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ゾンビ対策⑦ 現実的な対ゾンビ用の武器選びのポイント

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最終更新日:

執筆者:高荷智也

ゾンビへの対策としてまず「武器」の準備を思い浮かべる方も多いですが、ゾンビとの戦闘は最終手段であることがまず前提です。そのため対ゾンビ用の武器は、とどめを刺すためではなく避難をアシストするための道具を最初に洗濯することが重要です。

対ゾンビ用に求められる武器の性能や機能について

 ゾンビ戦用に準備する武器は、ゾンビを牽制したり押しのけたりするための武器と、とどめを刺すための武器の2種類に分けられます。避難をする際には前者の武器を活用し、複数人でゾンビを倒す戦闘行為を行う際には両方の武器を活用します。またこうした武器を使うのは戦闘訓練を受けていない民間人ですので、ゾンビ用の武器には誰でも簡単に扱える簡便性と、長期間の使用にも耐えられる耐久性・メンテナンス性が求められます。

ゾンビ発生時における武器の存在意義

 各種のゾンビ対策マニュアルやゾンビサバイバルの指南書を見ると、対ゾンビ用の武器・防具について言及している項目が多くあります。ゾンビ災害の特徴は「ゾンビ自体が人間に襲いかかってくる」ことにありますので、対抗するための道具が必要なのだということはもっともです。ただし、大前提として「ゾンビとの直接戦闘は最終手段」であることをまず認識します。

 ゾンビを行動不能にするためには頭部(脳)の破壊が必要ですが、これを1対1で行おうとした場合は、銃火器や大型の刀剣類がなければ困難です。しかし銃刀法に縛られた日本でこうした道具を入手することは難しいため、基本的に対ゾンビ用の武器というのは、ゾンビから逃げる際にアシストをしてくれる道具がまず必要になるのです。

 ゾンビにとどめを刺すための武器は、ゾンビと1対1ではなく、複数人で対峙できるようになった段階ではじめて準備をします。相手が無抵抗であれば、金づちやバール(のようなもの)でも頭部の破壊を狙うことができますが、動き回るゾンビを相手に工具程度で素人が立ち回ることは不可能です。指先にかすり傷を負っただけで致命傷になるとなればなおさらでしょう。

対ゾンビ用の武器に求められる機能や性能

  • 素人でも簡単に扱えて味方を傷つけないこと
  • 耐久性がありメンテナンスもしやしこと
  • 携行性(持ちやすさ・軽さ)に優れること

 ゾンビの攻撃をかわすための武器、ゾンビにとどめをさすための武器、共に扱うのが素人である以上、簡単に取り回しができることが必須条件となります。飛び道具や刃物を用いた場合、使い方を誤ると自分や味方を傷つけてしまう恐れがありますので、訓練ができない状況であれば入手できたとしても殺傷力の強すぎる武器の使用は控えます。

 また対ゾンビ用の武器が必要になる状況においては、精密なメンテナンスなどが望めない可能性が高いため、繰り返し用いても壊れることがない耐久性をもち、極力メンテナンスをしなくてもよい武器がよいでしょう。移動しながら用いることも多くなるため、長時間携帯していても邪魔にならない携行性も必要なります。

避難時に必要な「ゾンビを押しのける」ための武器

 ゾンビから避難をする際に用いる武器は、ゾンビにとどめをさすための武器ではなく、ゾンビと鉢合わせをしてしまった際に、ゾンビを押しのけて逃げ去るための「避難道具」を準備します。この避難道具は移動時に常に携帯する必要がありますので、軽く、頑丈で、またメンテナンスも極力不要であることが望ましいです。リーチのある棒状のものや、あるいは椅子や膨らませたゴミ袋を活用してもよいでしょう。

 ゾンビには痛覚がない(と考えられている)ため、刃物で多少傷つける程度では足止めすらできません。足を完全に切断するなどすれば行動の自由を奪えますが、これではまだ絶命させるにはいたりません。ゾンビを完全に行動不能にするためには頭部(脳)の破壊が必要ですが、台所にある包丁程度の刃物や農作業用の道具ではなかなか困難です。

 そのため避難行動時にゾンビと鉢合わせてしまった場合は、ゾンビを「やっつけて」前に進むのではなく、ゾンビを回避して走って逃げることを考え、そのために必要な武器・道具を準備しておくことが求められます。この際に重要なのが「武器のリーチ」で、ゾンビに捕まれることがないように90cm以上の長さがあるものを選ぶとよいでしょう。

刺又(さすまた)

 対ゾンビ用の護身道具として最適なのは「刺股(さすまた)」です。U字状の金具に長い柄がついた武器で、ゾンビを押さえ込むための道具として用います。身近な所では、警察や、学校、金融機関などに導入されており、犯人を取り押さえるための防犯グッズとして用いられることが多い武器です。本来人を押さえ込むことに最適化された形状をしているため、ゾンビに対しても効果が高いと考えられます。

 さすまたの弱点は飛び道具に対応できないことですが、ゾンビは基本的に飛び道具を使いませんのでこの点は無視できます。また「射出嘔吐」と呼ばれる、有毒な毒液(胃液)を口から吹きかける攻撃を行うゾンビも存在しますが、通常1m~最大でも2m程度の射程距離と考えられていますので、2~3mの柄がついたさすまたであれば回避することが可能です。

 また人にさすまたを用いた場合、犯人の腕力が強いと武器を取り上げられる危険がありますが、一般的なゾンビにはそうした知恵がない(と考えられている)ため、さすまたの熟練度が低い者が扱っても効果が見込めます。襲いかかってきたゾンビや通路をふさいでいるゾンビをさすまたで押し込めて、やり過ごすための道具として用いましょう。

 さすまたはamazonや楽天などの通販でも簡単に手に入りますので、ゾンビ対策・防犯対策の一環として家庭内に備えておいてもよいでしょう。ただし、日常から護身用としてさすまたを持ち歩くと高い確率で職務質問を受けることになりますので、自宅から外には持ち出さないようにしましょう。

竹刀・木刀・傘・杖

 剣道用の竹刀(しない)や、日用品として用いる傘(かさ)、また高齢者向けの杖(ステッキ)、さらに松葉杖なども対ゾンビ用の武器として利用できます。いずれも殺傷力はありませんので、迫ってくるゾンビを押しのけたり、手足を払いよけたりするための用途に限定されますが、特に傘などは使い捨てにもできるため便利です。

登山用杖(ストック)

 ゾンビハザードが発生した際の移動方法は徒歩が原則ですが、サバイバルグッズを持ち運ぶ必要があるため荷物が重たく、歩き慣れていない者にはかなりの負担となります。この時、杖やストックがあると歩行の助けとなりますので大変有効ですが、同時にゾンビを押しのけるための道具としても使うことができますので、排除用の武器としても役に立ちます。

登山用ピッケル(パイル)

 冬山などで用いる登山用のピッケル(アイスアックス)は、軽量で持ちやすくしかも頑丈であるため、つるはし状の形状も相まって対ゾンビ用の武器として役に立ちます。また柄の長いピッケルは杖としても使えるため、ストック代わりにも便利です。ただ、頑丈とはいえゾンビの頭部を破壊するほどの威力は持ち合わせていないため、あくまでも排除用途になります。

反撃時に必要な「ゾンビにとどめをさす」ための武器

 ゾンビの身体能力や知能が明らかになり、人間側に組織だった行動が取れるようになったら、ゾンビに対する反撃を試みます。この際には、前述のようにゾンビを牽制したり動きを封じたりするための道具と、とどめを刺すための武器が必要になります。ベストな武器はもちろん銃火器や刀剣類ですが、日本の場合入手が難しいことと訓練を受けていなければ扱えないため、民間人は基本的に鈍器を用いて戦闘することになります。

つるはし・鍬(クワ)・杵(キネ)

柄の長いハンマーやツルハシ、また畑を耕す際におなじみの鍬(クワ)や、餅つきでつかう杵(キネ)なども、ゾンビの頭部破壊を目的とした道具としては有効ですが、移動や避難をする際の護身用としては携行性の悪さや、破壊力の大きさによる味方への損害が懸念されるため適しません。

金属バット・ゴルフクラブ・

 スポーツ用品もゾンビを無害化するのではなく、一時的な排除・押さえ込み用途であれば役に立ちます。金属バットやゴルフクラブ、あるいは木刀のフルスイングは、人体に対して効果的に決まれば致命傷を与えることも可能ですが、ゾンビの場合は頭部を完全に破壊しなければ行動が止まりませんので、よほど上手に立ち回らない限りは足止め用の道具にしかなりません。

ショベル(スコップ)

 ショベルはそこそこリーチがあり、持ち手があるので掴みやすく、頑丈であるため、ゾンビを押さえ込むための道具としては適しています。軍隊においてはショベルを用いた格闘術もあるそうですが、一般人が対ゾンビ用に用いる場合は、手足を払いのけたり「突き」で足止めをしたり、という用途が主な使い道となります。

ハンマー・バール(バールのようなもの)

 金属製で頑丈なバールは、ゾンビを「無害化」するための武器としてはある程度活用できますが、一時的な排除用としては不適切です。長さ30センチ程度の短いバールではリーチが足りず、90センチ以上の長いバールは主すぎて振り回したり、持ち運んだりするのに適しません。

 バールは対ゾンビ用の武器だけでなく、ドアをこじ開けたり障害物を排除するための本来の用途としても活用できますので、サブ道具として短バールを荷物に加えたり、地震対策の一環として自宅に長バールを備蓄することは有効でしょう。ただし、幅2センチ・長さ24センチ以上のバールを普段から持ち歩くと、いわゆる「ピッキング防止法」で処罰の対象となりますので注意してください

対ゾンビ用の武器としてオススメできない、ちょっとアレな道具

 フィクションとしてのゾンビ映画やゲームには、対ゾンビ用として様々な武器や道具が登場します。例えば轟音を上げて回転するチェーンソーなどがすぐイメージできますが、これは耐久性・メンテナンス性に乏しく、また燃料も必要とするためサバイバル時の武器としてはオススメできません。また騒音がゾンビを呼び寄せる原因となりますので、むしろゾンビに囲まれて危険な状況になる可能性があり大変危険です。

チェーンソー(エンジン付工具・電動工具)

 対ゾンビ戦と言えばチェーンソーなどを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは最悪の選択です。これらの工具は燃料や定期的なメンテナンスが必要であるため非常時には向かず、また動作時の騒音が周辺のゾンビを呼び集める効果をもたらしますので逆効果です。またチェーンソーでゾンビの手足を切り落としても完全な無害化はできず、しかし頭部を破壊するには技術が必要なため、対ゾンビ用の武器としてはまったく不適切です。

包丁・ナイフなどの刃物

 対人戦闘であれば刃物は有効ですが、ゾンビには痛覚がなく、また出血死もおこしませんので、一撃で首をはねることができる攻撃力を持った刃物以外は無意味です。日本の場合、このような威力を持った刃物を入手することは銃刀法の関係で難しく、また入手ができたとしても訓練無しで有効に扱うことはできないため、刃物は考慮から外した方がよいでしょう。

対ゾンビ用に求められる戦闘時の防具・服装について

 ゾンビから避難をする際には、そもそもゾンビとの戦闘を回避するために動きやすい服装をすることが重要ですが、組織的な反撃を行う場合には、役割に応じた防具・装備をすることにいなります。ゾンビにかまれても大丈夫な重装備は、すぐに助けが来る場合においてのみ効果を発揮しますので、複数人でゾンビと対峙する際に前衛となる者は、レザージャケットなどを着用したり、あるいは盾などを活用したりしてもよいでしょう。

少人数での戦闘時は防御力と動きやすさに優れた格好をする

 拠点を構築する際、籠城する建物からゾンビを追い出す場合など、撤退が可能な状況で短時間の戦闘を行う場合は、ある程度防御力があり、動きやすい格好を選択するとよいでしょう。例えばバイク用のライダースーツやプロテクターはよい選択ですし、この場合はヘルメットなどをかぶってもよいでしょう。味方の援護が期待できる場合にのみ、ゾンビとつかみ合いになってもある程度耐えられる格好が有効になるのです。

組織戦を挑む際は役割毎に服装を変える

 ゾンビに対して組織だった反撃を実施する場合は、役割毎に適した服装で戦いを挑みます。組織戦の場合は味方からの援護が期待できますので、重装備の者や盾を装備した前衛がおとり役を務めたりゾンビを足止めしたりする役割を担い、攻撃を受けながら耐えている隙に、身軽な止め役が鈍器で頭部を破壊するなどの分担が行えます。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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