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地震対策の最重要事項「死なない環境作り」

最終更新日:

執筆者:高荷智也

地震対策で最優先に行うことは「自宅の耐震補強」「家具の固定」「ダッシュ避難の準備」です。「死なない環境」を用意すること、必ずこれから取り組んでください。

地震対策の最重要事項「死なない環境作り」

「大地の揺れ」で死なない環境を作る

地震対策でまず最初に行うことは、「大地の揺れ」による「圧死・窒息死」を回避する環境を用意することです。「地震」という自然現象が直接引き起こす「大地の揺れ」という災害で死んでしまえば、津波や崖崩れの心配をする必要はありませんし、当然水もカンパンも不要となるからです。

最初に、自宅の建築時期(築年数)を確認してください。自宅が建てられたのが1982年(昭和57年)より昔であればすぐに耐震検査を受け、結果が思わしくない場合は「建て替え」「耐震補強」「引っ越し」を検討してください。これが難しい場合、地震で自宅が倒壊することも視野に入れ、下記の準備を行ってください。

  • ベッドやリビングテーブルを耐震シェルター構造にする(難しいと思います)。
  • 柱が多い空間(トイレや押し入れ)にすぐ飛び込めるように、通路を確保する。
  • 閉じ込められた時に備えて、室内では常に笛・ホイッスルを手元に置いておく。
  • 家族が閉じ込められた時に備えて、屋外にノコギリやバールを用意する。

一方、1982年より後に建てられた建物(厳密には1981年(昭和56年)6月17日以降に建築認可を受けたもの)であれば、地震の揺れで即倒壊する可能性は比較的低くなります。地震発生時には揺れが収まるまで室内で身の安全を確保して、その後の行動を考えます。

「大地の揺れ」でケガをしない環境を作る

「大地の揺れ」による「圧死・窒息死」を避ける環境を用意したら、次に「ケガ(外傷性ショック、頭部・内臓・頸部損傷など)」を避ける環境を準備します。家が無事でもタンスにつぶされれば結果は同じですし、避難をするにもガラスまみれの床を素足で移動することはできません。

1)家具の配置換え

家具が転倒しても直撃を受けない様な配置にする(特に寝室やリビング、子供や老人の部屋など)。

2)家具の固定

賃貸住宅などでやむを得ない場合を除き、できるだけ突っ張り棒などではなく、家具と壁をねじ、チェーンやワイヤーで直接固定する。

3)ガラスの飛散防止

寝室や風呂場、滞在時間が長い部屋を中心に、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼るなどしてガラス被害を軽減する。また棚のガラス扉などにも同様の処置を施す。

4)ラック扉の固定

キッチン上部のキャビネット、背の高い食器棚など、高い位置からの落下を防ぐため、地震の揺れで扉が開かないような器具を取り付けておく。

自宅が高層マンションである場合、建物の倒壊よりも家具による被害の方が心配です。自宅が上階になればなるほど「大地の揺れ」は増幅され、固定されていない家具が室内を「飛び回る」可能性があります。家具の固定は絶対に行ってください。

ここまでの準備を行えば、「大地の揺れ」により死亡する可能性はかなり低くすることができます。

「津波・崖崩れ・火災」などから避難する準備をする

「大地の揺れ」による「死」や「ケガ」の備えを行ったら、次に「地震による各種災害」に対する準備を行います。内容としては、「地震の揺れが収まった直後に全力ダッシュで避難」するための準備です。

自宅の場所が下記に属する場合は、避難道具一式をまとめておきます。

  • 海沿い、川沿い、上流にダムがある谷間→津波・河川氾濫からの避難準備。
  • 崖沿い、山間部→崖崩れからの避難準備。
  • 原子力発電所の近隣(およそ50~100キロ圏内)→原発事故からの避難準備。
  • 工場や石油備蓄基地の近隣→大規模火災からの避難準備。

避難道具一式は、玄関や物置、つぶされない位置にある自家用車の中など、3秒以内に取り出せる場所に普段からおいておきます。押し入れや倒れやすい棚の中に収納されており、「大地の揺れ」ですぐに取り出せなくなった場合は即時にあきらめてください。これを取り出そうとしたばかりに避難が遅れて死亡、という事態は避けるべきです。

避難道具の中身はできるだけ簡易にします。

  • 持病がある人は常備薬
  • 現金(小銭も)
  • 1日分の水と食料と簡易トイレ
  • 簡易なメディカルキット
  • 軍手・マスク・帽子など
  • 懐中電灯・ラジオ・携帯の充電器・乾電池

入れ物は両手を自由にするため絶対にリュックサックにしてください。またこの避難道具は「迅速」さが求められる事態で使用しますので、重くしてはダメです。「背負った状態で走れる重さ」にしてください。そうでなければ、避難グッズが重くて走れず津波に飲み込まれて死亡、という可能性もあり得ます。

食料は1日分で十分です、着替えもいりません、通帳や印鑑も不要です、走って逃げるために必要な最低限で十分です。その後の避難生活のためのいわゆる「地震・防災グッズ」は、「津波・崖崩れ・火災」による生命の脅威が去ってから、ゆっくり取りに戻れば十分です。

その後の対応

地震対策の基本は、すべての人に共通する「大地の揺れ」に対する準備、地域によって生じる「津波・崖崩れ・火災」に対する準備、とにかく「死なない環境」を用意することを最優先に取り組みます。

避難生活を想定した準備、数日分の水と食料、着替え、毛布などは、「死なない環境」を用意してから行ってください。日本の場合、避難所に移動してから「餓死」や「凍死」することは希です。家やタンスにつぶされず、津波や火災にのみ込まれなければ、少なくともそれ以降に死ぬ可能性は低くなります。

「死者にカンパンは不要」、「死なない環境」を整えることを最優先にして、それ以降の準備はゆっくり(というと語弊がありますが)、計画的に行ってください。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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