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専門家が自分のために考えた、正しい防災グッズの選び方

防災グッズを選ぶ際には「何があれば死なずにすむか」という観点で「命を守る防災グッズ」から順番に準備をすることが鉄則です。地震対策グッズ、走って避難をするための持ち出し袋、避難所で配られない自分専用の道具、そして最後に備蓄品を準備してください。

専門家が自分のために考えた、正しい防災グッズの選び方

家庭で準備する「防災グッズのセット」は4種類

 家庭で「防災グッズのセット」を用意する際、内容は目的によって変化しますが、作成すべき優先順位はおおむね定まっています。つまり、そのグッズが「命を守る」ことに直結するものであるほど先に準備すべきということになります。この優先順位は次のようになります。

1)就寝時に大地震が発生した際の危険を回避するためのセット

寝室に常備する枕元防災グッズのセット

 最小限の防災グッズとしてぜひ用意をいただきたいのが、寝室の枕元に常備する防災セットです。地域全体が停電をすると完全な暗闇になるため手元を照らす懐中電灯や、手足の安全を確保するための軍手とスリッパ、万一の際に助けを呼ぶためのホイッスルなどを、ポーチにまとめて枕元にくくりつけておきましょう。

2)走って逃げるための非常持ち出し袋

非常用持ち出し袋_リュックと靴とヘルメット

 防災グッズと言ってまず想像するのが、この「非常持ち出し袋」です。このセットの目的は、命の危険が迫りつつある状況下において、素早く・安全に避難をすることにあるため、「安全を確保する」ための道具を中心に道具を選び、重くしすぎず、そしてすぐ取り出せる場所で保管をすることが重要になります。

3)避難所やインフラが止まった自宅で生活をするためのセット 

 目の前の危険を回避した後、電気・ガス・水道などのライフラインが停止した状況において、避難所や自宅で生活をするために必要な道具。また車両で遠方へ避難をする際に、当座の生活を維持するために必要なグッズ。一分一秒を争わないがインフラが止まっている状況を乗り切るための道具を準備しておきます。

4)ライフラインや流通網がマヒした状況を生き延びるための防災備蓄

 首都直下地震や南海トラフ巨大地震などで大規模な被害が生じて、1週間程度の自活が求められる状況。強毒性の新型インフルエンザパンデミックなどで数週間自宅へ籠城する必要がある場合。大規模な火山の噴火や経済危機で食料の輸入ができなくなり、数ヶ月間の間備蓄生活が必要なケース。こうした状況に備えるためには一定量の備蓄が必要になります。

防災グッズを選ぶ際の、正しい基本原理

 防災対策に取り組もうとした際、最初に考えることの多くはこの「防災グッズって何をそろえればいいの?」「とりあえず防災グッズセットを買ったけどこれでいいの?」という悩みではないでしょうか。”今自分が欲しいモノ”を買うのは簡単ですが、”何かあった時に役立つモノ”を買うためには、「想像力」が必要になるため難しいのです。

優先すべきは「命を守る」ための防災グッズ

 もちろん優先すべき防災グッズはあります、それは自分と家族の「命を守る」ための防災グッズです。水や食料は大切です、最近ではトイレの重要性もよく聞きます、ビニール袋やラップ、ドライシャンプーも便利です。しかしよく考えてください、これらの防災グッズが役に立つのは生きている人、「災害で死ななかった人」に限られるのです。

「被災者の声」とは「死者の声」である

 防災グッズのセットには「被災者の声を生かして選びました」というキャッチコピーがついているものがあります。しかしこのセットの多くは「避難所を快適にする」「インフラの停止に備える」ためのグッズの詰め合わせです。本当に聞くべき「被災者の声」というのは災害で亡くなった方の声であり、何があれば死なずにすんだかという内容なのです。

自分と家族が襲われる災害・リスクを知ることから始める

 自分や家族に生じる「非常時」とは、住んでいる場所、家族構成、ライフスタイルなどによって大きく異なります。戸建てなのかマンションなのか、赤ちゃんがいるのかペットがいるのか、独身か大家族か、自営業か会社員か、まず自分たちに襲いかかる災害・リスクを知り、それを回避するための、死なないための道具を選択してください。

防災グッズを用意する際の順番・優先順位

 命を守るための防災グッズにはいくつかの種類と優先順位があります。これから防災グッズを準備するという場合は、ぜひこの優先順位を考えて商品を選択してください。すでに防災グッズを用意しているという場合は、この優先順位を満たす道具が準備されているかどうか、ぜひ手持ちの道具を再度確認するとよいでしょう。

1)大地震の直撃を受けても死なない環境を作る道具

 「事前に準備をすることで死亡率を大きく減らせる」災害が「地震」です。自然災害の多くは事前に準備をする時間が与えられるものが多いですが、地震だけは必ず不意打ちで生じます。しかし「地震で潰れない家」と「家具の固定・ガラスの飛散防止」をきちんと準備しておけば、地震の揺れを単なる自然現象にすることができるのです。

2)体の一部・生命の維持に必要な器具

 メガネ、補聴器、入れ歯、杖、持病の薬、透析を受ける病院など、存在しなければ生命に関わるもの、また行動が大きく制限される体の一部については、そのスペアなり代替調達手段をかならず用意しなくてはなりません。水や食料・毛布は避難所へ行けば手に入れることができる場合があります、しかしこれらの道具は準備しなければ入手ができないのです。

3)避難をするための非常持ち出しセット

 大地震後の津波・火災・土砂災害といった二次災害、大雨による洪水、火山の噴火、原発事故などの自然災害や大事故から命を守るためには、逃げる以外の選択肢がありません。状況によっては一分一秒が生死を分ける場合もありますので、「緊急避難時にはこれを持って逃げる」というセットを用意しておき、すぐに飛び出せる準備が必要です。

4)自宅へ籠城をするための備蓄品・インフラ代替品

 避難をすべき災害とは逆に、感染症のパンデミック(世界的大流行)や、テロ・経済危機による社会不安、大噴火による降灰、大雪など、避難するのではなく危険が去るまで自宅に籠城をすることが必要な状況があります。この場合は水や食料などの備蓄品、電気・ガス・水道などのライフライン停止に備えた防災グッズの準備が必要です。

 以上が防災グッズの優先順位ですが、(1)~(3)については必ず準備をしてください。一方(4)の防災備蓄については、これ以外の状況と比較すると発生頻度が低いこと、またコストや手間がかかることから優先順位は一段階下がります。まずは突発的な災害に対応できるように「地震対策」「生命維持」「避難準備」ができているか、ご確認ください。

  • 命を守る防災グッズ・避難用の非常持ち出し袋を作る

    • 災害時及び避難所におけるペット問題について

      最小限の防災グッズ・寝室の枕元に置くべき防災セット

      日本ならばどの家庭でも用意すべき最小限の防災セットが、枕元に常備をする大地震対策セット、本番用グッズの”つなぎ”です。懐中電灯・軍手・スリッパ・笛・メガネなどを、大地震の直撃を受けても飛んでいかないよう枕元に縛っておくことがポイントです。

    • 避難用の防災セットは2種類に分割して準備する

      非常用持ち出し袋に何を入れるべきか分かりますか?重くなりすぎてはいませんか?防災セットは2分割しての準備がおすすめです。命を守るための道具に厳選した「非常用持ち出し袋」と、避難所生活を快適にする「インフラ代替セット」に分けて作りましょう。

    • 災害時及び避難所におけるペット問題について

      「非常用持ち出し袋」は命を守るための道具に厳選

      非常用持ち出し袋には、避難時の安全を確保するための、命を守る道具だけを厳選して入れて、走って逃げられる重さに調整します。イザというさいに掴んで走り出せる最小限のアイテムと貴重品だけをオシャレなリュックに入れて、玄関先などで保管しましょう。

    • 「インフラ代替セット」は避難所生活を快適にする道具

      それがなくても生死を左右しないという道具は、非常用持ち出し袋ではなく「インフラ代替セット」に分割して準備をします。3日分の水と食糧、睡眠グッズや日用品は緊急用の持ち出し袋には入れず、余裕があれば持ち出せる袋に入れてまとめてきましょう。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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