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大雪や低温で街中に生じる被害の種類

最終更新日:

執筆者:高荷智也

大雪が降ったり暴風雪が発生したりすると、街中や都市部でも大きな被害が発生することがあります、大雪はれっきとした災害です。ライフラインの停止といった間接的なものから、転倒・交通事故・雪下ろし事故などの直接的な影響まで種類も多岐にわたります。

ライフラインへの影響(停電・断水・流通の停止)

 大雪や暴風雪が生じると、停電・断水・流通の停止といった影響が生じる場合があります。普段雪が降らない地域に大雪が降った場合は顕著に影響が出ますが、普段雪が降る地域においても、想定外の大雪が降った場合は対処が追いつかずにライフラインへ影響がでる場合がありますので、いずれの地域においても注意報・警報が出ている場合は注意が必要です。

大雪による停電

 大雪や暴風雪は停電をもたらすことがあります。電線に湿った雪が着雪すると重みによる負担がかかり、重みに耐えきれなくなると断線してしまいます。比較的気温が高い状況で水分の多い雪(ぼたん雪・べた雪など)が降ると発生することが多い状況です。雪で木が倒れて電線や電柱が被害を受けるという場合もありえます。「着雪注意報」などが出ている場合はこの停電に注意が必要となります。

 また着雪や着氷した電線が強風にさらされると通常時よりも揺れ幅が大きくなり(ギャロッピング現象)、電線同士が接触するショートが生じやすくなります。特に海岸沿いなどでは雪に塩分が含まれやすくなりますが、塩分を含んだ雪は電気を通しやすくなるため、よりショートしやすくなります。「着雪注意報」に加えて、「風雪注意報」や「暴風雪警報」が出ている場合は注意が必要です。それほど多発する原因ではありませんが、こういった停電原因も存在します。

大雪(凍結)による断水

 大雪で停電すると、断水を起こす場合があります。マンションや高台の住宅は電気でポンプを動かして給水を行っているため、停電すると水も止まってしまうためです。また停電以外でも断水が生じる場合があります。それは大雪をもたらす寒波の影響で、水道管が凍結したり破裂したりして、物理的に水が止まってしまう場合です。

 北海道などの寒冷地では、冬場の凍結対策が頻繁に行われますが、普段温暖な地域に強烈な寒波が到来すると、凍結対策がされていない水道管が凍ってしまうことがあります。凍結、即破裂、にはなりませんが、最低気温がマイナス4度を下回る、あるいは日中の最高気温が氷点下になる予想がでている場合は凍結対策が必要になります。

流通の停止

 大雪で道路が使えなくなると、当然ながら流通がマヒ状態となります。そのためスーパーやコンビニ、飲食店などへの入荷ができなくなり、食料品や生活用品が一時的に不足する状況が生じます。特に普段雪が降らない地域の場合、除雪のための準備や対策が十分とられないため、流通網の混乱が長期化する恐れがあります。

 流通が止まっている状況では、もちろん人の移動も制限されてしまいますので、遠くまで買い出しに行くということもできません。そのため「大雪注意報」や「大雪警報」が想定される場合は、早目に生活必需品の買い物を終えて、自宅から出なくてもよい準備をしておく必要があります。

交通事故・歩行中の転倒や落下物によるケガ

歩行中のケガ

 とけた雪が凍結したり、足下が悪くなっていたりする状況では、表面が極めて滑りやすくなっているため、歩行者が転倒しやすくなります。頭を強打したり骨折をしたりするなどの大ケガにつながる可能性もあるため、注意が必要です。特に普段雪が少ない地域に大雪が降り、普段通りに行動をすると転倒をしやすくなります。積雪時に屋外を歩く際には、滑りやすい場所を避けて、急がずゆっくり小さな歩幅で歩くことを意識しましょう。

 また、屋根や軒から落下してきた雪の直撃を受けた場合も、大ケガにつながる場合があります。特に気温が温かくなり雪がとけやすい状況において生じやすくなりますので、屋根の上に雪が残った状況においては、軒下などを通過する際に雪の固まりが落下してくることを想定しなければなりません。軒下を通るときは上を確認して素早く通過するなどの対応が必要です。

大雪による自動車事故

 歩行者だけでなく、大雪時には自動車による摂動事故の発生にも注意が必要です。他よりも気温が低くなる場所、風通しのよい橋の上、陸橋の上、トンネルの出入り口付近などは特に路面が凍結しやすくなるため、スリップ事故に注意が必要になります。スピードを落として慎重に運転をする必要があります。

 同様に交差点なども、多くの車が停止と発進を繰り返すことから、雪がとけて非常に滑りやすくなるため危険な状態になります。ブレーキが利かない状態で交差点に突っ込んでしまうと大事故につながりますので、最徐行での運転が必要になります。同様に下り坂などもブレーキが利かなくなる恐れがあるため、ゆっくり運転する必要があります。

 また「風雪注意報」や「暴風雪警報」などが出ている状況では、地吹雪が発生しやすくなり、運転中に視覚が遮られて運転が困難となる場合があります。こうした注意報・警報が出ていなくとも、大型車が巻き上げる雪煙に巻き込まれたり、突風で視界が遮られたりすることもあるため、路面の状況が良くとも運転には注意が必要となります。

車両閉じ込めによる凍死や一酸化炭素中毒死

 大雪や吹雪で身動きが取れなくなり、車内で救助を待たねばならない状況の場合も注意が必要です。エンジンをかけたまま雪が降り積もり、マフラーが塞がれてしまうと、車の排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒で死亡する恐れがあります。定期的にマフラー周りの除雪が必要です。またエンジンを切った状態で寝てしまうと、今度は寒さで凍死する恐れもあるため、防寒着や毛布などを準備しておかなければなりません。

家屋の倒壊や建物への被害

 雪は見た目に反して重量がある物質です。降ったばかりの新雪の状態では、1平方メートル辺り30~150キロですが、降雪から数日が経って雪が圧縮されてくると、その重さは500キロ近くになることもあります。普通乗用車の重さはおおよそ1トン程度ですが、乗用車と同じ広さの場所に雪が降った場合、およそ50センチ程度の積雪があると、その重量は自動車と同程度になります。

 普段雪が少ない地域の場合、建物に対する雪の重量対策はほとんど取られていません。そのため、駐輪場やカーポートなどに雪が降り積もると、重みで倒壊してしまう可能性があります。駐輪場の屋根に雪が50センチ降り積もるということは、屋根に自動車を乗せているのと同じ状況になるわけですから、確かに倒壊してしまうのにもうなずけます。そのため、雪の量が多くなる場合は、屋根の雪下ろし作業などが必要になるわけです。

除雪(屋根の雪下ろし・雪かき)中の事故

 大雪で発生する死亡事故は、大きく交通事故と除雪(主に屋根の雪下ろし)中の事故に大別されます。雪下ろしは毎年多数の被害が生じており、注意が必要です。

屋根の上で生じる事故

  • 屋根からの転落
    雪下ろし中に屋根の上でバランスを崩したり、足下がスリップして転落し、地面に落下すると死亡事故につながる恐れがあります。特に落下地点が雪かき済で積雪がない場合、クッションになる物がないため被害が大きくなります。命綱・ヘルメットなどの着用が欠かせません。
  • ハシゴからの転落
    屋根の上に上り下りするハシゴから転落をすることでも死亡事故につながります。ハシゴに登っている際に足をすべらせて転落、屋根に乗り移る際に転落、またハシゴに登りながら、雪庇を落とす作業をしている際にバランスを崩して転落するといった具合です。ハシゴの固定、命綱やヘルメットの着用が必要です。

地面の上で生じる事故

  • 屋根からの落雪に巻き込まれる。
    新雪の日や晴れて気温が高くなった日には、屋根からの落雪に注意が必要です。雪の塊の直撃で頭を強く打ったり、また大量の落雪に巻き込まれたりして生き埋めになった場合も窒息死する恐れがあります。
  • 流雪溝・融雪槽・水路への転落
    雪国には雪を捨てるための水路(流雪溝・融雪槽)が整備されている地域があります。雪の処理に大変便利な設備ですが、除雪中に水路へ転落して死亡する事故も毎年発生しています。雪かきをする際には水路への蓋を外して作業をするため、足下に注意して落下しないようにしなければなりません。
  • 除雪機への巻き込み事故
    除雪機に雪が詰まった場合、取り除く必要があります。このときエンジンやモーターを止めずに作業を行うと、体の一部が巻き込まれてしま事故につながることがあります。面倒でも動作を停止させてから処理をしなければなりません。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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