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カセットガスボンベの価格・値段の違い

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最終更新日:

執筆者:高荷智也

カセットガスボンベは内容物が同じであれば性能に差が出ません。内容物が同じ場合の価格差は、いわゆるブランド価格ですので、安価な商品を選んで問題はありません。

カセットガスボンベの価格・値段の違い

値段が高いカセットガスボンベは性能が良いのか?

様々なメーカーがカセットガスボンベを販売していますが、価格はそれぞれ異なります。「ノーマル」と「ハイパワー(寒冷地仕様)」など、用途が異なるガスボンベの価格に違いがあるのは当然でしょうが、同じ「ノーマル」のガスボンベでもメーカーによって高価なものから激安商品まで差があります。

値段の高いガスボンベは火力が強くて長持ち、価格が安いガスボンベは火も弱いしすぐ使えなくなるなど、性能に差があるのでしょうか?結論から述べれば、ガスボンベの中に詰められているガスの種類が同じであれば、メーカーや価格が異なっても、性能に差が出ることは基本的にありません。

表2:カセットガスボンベの価格による中身の違い(例)
種類中身の割合(例)
ノーマルガス ブタン:100%
ハイパワーガス(安価) ブタン:30% イソブタン:70
ハイパワーガス(高価) イソブタン:95% プロパン:5%

例えば「ノーマル」仕様のカセットガスボンベで、内容物が「液化石油ガス(ノルマルブタン)」と記述されていれば、ガスボンベの中身はブタンが100%です。この場合、メーカーが異なっても内容物は同じブタンガスですので、価格が違っていたとしても性能に差が出ることはありません。

一方、「ハイパワー(寒冷地仕様)」仕様のカセットガスボンベで、内容物が「液化石油ガス(ノルマルブタン・イソブタン)」と記述されている場合は、ブタンとイソブタンが混合されて詰め込まれています。イソブタンの比率が大きいほど「単位時間当たりの火力」と「寒さへの耐性」が良くなりますので、この場合は価格差が内容物の差(イソブタンの割合)に現れていることがあります。

普通の室内(気温10度以上)や、夏場の屋外でカセットガスボンベを使う場合

夏場や、冬でも室温10度以上の屋内でカセットガスボンベを使う場合は、どのようにガスボンベを選べば良いでしょうか。気温が10度以上であれば、最も寒さに弱い「ブタンガス」であっても、問題なくガスを取り出すことができますので、「ノーマル」のガスボンベで十分使用に耐えます。

またこの気温であれば「イソブタンガス」が配合されている必要はありませんので、「ノーマル」のガスボンベの中でも、ボンベの内容物に「液化石油ガス(ノルマルブタン)」と記述されている、最も安価な「ノルマルブタン100%」の商品を選んで問題ありません。

ブタンも、イソブタンも、プロパンも、同じ量のガスが燃焼した際に得られる燃焼エネルギーはほとんど同じです(おおよそ42~44[kJ/g])。ブタンよりもイソブタンが、イソブタンよりもプロパンの方が、沸点が低いため、同じ気温であれば勢いよくボンベから吹き出してきます。

そのため、瞬間的に見た火力(単位時間当たりの熱量)は、イソブタンやプロパンが配合されている「ハイパワー」商品の方が強いのですが、ノルマルブタンのみのガスボンベと比較して早くガスがなくなってしまうため、最終的に得られるトータルの熱量は、内容量が同じであれば、「ノーマル」ガスも「ハイパワー」ガスも同じになります。

むしろ夏場に「ハイパワー」ガスを用いると、ガスが吹き出す勢いが強く、火力が大きくなりすぎて危険にもなりますので、「ノーマル」ガスを用いた方が、価格の面でも安全性の面でも有効と言えます。

寒い室内(気温10度以下)や、冬場の屋外でカセットガスボンベを使う場合

冬場や、その他の季節でも室温が10度以下になるような場所でカセットガスボンベを用いる場合は、どんなガスボンベを選べば良いでしょうか。

内容物に「液化石油ガス(ノルマルブタン)」と記述されている、最も安価な「ノルマルブタン100%」の「ノーマルガス」の場合、気温が10度以下になると火力が顕著に弱くなり始め、原理的には気温がマイナス0.5度以下になると、ガスボンベを暖めない限りガスを取り出すことができなくなります。これは、ノルマルブタンの沸点がマイナス0.5度であり、この気温以下になるとガスボンベ内部の圧力が、大気圧と同じになってしまうためです。

「イソブタン」は、沸点がマイナス11.7度ですので、原理的にはこの気温まではガスボンベからガスを取り出すことができます。ただ、やはり気温が氷点下以下になると、火力が弱くなっていきますので、その場合は、沸点がマイナス42度と低い「プロパン」が混合されている商品を用いる必要があります。

ただ、沸点が低いプロパンガスは、常温にした際の蒸気圧がブタンやイソブタンと比べて2~3倍もあり、混合される量が多くなると、ガスボンベを破壊してしまう恐れがあるため、寒冷地仕様のカセットガスボンベの場合でも、主成分はイソブタンであり、プロパンの比率は高くありません。

寒い場所で使う場合には、ガスボンベの内容物として「ブタン(ノルマルブタン)」の記述がない、「イソブタン・プロパン」のみのガスボンベを選択すると、最後まで安定した火力を得やすくなります。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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