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「インフラ代替セット」は避難所生活を快適にする道具

最終更新日:

執筆者:高荷智也

それがなくても生死を左右しないという道具は、非常用持ち出し袋ではなく「インフラ代替セット」に分割して準備をします。3日分の水と食糧、睡眠グッズや日用品は緊急用の持ち出し袋には入れず、余裕があれば持ち出せる袋に入れてまとめてきましょう。

インフラ代替セットの管理と持ち出し

インフラ代替セットは少しくらい重たくても大丈夫

非常時などに避難所へ移動する際、背中には「非常持ち出し袋」を背負いますので、「インフラ代替セット」は肩掛けのボストンバッグやあいているキャリーケースなどに入れて運ぶとよいでしょう。大急ぎで走って避難をする際には非常持ち出し袋だけを掴んで逃げ、インフラ代替セットを持ち出すのは「余裕のある」避難時ですので、持ち運べる重さであればあまり重量や形状は気にしなくても大丈夫です。

押入やクローゼットの中に収納しても問題ありません

非常持ち出し袋は、玄関先などすぐに掴んで飛び出せる場所に置いておくべきですが、インフラ代替セットは若干奥まったところ、押入やクローゼットの中、納戸の中などに入れておいても構いません。ただし水や食品などを入れておきますので、あまり高温になる物置や車両は避けた方がよいでしょう(それほど暑くならないならそういった場所でも大丈夫です)。

インフラ代替セットとして準備するとよい防災グッズ

トイレ・飲料水・食料

 非常持ち出し袋とあわせて3日分程度の、非常用トイレ・飲料水・食料を「インフラ代替セット」としてまとめておきます。非常持ち出し袋に各1日分を入れてあるとすれば、トイレなら1人辺り「7回分×2日=14回分」程度、飲料水であれば1人辺り「2リットル×2日=4リットル(500mlペットボトル8本)」程度、食料であればそのまま食べられるパンの缶詰などと、発熱剤付の食事セットを全部で2日分程度が目安です。

 この「トイレ・飲料水・食料」は、大災害が発生した後、公的な支援が始まるまでの72時間(3日間)を自活することを目的に準備します。また持ち運べる重さの範囲で準備をすることが望ましいので量は3日分としています。これ以上の量を一度に持ち出すことはできませんので、自宅が無事(荷物が取り出せる状態)であることを前提に備蓄品として準備をしておき、必要になる都度取り出す形になります。

3回分程度の着替え(下着)

 長期間着替えなくても生死に関わることはありませんので、衛生管理や精神的な側面が多い備えですが、替えの下着類を2着分程度「インフラ代替セット」に入れておきます。今着ている服とあわせて3着分の着替えがあれば、「着ている服・洗濯中の服・着替え用の服」を常に用意できます。食料などと同様、避難所へ持ち運べる量にとどめる必要がありますので、これ以上の量は不要です。必要な場合は自宅からその都度持ち出しましょう。

ラップ・食器・ガムテープ・ロープなどの生活用品

 これら、生死には関係しないがあると便利な生活グッズについては、非常持ち出し袋ではなく「インフラ代替セット」の方に入れましょう。災害後3日~1週間も立てば徐々に生活用品も手に入るようになってきますので、量は最小限で構いません。またトイレ用の紙や、ティッシュペーパーのボックスなども入れておくと役立ちます。

睡眠グッズ(アイマスク・耳栓・空気枕・エアマット・圧縮毛布)

 避難所などで就寝する際にあると便利なアイテムですが、やはり非常持ち出し袋には不要で、余裕があれば持ち出す「インフラ代替セット」に入れておくとよいでしょう。またこれら睡眠用の防災グッズは自宅が無事であれば不要なものですので(布団で寝るのが一番ですからね)、「自宅が半壊する恐れがある」「津波や洪水に飲まれる可能性があるがおそらく避難の時間はある」といったケースでなければあまり優先度は高くありません。

衛生用品(帽子・除菌スプレー・ドライシャンプー)

 衛生管理グッズも1日程度の避難には不要ですので、非常持ち出し袋に入れる必要はありません。避難所やインフラの止まった自宅での生活が長期化するほどニーズが高まる道具ですので、「インフラ代替セット」へ入れておくと役立ちます。帽子は風呂に長期間入れない際に頭を隠すのに役立ちます。除菌スプレーやドライシャンプーは手洗いなどができない場合の衛生管理に便利です。

水タンク(折りたたみ式やポリタンク)・キャリアー(カート)

 避難所の貯水槽や給水車から水を受け取る際にタンクが必要になります。ポリタンクはかさばりますので、折りたたみ式の水タンクがあるとよいでしょう。また水はかなりの重量がありますので、持ち運ぶためにキャリアーなりカートがあると役立ちます。「インフラ代替セット」をまとめたバッグなどをキャリアーで避難所へ運び、運び終わった後は水の運搬に使う、などの方法を取れば無駄がありません。

インフラ代替セットではなく、備蓄用品として準備すべきグッズ

3日分以上のトイレ・飲料水・食料

 これまでの地震災害や自然災害では、最大3日間程度自活をすれば公的な支援活動が始まるため、水や食糧の目安は3日分程度とされてきました。しかし将来の発生が想定されている首都直下地震、あるいは南海トラフ沖大地震など、被災者の数や被害地域の面積がきわめて大きくなるような大震災においては1週間分程度の備蓄を。強毒性の新型インフルエンザパンデミックなどに対しては2週間~2ヶ月分ていどの備蓄が呼びかけられています。

 これほど大量の水や食糧は、自宅が無事でなければ運用ができません。ですから、自宅が災害で破壊されないことを前提に、持ち出すための「インフラ代替セット」ではなく、自宅で長期のインフラ停止生活をするための物資として備蓄をしてください。

発電機・カセットコンロなど

 避難生活やインフラの停止生活が長期にわたる場合、インフラそのものを代替する必要が出てきます。この場合には非常用の発電機やカセットガスコンロが大変役に立ちます。しかしこれらのアイテムも避難所へ持っていくことはできませんので、自宅で生活をするための備蓄用品として準備しておくことが適切です。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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