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脱酸素剤・エージレスとは

最終更新日:

執筆者:高荷智也

食品や衣類の無酸素保存に欠かせないのが、密閉容器中の酸素を吸収して無酸素状態を作り出す、脱酸素剤・エージレスです。ガスバリア袋と併用することで、家庭でも簡単に精度の高い無酸素保存を行うことが可能になります。使い捨てカイロでも代用OKです。

脱酸素剤(エージレス®)とはなにか?

脱酸素剤を使うと密閉容器中の酸素をなくすことができる

脱酸素剤(ダツサンソザイ)とは空気中の酸素を吸着する薬剤のことで、密閉容器やガスバリア袋の中に入れることで、容器内の酸素をなくし、脱酸素状態を作り出すことができます。食品と一緒に利用すると、例えば油脂の酸化が止まるので味の劣化を防いだり、カビや害虫を死滅させて鮮度を保ったりすることができるようになります。

脱酸素剤の原理は使い捨てカイロと同じ

 脱酸素剤の原理は使い捨てカイロと同じで、鉄が錆びる時に酸素を吸収するという化学反応を用いています。そのため容器中の酸素を吸着する際、わずかに発熱をします。また原料の鉄分が吸収できる酸素の量には限りがあるため、限界量の酸素を吸収すると反応が止まり、ガチガチに固まって発熱も停止します。

エージレス®は三菱ガス化学社の脱酸素剤の登録商標

 日本の脱酸素市場で高いシェアを誇るのが、日本で初めて脱酸素剤の商品化に成功した、三菱ガス化学(株)の製品「エージレス®」です。脱酸素剤の代名詞として使われますが、実際には三菱ガス化学の登録商標です。また同社が販売している「酸素検知剤」についても、「エージレスアイ®」という登録商標がなされています。

無酸素保存にはガスバリア袋と脱酸素剤が必須

 お米や食品の無酸素保存を行う際には、完全密封できる容器かガスバリア袋、そして脱酸素剤が不可欠になります。家庭用の真空パック器を使うと、見た目上は中の空気がなくなった様に見えますが実際にはまだ酸素が残っており、無酸素状態は脱酸素剤や使い捨てカイロを使わなければ作り出すことができません。

なぜ脱酸素剤(エージレス®)が食品保存に有効なのか

脱酸素剤は、食品の酸化を防ぐ

 脱酸素剤は容器・ガスバリア袋中の酸素をなくしますので、食品の油分が酸素と反応する酸化反応を止めることができます。油脂が酸化をすると臭いが劣化したり、ビタミンが失われたりして、食品の品質が低下しますが、酸素がなくなれば酸化のしようがありませんので、品質・風味・栄養素などを守ることができるようになります。

脱酸素剤は、カビや最近の活動を止める

 脱酸素剤で脱酸素状態(厳密には酸素濃度0.1%以下)を作り出すと、カビや細菌などの増殖を防ぐことができます。微生物の生命活動には基本的に酸素が不可欠であるため、酸素を完全になくしてしまうと生命活動が停止してしまうためです。そのため食品を長期間安全に保存することができるようになります。

脱酸素剤は、虫を殺すことができる

 脱酸素状態になると、微生物だけでなく「虫」も処理することができます。例えばお米に湧くコクゾウムシやメイガについて、成虫状態の虫はもちろん、まだ卵の状態である虫もすべて死滅させることができるためです。なお食品ではなく衣類を脱酸素状態にすると、ダニなどを殺すこともできますので、防虫剤の代用としても使えます。

密封容器・ガスバリア袋が環境悪化から食品を守る

 また、脱酸素状態を作り出すと言うことは、必然的に完全密封の容器やガスバリア袋を使用することになりますので、酸素だけではなく、湿気・臭い・外敵(虫・カビ・細菌の付着)からも食品を守ることができるようになります。このように、無酸素状態という直接的なメリットと、完全密封という間接的なメリットで食品を守るのです。

脱酸素剤(エージレス®)の活用方法

脱酸素剤はネットショップで入手するのがよい

 脱酸素剤は吸収できる酸素の量に上限がありますから、保存状態には大変気を使います。また温度が高いほど酸素を素早く吸収する特性があるため、できれば冷暗所で保存をすることが望ましいのです。そのため、スーパーやホームセンターでは扱いづらく、基本的にはネットショップなどで購入するのが適するアイテムです。

脱酸素剤の利用にはガスバリア袋が必要

 脱酸素剤を使って無酸素状態を作り出すには、ガスバリア性能・気体遮断性能が高い容器や袋と組み合わせることが絶対条件です。外から酸素が入って来てしまう状態であると、いくら脱酸素剤で酸素を吸収してもすぐ限界に達してしまうためです。そのため、適切なガスバリア袋を準備することが重要になります。

脱酸素剤が入手できなければ使い捨てカイロで代用する

 前述の通り、脱酸素剤の原理は使い捨てカイロと同じです。「鉄の酸化反応」という化学反応を、脱酸素剤の場合は酸素の吸収に、使い捨てカイロの場合は発熱に利用しているだけで、モノは同じなのです。この反応が起こる際に有毒ガスが出たりすることはありませんので、脱酸素剤代わりに使い捨てカイロをつかっても問題はありません。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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