩素酸水の製造装置は一般的に十数万円~数十万円と高額なため、大量に消費する飲食店や医療機関などでなければ割りにあいません。家庭においては次亜塩素酸水を購入するのがよいでしょう。次亜塩素酸水の多くはネット販売であり、amazonや楽天をはじめとしたECサイトで購入することになります。

次亜塩素酸水と厚生労働省・食品添加物について

 次亜塩素酸水は、厚生労働省によって食品添加物として認可されています。食品添加物として認められていると聞くとなんだかとても安全そうに見えますが、例えば「塩酸」や「次亜塩素酸ナトリウム(商品だとハイターとかですね)」なども同じ食品添加物であり、認可されているからといって安全安心というものではないのです。

 成分が守られており、定められた濃度で、定められた時間内に、定められた目的で利用されて、定められた方法で洗浄されることが前提の認可ですので、「使い方」を含めて食品添加物としての認可であり、成分そのものが無毒であるとか、食べても安全とか、そういうことではありませんので注意が必要です。

次亜塩素酸水の種類

 次亜塩素酸水には種類があります。ひとつは厚生労働省が食品添加物として認可している次亜塩素酸としての区別で、「強酸性次亜塩素酸水」「弱酸性次亜塩素酸水」「微酸性次亜塩素酸水」というように分けられています。成分はむろん同じですが、効果や使い方がことなります。家庭用に用いる場合には、一般的に「微酸性次亜塩素酸水」を使うことが多いです。

 また次亜塩素酸水はその製造方法によっても分けることができます。ひとつは「次亜塩素酸ナトリウム」と「塩酸」を混合して作る方法で、もうひとつは「食塩(塩酸)」と「水」を電気分解して作る方法です。なお食品添加物として認められるのは後者で作られた次亜塩素酸水に限られています。

次亜塩素酸水の選び方、ネットショップでの比較方法

 さて、それほど便利で安全な次亜塩素酸水なら、ひとつためしてみようじゃないかと思われる方もいらっしゃるでしょう。ところが購入を考えていざ検索をしてみると、その商品数の多さに圧倒されることになります。次亜塩素酸水は普及の過渡期に有り、現状はまさに次亜塩素酸水戦国時代のごとく、大小様々なメーカーが類似商品を販売しているのです。

 次亜塩素酸水を比較する際には、もちろん価格も重要ですが健康に関連する商品ですから、それ以上に安全性や効果にこだわりたいところ。選択のポイントは、「主成分」「製造方法」「濃度(ppm)」そして「店舗の信頼性」です。具体的な見極め方法については詳細をご覧ください。

  • 次亜塩素酸水の使い方・家庭における活用方法について

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  • 次亜塩素酸水を人やペットに使う場合のポイントと注意点

    次亜塩素酸水は安全性が証明されているため人体やペットにも使用できますが、医薬品ではないため利用は「自己責任」になります。高い除菌消臭力を生かした人体やペットへの上手な使い方のポイントと、利用時に考えるべき法律面での考え方をご紹介します。

  • 次亜塩素酸水の安全性・人体やペットへの影響について

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    次亜塩素酸水は強い殺菌能力と人体やペットへの高い安全性を持っているため、災害時にも使いやすい万能除菌消臭剤になり得ます。反面、対象が汚れていると効果が落ちたり、長期間の保存ができないデメリットがありますので、使いどころを考えて利用しましょう。

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    次亜塩素酸水は非常に素早い殺菌能力を持っていますが、具体的にどのようなウイルス・細菌に、どのくらい効果があるでしょうか。厚生労働省を始め様々な研究機関が行った実験結果をもとに、次亜塩素酸水の殺菌効果について、具体的な解説をいたします。

  • 次亜塩素酸水の長期保管方法・保存容器や保管場所の注意

    次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムと異なり、除菌消臭剤として気軽にスプレーをすることができますので、スプレー容器に入れるのがオススメです。しかし紫外線に当たると分解されてしまうため、遮光性のある容器でなければ効果を失ってしまいます。

  • 次亜塩素酸水を入れるスプレーボトルの選び方と注意

    次亜塩素酸水はハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムと異なり、スプレーボトルに入れて除菌消臭剤として使うのがオススメです。しかし次亜塩素酸水は他の除菌消臭剤と比較して利用期限が短く、特に日光(紫外線)に弱いという問題があるため注意が必要です。

  • 次亜塩素酸水の選び方、商品とショップの比較ポイント

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    次亜塩素酸水は厚生労働省によって食品添加物の認定を受けていますが、ではこれをどのように捉えて考えればよいのでしょうか?販売ショップの中には「厚生労働大臣の認可をうけた食品添加物だから安全」という表記も見かけますが、この背景を解説します。

  • 次亜塩素酸水と「農林水産省の認可・特定農薬」の注意点

    次亜塩素酸水は特定農薬に指定されており、有機農法に用いることが公的に認められています。が、これはよいことなのでしょうか。特定農薬とは何か、次亜塩素酸水との関係はどうなっているのか、農林水産省のお墨付きということなのか、事実と背景を解説します。

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    次亜塩素酸水は優れた殺菌消毒効果を持っていますが、医薬品として認定されていないため「除菌消臭」としか表記ができません。また人体への安全性が証明されていながら、医薬部外品ではないためその利用は「自己責任」となりますが、この背景を解説します。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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