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大雪に関する情報(各種警報)の種類

最終更新日:

執筆者:高荷智也

大雪に関する情報にはいくつかの種類があります。生じる恐れのある災害と備えの内容が異なってきますので、各種警報・注意報の種類を知っておきましょう。

雪の多さ(時間あたりの降雪量)に対しての情報

 まずは単純な積雪量に応じて発表される、「大雪」に関する各種情報です。危険度の高い方から「大雪特別警報」「大雪警報」「大雪注意報」の3種類があります。普段雪が多い地域と少ない地域では、発表される基準が異なり、普段雪が降らない太平洋側の地域の場合、雪国よりも少ない降雪予測で注意報や警報が発表されます。

大雪特別警報

 「府県程度の広がりをもって、50年にいちどの積雪の深さとなり、かつその後も警報級の降雪が丸一日程度続く」と予想される場合に、大雪特別警報が発表されます。50年にいちどの基準は地域によって異なりますが、尋常ではない被害が生じる恐れがあるため、厳重な事前対策と、外出を控えるなどの事後対応が必須となる情報です。

 「50年にいちど」の参考値は、気象庁から一覧表が公開されております。事例をいくつか紹介しますと、例えば新潟県新潟市の場合は「99cm」、東京の場合は「26cm」、また筆者が住む静岡県三島市の場合は「雪の量が少なく50年に1度の積雪量は算出不能」という具合です。50年にいちどの数値が出せない地域については、過去の最高積雪記録なども参考にされます。ちなみに新潟は「120cm」、東京は「46cm」、三島は「18cm」がこの値となります。

参考:『各地の50年に一度の積雪深と既往最深積雪深一覧(平成29年10月20日現在)

大雪警報

 大雪で「重大な災害が起こるおそれ」のあるときに発表されます。例えば新潟県新潟市の場合は「6時間降雪の深さ30cm」、東京都中央区の場合は「12時間降雪の深さ10cm」、静岡県三島市の場合は「平地部は12時間降雪の深さ10cm・山地は12時間降雪の深さ20cm」という具合です。

大雪注意報

 大雪で「災害が起こるおそれ」のあるときに発表されます。例えば新潟県新潟市の場合は「6時間降雪の深さ15cm」、東京都中央区の場合は「12時間降雪の深さ5cm」、静岡県三島市の場合は「平地部は12時間降雪の深さ5cm・山地は12時間降雪の深さ10cm」という具合です。

警報基準の見直し

 大雪に限らず、大きな災害が生じると気象庁の警報基準は見直しが行われます。大雪の場合は、2013年(平成25年)・2014年(平成26年)に、関東や東海地方へ大きな被害を与えた豪雪により警報基準が見直されました。2016年(平成28年)11月17日より、関東・東海における大雪警報・大雪注意報の発表基準が改定され、従来よりも少ない降雪予想で警報・注意報が発表されるようになりました。

※ちなみに、自然現象としてたくさん雪が降る様子を「大雪」と呼び、これにより著しい災害が発生した大雪の現象を「豪雪」と呼称します。

関東地方及び東海地方等の少雪地における大雪警報・注意報基準の見直しについて

強風を伴う大雪に関する情報

 次に、雪を伴う強風で災害発生が想定される場合に発表される情報です。危険度の高い方から「暴風雪特別警報」「暴風雪警報」「風雪注意報」の3種類があります。雪の量が少なくとも猛吹雪で被害が生じる恐れがあるため、積雪量に関係なく注意が必要になります。

暴風雪特別警報

 「伊勢湾台風級(中心気圧930hPa以下、または最大風速50m/s以上)」の台風や同程度の温帯低気圧が、雪を伴って来襲する」と予想される場合に、暴風雪特別警報が発表されます。雪を伴わない場合は「大雨・暴風・高潮・波浪特別警報」となります。尋常ではない猛吹雪で大きな被害が予測されますので、特に外出は絶対に控えなければならない状況です。

暴風雪警報

 「雪を伴う暴風で重大な災害が発生する」恐れのあるときに発表されます。暴風による被害に加えて、暴風で雪が舞って視界が遮られることによる災害(ホワイトアウトによる交通事故など)の恐れについても警戒が呼びかけられています。また暴風雪警報は、「大雪」+「暴風」がセットになっているわけではないため、「雪の量もすごいし、風もすさまじい」という状況が予測される場合は、「大雪警報」+「暴風雪警報」が発表されることになります。

 暴風警報は、平均風速が概ね20m/sを超える場合に発表され、これに雪が伴う場合は暴風雪警報となります。大雪警報と同じく地方毎に基準が若干異なり、例えば新潟県新潟市や東京都中央区の場合は「陸上で20m/s、海上で25m/s、雪を伴う」、筆者が住む静岡県三島市の場合は「陸上で20m/s、雪を伴う(海がないので海上基準はなし)」という具合です。

 なお最大風速が17.2m/sを超えると「台風」になるため、風速20m/sとは相当な強風です。大人でも身体を傾けないとまともに立っていられず、車の場合も通常速度での走行が困難になるレベルの強風です。これに雪が伴うわけですからすさまじい猛吹雪になります。

風雪注意報

 「雪を伴う強風により災害が発生する」恐れのあるときに発表されます。暴風雪警報と同じく、強風だけであれば「強風注意報」となり、これに雪が伴う場合は「風雪注意報」になります。また大雪&強風による災害の恐れがある場合は、「大雪注意報」と「風雪注意報」がセットで発表されることになります。

 強風注意報は、平均風速が概ね10m/sを超える場合に発表され、これに雪が伴う場合は風雪注意報となります。大雪警報と同じく地方毎に基準が若干異なり、例えば新潟県新潟市の場合は「陸上の場合は4~9月は12m/s・10~3月は15m/s、海上は15/m/sで雪を伴う」。東京都中央区の場合は「陸上・海上とも13m/sで雪を伴う」、筆者が住む静岡県三島市の場合「陸上で13m/sで雪を伴う(海がないので海上基準はなし)」という具合です。

その他の雪害に関する情報

 最後にその他の情報ですが、いずれも注意報のみで構成され、警報・特別警報の設定はありません。しかし注意報だからたいしたことがない、というわけではありませんので、それぞれの情報が発表された場合は対応する備えが必要になります。

着雪注意報

 「著しい着雪により、特に電線の断線や送電鉄塔の倒壊などの被害が発生する」おそれのあるときに発表されます。気温0度付近で降雪がある場合に生じやすい被害です。大雪注意報などとセットで発表されることも多くあります。

 これも地域によって基準が異なっており、例えば新潟県新潟市の場合は「気温0度付近で並以上の雪が数時間以上降り続くと予想される場合」。東京都中央区の場合は「大雪警報の条件下で気温がマイナス2度~プラス2度の場合」。筆者が住む静岡県三島市の場合は「著しい着氷・着雪が予想される場合」となっております。普段温かい地域になるほど「あいまい」な表現になるわけです。

なだれ注意報

 「なだれによる災害が発生する」おそれがある場合に発表されます。山などの斜面に積もった雪が崩落することで、人や建物の被害が発生する恐れがあると予想される場合です。当然ながら山のない地域では雪崩が生じることはありませんので、なだれ注意報が発表されることもありません。

 地域による基準を見てみると、新潟県新潟市の場合は「1.24時間降雪の深さが50cm以上で気温の変化が大きい場合」「2.積雪が50cm以上で最高気温が8℃以上になるか、日降水量20mm以上の降雨がある場合」と細かいのに対し、東京都中央区の場合は雪崩を生じさせる山がないためなだれ注意報の基準はなし。一方静岡県三島市の場合、雪はほとんど降らないのですが市の面積の半分が箱根山であるため、「1.降雪の深さが30㎝以上あった場合」「2.積雪が40㎝以上あって最高気温が15℃以上の場合」と定義だけは細かくされています。

 なお、「なだれ注意報」には「なだれ警報」がありませんので、注意報の段階で十分な警戒が必要になります。台風が来ているときに海に行かないように、なだれ注意報が出ているときには雪山に入らない、という自然な対応が必要になります。

融雪注意報

 「融雪により災害が発生する」恐れがある場合に発表されます。具体的には、雪がとけることで土石流や洪水(浸水害)が発生するような状況を想定しています。新潟県新潟市の場合は「1.積雪地域の日平均気温が10℃以上」「2.積雪地域の日平均気温が7℃以上、かつ日平均風速5m/s以上か日降水量が20mm以上」、東京と中央区と静岡県三島市は基準なし、という状況です。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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