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最小限の防災グッズ・寝室の枕元に置くべき防災セット

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最終更新日:

執筆者:高荷智也

日本ならばどの家庭でも用意すべき最小限の防災セットが、枕元に常備をする大地震対策セット、本番用グッズの”つなぎ”です。懐中電灯・軍手・スリッパ・笛・メガネなどを、大地震の直撃を受けても飛んでいかないよう枕元に縛っておくことがポイントです。

大地震の直後、安全に周囲の確認をするための防災セット

 自宅に防災グッズのセットを用意する際、最初に準備していただきたいのがこの「寝室に置く枕元防災グッズのセット」です。このグッズはもちろん「死なないための防災グッズ」ですが、就寝時に大地震が発生した際、メチャクチャな状態になった屋内を安全に移動するために最小限必要な道具を布団の近くに設置するものになります。

 最小限の構成は下記の通りです。

大地震の直後、安全に周囲の確認をするための防災セット
  • 小型の懐中電灯(フラッシュライト)
  • 簡易スリッパ(折りたたみスリッパ)
  • 手袋(軍手)
  • 笛(ホイッスル)
  • メガネ・吸入薬の予備など
  • これらを収納するポーチや袋

枕元防災セットに用意すべきグッズのリスト

 最低現必要なものは「照明」「手足を守る道具」「助けを呼ぶ道具」です。

小型の懐中電灯(フラッシュライト)

寝室に置く枕元防災グッズのセット_小型の懐中電灯(フラッシュライト)

 夜中の地震で地域全体が停電すると、月明かり以外の照明がなくなるため室内は完全に暗闇となります。防災用に懐中電灯を用意していても、そこへたどりつくための明かりが必要な状況です。またスマートフォンなどを枕元に置いていても、大地震の揺れに襲われると見つからない場所へ移動してしまう可能性があります。かならず布団から手を伸ばせば届くところに、ライトを用意してください。

 なお、避難時や避難所生活で用いる懐中電灯は、このライトとは別に非常持ち出し袋に入れておいても構いませんので、枕元に置くライトは簡易なもので構いません。写真のものは100円ショップで購入したものですが、このようなライトを用意する場合は乾電池の大きさを他のグッズと共通に(単3電池がおすすめ)すると便利です。

簡易スリッパ(折りたたみスリッパ)

寝室に置く枕元防災グッズのセット_簡易スリッパ(折りたたみスリッパ)

 大地震でガラスが割れたり物が散乱するなど、家の中がメチャクチャな状況になった場合は足下の確保が重要です。窓ガラス、食器扉、蛍光灯、コップや食器などが割れて飛び散ったり、画鋲やビスが落ちて転がったり、普段は収納してある鋭利な文房具やインテリアが落ちて散らばったりするなどと、足下に何があるか分かりません。

 さらに暗闇であれば危険は倍増ですので、足下を照らすライトとあわせてスリッパが必要になります。なお最初から寝室に靴などを置いてもよいのですが、その場合は地震の揺れで飛ばされないように固定をすることと、手を伸ばせば届く範囲に設置することが重要です。そのため手軽に枕元にしまえる折りたたみスリッパが優れているのです。

手袋(軍手)

寝室に置く枕元防災グッズのセット_手袋(軍手

 大地震が発生すると様々なモノが室内に散乱したり、固定していない家具が倒れて通路をふさいだり、ドアや窓がゆがんで開かなくなったりする可能性がありますので、これらを排除するための手を守る手袋が必要になります。行動を開始する際に装着できるように、枕元に常備するようにしましょう。

 なお、避難や救助の際に用いる手袋は、鋭利物や熱にも強い特殊繊維や革の手袋が望ましいのですが、そうした本格的な手袋は非常持ち出し袋に入れておき、寝室にはその本格的な手袋を取りに行くまでの”つなぎ”として、安い軍手を用意しておけばよいでしょう。ただしゴムの滑り止めがついている物が望ましいです。

笛(ホイッスル)

寝室に置く枕元防災グッズのセット_笛(ホイッスル)

 倒れた家具に潰されて身動きが取れなくなったり、部屋に閉じ込められてしまった場合には笛で救助を求めるのが効果的です。大地震の直後はほこりや粉塵が立ちこめるため大声を出すとのどを痛めやすく、助けを呼び続けることができなくなるためです。なお徹底するのであれば、ポーチに入れるのではなく首からぶら下げて就寝するとよいでしょう。

 なお、水に濡れても音が出る「玉なし」ホイッスルが防災グッズとしては適するとされていますが、枕元で使う笛は水濡れを考慮しなくてよいため、安い笛で構いません。

地震で潰れない家について

 ホイッスルを用意するのは、倒壊した建物や家具に押しつぶされた際に救助を呼ぶためですが、大前提としてはまず「地震で潰れない家・地震で倒れない家具」を準備することが最重要です。詳しくはこちらをご覧ください『家庭防災2:建物と室内の地震対策』

メガネ・吸入薬の予備など

寝室に置く枕元防災グッズのセット_メガネ・吸入薬の予備など

 視力が悪い方はメガネのスペアを、ぜんそくがひどい方は吸入薬のスペアをといった具合に、「これがなければ生活ができない」という道具については、予備を寝室にも必ず用意してください。もちろんこれらは普段から枕元において寝ているはずですが、大地震でどこかへ飛んでいってしまうことを避けるためにスペアをセットに加えるのが望ましいです。

入れ物(ポーチ)

寝室に置く枕元防災グッズのセット_入れ物(ポーチ)

 これらの道具を綺麗に枕元へ並べてはいけません。大地震の揺れでバラバラになってしまうと意味がありませんので、袋やポーチに入れて、寝室用の枕元防災グッズセットとしてすぐ取り出せるようにしておきましょう。

寝室にできれば欲しい、次点の防災用品

 ここまでにご紹介した道具に加えて、さらに次のようなグッズがあればさらに望ましいです。ただし、「枕元防災グッズのセット」があれば別の部屋へ移動することができるようになりますので、次に紹介する道具は必須ではありません。

靴(スニーカーなど)

 簡易スリッパを用意するのではなくて、最初から寝室に靴を用意してもよいでしょう。ただし、その場に置いておくだけでは大地震の揺れで靴がどこかに飛んでいってしまう可能性がありますので棚や箱を枕元に固定して、その中に入れておくなどの対策が必要です。理想としては、布団脇にくくりつけたポーチに折りたたみスリッパを入れておき(100均のものでよいです)、さらに同じ室内に靴を置いておくという方法です。

ヘルメット

 寝室を出て他の部屋を確認する際に、最初からヘルメットをかぶっておければ安心です。ただ、本来一番ヘルメットが欲しいタイミングである地震の揺れの最中にはかぶれないため(寝ていますからね)、ヘルメットの優先順位はそれほど高くありません。家の構造によっては、すぐ持ち出せるように玄関脇や廊下に置いておくのもよいでしょう。

 なお、地震の揺れでヘルメットが落下して、これにぶつかりケガをしては笑い話にもなりませんので、靴と合わせてえ箱に入れておくとよいでしょう。

バールやハンマーなどの脱出道具

 自宅の建物の構造、あるいは家具の配置上、寝室に閉じ込められる可能性がある場合は、バールやハンマーなど、ドア・窓を破壊できる道具が必要になります。が、本来はこうした道具が必要のない状況を作り出すことが防災対策の基本ですので、あくまでもやむを得ない場合の準備です。

寝室に常備する防災グッズの保管方法

布団の中から手を伸ばして届く範囲に置く

 寝室用の防災セットが役に立つのは、大地震で家の中がメチャクチャな状態になったときです。揺れが大きくなく、停電もせず、落下物などもなければここで用意する防災グッズは不要で、揺れが収まってから本番用の非常持ち出し袋を取りに行けばよいのです。

 深夜に直下型地震の直撃を受けた場合、地域全体が停電しますので明かりをつけるまでは手探り状態でしか周囲を探ることができません。また強い揺れで家の中は文字通り足の踏み場もないような状態になります。すると、普段あるべき場所に用意していたものが存在しないという状況になってしまいます。

 例えば「スマホがあるから懐中電灯はいらない」と考えていても、そのスマートフォンが揺れでどこかにいってしまって分からない、という状況に陥る可能性が高いのですそのため、ここで用意する寝室用の防災セットは、布団の中から出ることなく、手を伸ばせば届く範囲に置いておくことが重要です。

 手探りで防災セットをたぐり寄せて、ライトで周囲の状況を確認し、手袋とスリッパを身につけてから他の部屋の様子を見に行ったり、きちんとした防災セットを取りに行くことになります。ですから当然、このグッズは大地震の揺れでもどこかに飛んでいかないようにしておく必要があります。

小物はポーチや袋に入れてくくりつける

寝室に置く枕元防災グッズのセット_入れ物(ポーチ)に詰め込んだ様子

 懐中電灯・手袋・スリッパ・笛などの小物は、小さなポーチや袋に入れてまとめます。これをベッド脇の物入れや引き出しに入れたり、足や手すりにヒモで縛り付けておいたりするとよいでしょう。あるいは敷き布団とマットレスの間に挟む、布団の下敷きにしてしまう、枕の中に入れてしまうということも有効です。

ベッド脇の引き出しなどを活用してもよい

寝室に置く枕元防災グッズのセット_ベッドの引き出しに収納した様子

 私の場合は、ベッドの枕元に使っていない引き出しがありましたので、ここに枕元防災グッズの一式を収納しています。また私は視力が悪くメガネが欠かせませんので、枕元のセットに予備のメガネを入れるのはもちろん、別の引き出しに外しためがねもいれて揺れで飛んでいかないようにしています。

 また子供用に同じセットを用意する場合は、ヌイグルミ形のリュックに防災グッズを入れて枕元に置いてもよいでしょう。そのまま避難先へ連れて行けば、子供のメンタルヘルスにも役立ちます。

靴やヘルメットはカゴや箱に入れて枕元に置いておく

 靴やヘルメットなどポーチに入れるには大きすぎるもの、抱いて寝るには抵抗がある道具については、見映えの良い箱やカゴに入れて枕元においておきます。靴を置いておく場合は、中に割れたガラスなどが入り込まないように、逆さまにして置いておくか、箱やカゴにふたをしておくとよいでしょう。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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