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ゾンビ対策③ 安全な避難先の探し方と移動のポイント

最終更新日:

執筆者:高荷智也

ゾンビ災害時の移動の鉄則は「ゾンビと戦わないこと」であり、事前準備は武器の備えではなく安全なルート開拓が中心になります。またゾンビの身体能力・知能・五感によって安全な場所が変わるため、いきなり避難を開始せず情報を集めたから移動をしましょう。

ゾンビの特性を把握するまで避難行動は避ける

 ゾンビからの攻撃、及びゾンビウィルスの感染を防ぐためには、ウィルスのキャリア(保菌者)である人間が少ない地域へ移動することを重視します。しかしウィルスの感染力の強さやゾンビの能力によって安全な場所は変わりますので、いきなり田舎や山間部を目指すのではなく、まずは自宅などへ立てこもり情報を集めてから行動を開始することが重要です。

ゾンビ発生時は、状況が落ち着くまで動かずに情報を集める

 ゾンビ災害時に安全な場所は、ゾンビウィルスの感染力の強さと、ゾンビの能力によって変わってきます。ウィルス感染が噛みつきなどの接触感染に限定される場合、ゾンビから身を隠すことができれば感染を防げますが、ウィルスが空気感染(飛沫核感染)力を持っている場合は、ゾンビが発生している地域そのものから離れる必要が出てきます。

 当然ながら、ゾンビが発生するためには「人間」が必要です(例えば“冥界の扉”からゾンビが出現するという主張もあるかもしれませんが、対処ができないためここではウィルス系ゾンビに絞ります)。そのため、大原則としての「安全な場所」とは人が少ない地域であり、逆に危険な場所というのは都市部、とりわけ人が集まる商業施設などは危ない場所となります。

 室内にいる場合、現在いる部屋や建物内にゾンビがいないかを確認し、ゾンビがいる場合は屋外の様子をうかがいながら他の建物へ移動することになります。屋外にいる場合は、ゾンビがいなさそうな建物を見つけて中に避難する必要があります。なお立てこもる部屋や建物を選ぶ際には、脱出ルートが2箇所以上ある場所を選ぶようにするとよいでしょう。

都市部の場合は室内に立てこもり、光・音・臭いを遮断する

 都市部のマンションに住んでいたり、街の中心部にある職場や学校に通っていたりする場合は、他の地域と比較してゾンビ化する人の数も多く、また感染も爆発的に広がる可能性が高いため、ゾンビ発生直後の混乱をどう避けるかが重要な問題となります。近所でゾンビが発生しているという情報を入手した場合、多くの住民が同時に避難を開始するため身動きが取れなくなり、かえって危険な状況に陥ってしまう恐れがあるためです。

 そのため自宅でも職場でも学校でも、まずはゾンビがいない室内に立てこもり、逃げようとする人とゾンビ化する人により生じる混乱を避けることが重要です。ゾンビの能力・知能・五感の鋭さがはっきりするまでは、室内の窓やドアに鍵を掛け、シャッターやカーテンを引いて中が見えないようにし、夜中の場合は電気を消して光が漏れないようにして、そして音を立てずにやりすごします。

 またゾンビは嗅覚で人を関知している可能性もありますので、建物の屋上などから様子をうかがう場合も、レインコートの着用などで露出を抑えるようにしましょう。なお、立てこもりをする際、例えば窓に完全な目張りをしたり地下室へ避難したりするなど、外部との情報を絶ってしまうことは避けてください。室内からゾンビを観察して能力を見極めなければ、救助が来ない限り永遠にその場から移動することができなくなるためです。

ホームセンターは安全なのか?

 ゾンビモノの映画やマンガには、ゾンビ発生時にホームセンターやショッピングセンターへ移動し、そこで物資を調達するようなシーンが数多く登場しますが、おすすめできる行動ではありません。自身が商業施設の従業員で内部構造を熟知しており、全ての店舗や通路の鍵が開けられる。さらに状況の発生が営業時間外で店内にだれもいない、といった状況であれば避難先として利用できるかもしれませんが、そうでなければ避けるべきです。

 ゾンビ発生が日中、まして休日であれば、ホームセンターやショッピングセンターには多くの顧客がいます。人が多いということはそれだけゾンビが発生する可能性も高いため、商業施設はむしろ避難してはならない場所であるといえます。また商業施設は開口部が多く、立てこもれたとしても侵入経路が多いため、安全地帯にはしづらい場所なのです。

段差を越える力と泳力、日光・高温・低温の耐性を知る

 安全な避難先は、ゾンビの身体能力・知能・五感の鋭さによって異なります。ゾンビが段差を超えられないようであれば建物の2階以上は安全です。またゾンビが泳げなければ離島や船の上が安全地帯となりますし、寒さで行動が鈍くなるようならば寒冷地に移動することで安全を確保できるなど、ゾンビの能力を見極めて避難先を考えることが重要なのです。

ゾンビが段差を超えたりハシゴをのぼったりできるか

 ゾンビが高い所にのぼれない場合、街中のいたるところに安全地帯が生じますので、まずはこの見極めから始めるとよいでしょう。ゾンビが階段をのぼれなければ建物の2階以上は安全な場所になります。念のため階段にバリケードなどを設置しておくか、可能であれば階段そのものを破壊してしまえばさらに安全度は高まります。また高層階に立てこもる場合は、ロープや縄ばしごを準備して脱出ルートを用意しておくとよいでしょう。

 ゾンビが壁や障害物をよじのぼれない様であれば、塀に囲われた住宅や建物の内側が安全地帯になりますし、道路や通路にバリケードを築いたり自動車を停車させて封鎖したりすることで、次第に安全な場所を広げていくことができます。ただし塀の外側の一カ所にゾンビが集まりすぎて、ゾンビがゾンビに乗っかる形で乗り越えるケースもあり得ますので、壁やバリケードの周囲を定期的に巡回して監視することが重要になります。

 またゾンビが木や棒をよじ登ったり壁を越えられなければ、街中や屋外でゾンビと鉢合わせた際、例えば木に登ってゾンビをやり過ごしたり、車の屋根に上がって助けを求めたり、塀をよじ登って反対側に逃げたりという行動が有効になります。ただし木や車の屋根に上がる場合、救助の見込みがなければ「目立つ場所に置いたエサ」状態となりゾンビが集まってきますので、目の前のゾンビをかわしたらすぐ逃げることを考えなければなりません。

ゾンビが泳いだり水中を歩いたりするか

 ゾンビが水を越えられない場合は、船上や、まだゾンビが発生していない離島を安全地帯とすることができますので、この見極めも重要なポイントです。特に日本などの島国の場合、ゾンビが水を越えてくると、突然どこかの海岸にゾンビが上陸するという恐ろしい状況になりかねませんので、実験してでも水に対するゾンビの能力を調べる必要があります。

 ゾンビは、ゾンビウィルスの影響で身体の活動に酸素(呼吸)を必要としない可能性があります。この場合、ゾンビが「水泳」をできなかったとしても、水中を歩いたり、あるいは水に流されたりして対岸にたどり着く可能性がありますので、できればゾンビを水中に突き落として行動を観察するなど、水への耐性や呼吸の必要性を観察するとよいでしょう。

 水を越えることができないとの結論が出た場合、ゾンビが発生していない離島、船の上、河川に囲われた地域、川の中州、城跡などの水堀に囲われた場所が安全地帯となります。水中での特性が不明であっても、積極的に泳いだり水中を歩行したりする様子がなければ、巡回は必要ですがある程度安全な場所として考えることができるでしょう。ただし、こうした場所の内側でゾンビが発生すると逃げ場がないため、脱出用の橋や船の準備が必須です。

日光・高温・低温などへの耐性があるか

 ゾンビが夜間にしか行動しない場合は、日光を苦手としている可能性があります。できれば捕獲したゾンビを日の当たる場所に縛り付けるなどして様子をうかがうと確実ですが、日光に弱い場合は昼間の行動がかなり行いやすくなります。ただし窓のない室内を散策する場合や、どうしても夜間に行動しなければならない場合には細心の注意が必要です。

 ゾンビが腐敗をして行動不能に陥る速度は、ゾンビの特性や個体によって変化しますが、高温状態で腐敗が早く進むようであったり、乾燥状態に耐えられないようであったりすれば、南国の地域や砂漠地帯が安全な場所になります。ただしこうした特性は長期間の観察がなければ見極められず、またこれらの環境は人にとっても過酷な場所ですので、十分な準備が必要です。

 寒さによって行動が鈍ったり、氷点下に長期間さらされた場合に凍り付くようであれば、冬季の行動がしやすくなり、またシベリアやアラスカなどのツンドラ地帯が安全な場所となります。冬場にゾンビが発生した場合は屋外のゾンビの動きを観察し、また可能であれば業務用の冷凍庫に閉じ込めて実験できるとよいでしょう。もちろん人側の寒さ対策も必須です。

避難時の戦闘は絶対に避ける

 ゾンビが単なる「凶暴生物」であれば、戦って傷を受けたとしても治療の余地がありますが、ゾンビは致死率100%の「ゾンビウィルス」のキャリア(保菌者)である可能性が高く、ほんのわずかな傷を指先に受けたことが死につながる恐れもあります。人間に「HP(ヒットポイント)」の概念はありません、死に直結する可能性がある戦闘は最後まで回避しましょう。

ゾンビから避難する際には戦わないための行動を心がける

 ゾンビモノの映画やマンガを見ると、どこからか調達した銃火器や刀剣でゾンビを倒しながら街の中を移動する描写をよく見かけます。安全な避難先が明らかであり、ゾンビの頭部(脳)を一撃で吹き飛ばせる武器を保持し、かつその扱いに長けているのであればこうした行動が可能かもしれませんが、銃刀法による武器管理が徹底している日本では難しいと言えるでしょう。

 武器を保持している場合であっても注意が必要です。人口が多い都市部でゾンビ発生に巻き込まれた場合、最終的には数十万、数百万のゾンビに襲われる可能性があります。「いま目の前にいるゾンビさえ排除できれば安全な場所に逃げ込める」という状況でない限り、ゾンビとの戦闘は無限に生じる可能性がありますので、武器の使用は温存するに限るからです。

 また人がゾンビを排除するためには、頭部(脳)を完全に破壊する必要があり、銃火器を用いずにこれを実施することはきわめて困難です。一方ゾンビが人をゾンビ化させるためには、指先にかすり傷を負わせて体液(血液)を接触させればよいため、近接戦闘は人間側にきわめて不利な行為となります。そのため避難時には、戦うことではなく逃げることを考えるのです。

ルートの偵察や拠点構築を行いながら、本避難の準備を行う

 避難をする際には、ゾンビと戦うための武器の準備よりも、そもそもゾンビと出会わずに行動するための準備を整えることが重要です。前述のようにゾンビの身体能力・知能・五感の鋭さをきちんと観察し、ゾンビを避けて行動できるルートを計画したり、ゾンビに襲われた場合に逃げ込む先を検討したりすることが必要になります。

 避難先が決まっている場合は一度の行動で移動を完了させるのではなく、偵察をしたり、道中に安全地帯を構築したりと、少しずつルートを開拓する方法も有効です。ゾンビが発生すると避難する人々とゾンビにより街中が混乱し、道路に車両が放置されたり、火災が発生したりと、移動がしづらい状況が生じる可能性があるためです。

 現在立てこもっている場所から予定する避難地まで安全に行動できるように、路上に放置されている車両を移動したり、捨てられたバリケードを解体したり、ゾンビと鉢合わせた場合に逃げ込める建物を準備します。現在の拠点から少しずつ距離を伸ばしながら、安全に移動できる範囲を伸ばし、とにかくゾンビと戦わずに移動できるような環境を構築しましょう。

移動時の服装(ゾンビを避ける服)について

避難行動時はゾンビと戦闘をすることよりも戦いを回避することに専念すべきですので、防御力よりも動きやすさ・疲れにくさを重視した格好を意識します。ヘルメットより通気性のよい帽子、レザーコートより透湿性の高い登山用レインウェア、鉄板入りの安全靴より貫通防止インソールを入れた登山靴などを選択し、身軽に動けるようにしておきます。

単独行動をする際には動きやすさを重視する

 ゾンビから避難をする際には、例えばフルフェイスのヘルメットやライダースーツなどを着用したくなります。これは移動中にゾンビに襲われて捕まれた場合などに第一撃を耐えられる可能性がありますが、仲間の助けがなければ最終的にゾンビを振り払うことはできないため、単独行動をする場合には防御力よりも移動のしやすさを重視した服装のほうが効果的です。

 避難先が明らかであり距離も数百メートルと短い場合は、短距離を駆け抜ければよいので防御力を重視してもよいのですが、こうした服装は重たく通気性も悪いため、長い距離を移動するのには適していません。また道中で雨などに襲われる可能性もありますので、登山用のレインウェアやストレッチ素材のズボン、歩きやすい靴などを選ぶ方がよいでしょう。

 荷物を持つ場合は、両手を空けるためにリュックや登山用のザックを用います。ゾンビに捕まれることを避けるために、リュックにはレインカバーなどをかぶせて掴める場所を減らすとよいでしょう。またフード付きのパーカーやヒラヒラするスカートなどは、ゾンビに捕まれる可能性が高まりますので、スッキリした格好がよいでしょう。

ゾンビウィルスが空気感染をする場合

 ただし、ゾンビウィルスが空気感染力を持っている場合は、ニュース報道が映画などで見かけるような、全身を覆うタイプの防護服と機密性の高いマスク・ゴーグルが必須となります。ゾンビが全くいない地域を移動する際には不要ですが、道中でゾンビに出くわす可能性がある場合は、感染防護服を着ていなければ接触をしなくてもゾンビ化の恐れがあるためです。

 ※なお、空気感染をするゾンビウィルスが、街中にいる犬・ネコ・ネズミなど人間以外の動物にも感染をしてそこら中に保菌者がいる状況の場合。またウィルスが風に乗って自然と拡散するような場合は、ワクチンがなければウィルスを避けることはほとんど不可能であり、個人で行える備えのレベルを超えてきますので、今回はケースとして想定していません。

 感染防護服がなければ(通常は手に入りません)、最低現新型インフルエンザ対策で用いられるような目の細かいマスク(N95マスクなど)を着用し、さらにゴーグルや水中マスクを着用して、できるだけゾンビに接近せず移動をするしかありません。この場合避難中に同行者が突然ゾンビ化する可能性がありますので、メンバーの様子は常にうかがいましょう。

 またウィルスは雨が降っていると感染力や拡散範囲が弱まりますので、雨天を狙って避難をするということも考えられます。ゾンビの五感の鋭さによっては、ゾンビから発見されづらくなる可能性もありますので、雨具などが準備できれば雨中の避難も有効です。ただしこちらもゾンビを発見しづらいため、鉢合わせには特に警戒をしましょう。

ゾンビの五感を刺激する音・光・臭いを出さずに移動する

 人間を察知するためのゾンビの能力(視覚・聴覚・嗅覚)が明らかでないうちは、移動時にゾンビの五感を刺激することを避けます。ゾンビの視界に入らないようにすることはもちろん、声を上げたり荷物が音を立てたりしないように注意し、また自動車の騒音はゾンビを呼び寄せる可能性がありますので徒歩で移動するようにします。食事を取る際にも、炎の熱・立ち上る煙・食事の臭いなどが過剰にならないように注意してください。

避難時は音を立てないように移動する

 ゾンビが聴覚で人間を察知している場合は、物音を立てずに移動する必要があります。そのため原則としては徒歩か自転車などを使って移動します。また服装もこすれて音が出るような服を避けたり、荷物同士がぶつかって音をたてないようにしたり、また水筒やペットボトルに飲み物を入れる場合もチャプチャプと音がしないように常に満タンにするか、ゼリー飲料のような大きさが変えられる容器を選ぶようにしましょう。

 車両を使ってもよいのは、障害物のない道路を高速で移動できる場合に限られます。ゾンビ発生後は避難時の混乱によって道路に車両が乗り捨てられたり、作られたバリケードが放置されたりする可能性がありますので、混乱が生じた都市部を脱出する際などには車両をつかうと返って身動きが取れなくなる恐れがあります。音の静かな電気自動車やハイブリッド車なら使える場合もありますが、周囲の状況には常に注意を払いましょう。

避難時は光を出さないように移動する

 ゾンビが光を感知する場合は、移動時にピカピカと目立つものを用いないようにします。懐中電灯やライトは大変目立ちますので、夜の屋外や暗い室内を移動する際には、明かりの向きに注意をしてください。デジタル機器の光やタバコなどの火も遠方から目立ちますので、スマホの利用や喫煙も控えましょう。服やバックに反射材がついている場合は取り外すか、テープなどを貼って目立たなくします。

 また避難途中に休憩をする場合も、携帯コンロやたき火をおこして調理をすると、炎や熱でゾンビに気づかれる可能性がありますので厳重に注意をしながら使用します。また災害時用の発熱剤などを用いると安全です。こうしたゾンビの特性を逆手にとって、避難時に花火などを用いてゾンビを引き寄せたり目を引いたりするなどの策を用いてもよいですが、使い方を誤ってやぶ蛇にならないように、よく考えてから実施しましょう。

避難時には強い臭いを出さないように移動する

 ゾンビが臭いで人間を察知している場合は、体臭や食べ物の臭いに注意をする必要があります。水道が使用できれば移動前にシャワーで体を洗ったり、使えなければウェットティッシュなどで体を綺麗にしたりして、少しでも臭いを落とすようにしましょう。服も移動時には普段と異なる物を着るとよいでしょう。またゾンビの嗅覚の強さにもよりますが、休憩を取ったり避難先についたりした場合は、移動ルートに水や消毒剤をまいて消臭しておくと安心です。

 食べ物の臭いを察知する可能性もありますので、煮炊きをする場合は外部に臭いが漏れないように工夫をします。屋外で食事をする場合は、加熱調理が不要な非常食や、ゼリー飲料など臭いが漏れない物を中心にセレクトするとよいでしょう。また屋外で用を足す場合も臭いが残らないように、災害時用の携帯トイレを使用するとさらに安全です。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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