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普段雪が降らない地域における大雪対策

最終更新日:

執筆者:高荷智也

雪国では当たり前の大雪、普段雪が降らない非雪国で生じた場合は一大事、個人レベルにおいては災害級の影響をもたらすことも。非雪国における大雪の情報収集、大雪時の被害想定、大雪に備えた事前の準備について解説をします。

大雪に関する情報収集について

 必ず不意打ちで発生する大地震、突然降り出すゲリラ豪雨とことなり、普段雪が少ない地域における「大雪」は、事前に情報を知ることができます。台風や大雨と同じく、日時と地域を特定した詳細な情報を知ることができるのですから、事前準備をしっかりと行うことが重要です。

 「警報」はその現象がおおよそ3~6時間先に予想されるときに発表されます。しかし明け方や早朝に大雪が予想されている場合、これでは間に合いません。そのため6時間移譲先に警報級の現象が予想される場合は、夕方の時点で「明け方までに大雪警報・暴風雪警報に切り替える可能性が高い」といった発表がなされますので、参考にしましょう。

 と言っても、夜の時点で備蓄などの準備を行っても遅いです(Amazonの当日便だってもう間に合わないですからね)。普段雪が少ない地域で大雪が見込まれる場合は、数日前からニュースなどでその旨が報道されますので、自宅の備蓄状況なり、スケジュールの調整なり、雪かき道具の調達なり、早目に行動するようにしてください。

『参考記事:大雪に関する情報(各種警報)の種類』

雪の量(大雪)に関する情報

 純粋な降雪量に関する情報、大雪を原因として被害が見込まれる場合には、「大雪注意報」「大雪警報」「大雪特別警報」が発表されます。この発表があった場合には、交通機関のマヒや外出の困難、また着雪による停電などの被害に対して備えを行う必要があります。またカーポートの雪下ろしなど、雪の重量が問題になる被害に対しても警戒が必要です。

「雪」+「強風」=「暴風雪」に関する情報

 雪に加えて強風による被害が想定される場合は「風雪注意報」「暴風雪警報」「暴風雪特別警報」が発表されます。この発表があった場合も、交通機関のマヒ、外出困難などの備えが必要ですが、単なる大雪以上に屋外での活動が困難になりますので、とくに外出をしないための準備が必須となります。

その他大雪に関するニュース(特に東京など)

 東京で大雪が想定される場合は、「全国」ニュースやyahoo!トピックスのトップで大々的に報道がなされます(他の地域の場合はせいぜいローカルニュースですが、東京はまぁ、人が多いですからね)。大雪の場合は数日前から特集やら対策記事の紹介やらが念入りになされますので、これらを活用して準備を行うと良いでしょう(当サイトもぜひ)。

気象庁の公式情報の検索について

 現在発表されている大雪警報や注意報は、テレビやWebで簡単に閲覧できますが、今後発表が想定されている警報については、気象庁のサイトでも見ることができます。

『気象庁:気象警報・注意報( http://www.jma.go.jp/jp/warn/ )』

 を開いて、そこから地図か選択肢で地域を「地域・都道府県・市区町村」の順番に絞り込んで行けば、該当エリアの今後の見通しを確認することができます。例えば東京の場合は次のようなページですね。

『気象庁:気象警報・注意報(図表形式) : 中央区( http://www.jma.go.jp/jp/warn/f_1310200.html )』

 このような表記で、真夜中に「大雪警報」が発表される可能性について表示されます。(この画像は記事執筆時、2018/01/21 16:30 時点の情報です。)

 ※どうでもいいですが、気象庁のサイト、もっとスマートフォンで見やすくならないですかねぇ。

雪が少ない地域に大雪が降った場合の被害について

 雪国に積雪をしてもそれは日常の光景ですし、普段雪が降らないちいきの場合も多少の降雪であれば「わぁ雪だ」で済み、特に子ども達は狂喜乱舞します(泥にまみれた雪だるまが量産されますよね……)。ところ、雪が少ない地域で「そこそこ」の積雪が生じた瞬間、それは微笑ましい光景から災害へと転じます。具体的には次のような被害の発生です。

『参考記事:大雪や低温で街中に生じる被害の種類』

交通機関(鉄道・バス・流通)への影響

 東京を初めとする大都市圏で顕著なのが、交通機関に対する影響です。雪が少ない地域では、そもそも積雪自体がイレギュラーな自体であり、特別な事前対策が取られていないことがほとんどです。また対策を取っていたとしても、ある程度の積雪になればやはりどうにもならなくなるのが積雪です(これは雪国であっても同様、絶対量ではなくて相対量の問題ですが)。

 基本的に大雪が想定される場合、交通機関は全面的に停止、あるいは遅延することを前提に様々な計画を立てなければなりません。バスや電車の停止や遅れ、郵便や宅配便の遅配、店舗への商品入荷の送れ、店舗に依存する経済活動全体に対して、さまざまな影響が発生します。「地下鉄に影響はない!」とよく言われますが、地下鉄だけ動いていても……という状況ですからね。

自家用車・バイク・自転車への影響

 地方都市の場合はこちらの方が問題です。スタッドレスタイヤ、チェーン、スノーブラシなどの準備がない地域では、数センチでも積雪をすればもう自動車を走らせることはできません。また自動車以上に、バイク(原付)や自転車などは雪道に弱いですから、電車やバスのない地域の場合、外出の足が全て奪われることになります。

 「雪道装備はないけど多少の雪だから大丈夫」、で自動車や自転車を走らせるのは絶対に止めてください。スリップし、ひとりで崖から転落して死ぬのはかまいませんが、街中でそれをやることは自爆テロ行為と何ら変わりません。雪が完全になくなるまでタイヤの付いた乗り物は使えない、使わない。そのための準備が必要です。

ライフライン(電気・水道・流通)への影響

 大雪や暴風雪は、インフラに影響を与えることもままあります。着雪の重みや暴風雪による倒木で送電線が切断される、大雪で交通機関がマヒして流通網が死亡する、といった状況です。停電すると、暖房・調理・情報収集などに影響がでるほか、地域によってはポンプや浄水場が停止するので水道も断水します。

 しかも悪いコトに原因が大雪の場合、「じゃあ停電してエアコンが止まったから、ホームセンターにストーブを買いに行こう」とか「ご飯が作れないから今夜は外食ね」といった、外出を伴う代替策をとることができません(積雪地域と停電地域が別なら、外出して難を逃れるという方法も採れますが)。備蓄などを初めとした事前準備が必要です。

歩行時の転倒、自動車運転時の事故

 普段雪が降らない地域に大雪が降ると、雪道の歩行や自動車走行に不慣れであるため、転倒事故や交通事故が平常時より増加します。雪道を歩いているときに滑って転倒、打ち所が悪ければ骨折したり、最悪の場合頭を強く打って重症・死亡することもあり得ます。

また雪道装備がない自動車で外出をすることは自殺行為ですが、きちんとした装備があっても雪道の自動車運転に不慣れな場合、スリップ事故や、ブレーキが間に合わずに交差点などへ突っ込む事故などが発生しやすくなります。いずれも外出をしなければ発生しませんので、積雪時はできるだけ引きこもる、ための準備が必要になります。

カーポートや駐輪場の屋根の倒壊

 大雪で簡易的な建物が倒壊することがあります。雪が少ない地域で50年にいちどレベルの大雪が降ったとしても、建物の積雪に対する荷重はこれを考慮いて設計されておりますので、よほど古い家屋出ない限り、自宅が雪の重みで潰れると言うことはまずあり得ません。屋根の雪下ろしなどは、かえって転落事故の原因となるだけですので、基本的にはやってはならない行為です。

 一方、駐車場や駐輪場に設置してある簡易な屋根については、雪国仕様でないばあい積雪20センチ程度で倒壊する恐れがありますので、注意が必要です。こうした設備が自宅にある場合は、定期的に雪落としをして設備の倒壊を防ぐ必要があります。関東などの過去の大雪でも、こうしたカーポートなどの倒壊は各地で多発しています。

雪が少ない地域における、大雪に対する事前準備と防災備蓄

 津波や大雨による浸水害、土砂災害、大規模火災といった災害に対しては、「走って逃げる」ための準備が命を守るための対策として欠かせません。しかし大雪の場合、そもそも走ることができないのです。そのため、新型インフルエンザパンデミック対策のように、「外出をしないための準備」が必須となります。

食品・日用品など生活必需品の買い物を済ませておく

 普段の買い物、早目かつ多めに行っておきます。大雪の程度にもよりますが、1日~数日間、自宅に閉じ込められても支障がないような準備が必要です。また定期的に通院して持病の薬をもらっている場合で、ちょうど在庫が切れそうな場合は早目に手配をする必要があります。これは大雪に限らず、大地震に対する備えとしても重要です。

大雪による停電に備えた準備

 停電に備えた準備も行っておくとよいでしょう。ただ、これは大雪専用に行うのではなくて、大地震への備えや、新型インフルエンザへの備えなど、他の家庭の防災対策の一環として行うとよいでしょう。LEDライトやラジオと予備の乾電池の準備。カセットコンロと予備のボンベの準備。普段の防災の延長として、ぜひ確認をしてください。

大雪専用に行うとしたら、それは電気を使わない暖房器具の準備です。エアコン、ファンヒーター、床暖房などが止まる可能性がありますので、電気不要のカセットガスストーブ、石油ストーブなどが必要です。が、防災専用に新しく買うのであればカセットコンロ程度にとどめ、雪が少ない地域であれば厚着ができるような準備をしておけば十分です。

『参考記事:大雪による停電への備え・豪雪時の停電対策』

大雪による断水に備えた準備

 断水に備えた準備も必要ですが、停電対策同様、大雪専用にわざわざ行うのではなくて、普段の防災対策の延長として取り組むことが重要です。(準備がなにもなければいい機会ですから対策しましょう。)飲料水や調理用の水の備蓄、手指洗浄用のウエットティッシュなどの準備、非常用トイレの準備が必要です。

自動車を雪道仕様にしておく

 大雪の際にはできるだけ自動車に乗らないことが望ましいのですが、どうしても自動車で外出をしなければならないのだとしたら、雪道装備を必ず準備してください。スタッドレスタイヤ、チェーン、スノーソックス、スノースプレーなどのタイヤ周り。雪を落とすためのスノーブラシなどが必要です。チェーンなどは初めて取り付けるときに時間がかかりますので、できれば雪が降る前に練習しておくか、そのまま装着しておきましょう。

カーポートの雪落としの道具を準備する

 自宅にカーポートやサイクルポートがある場合、雪国仕様でなければ積雪20センチ程度で倒壊する場合があります。構造上屋根に上がって雪を下ろすことは難しいため、地上から作業するための道具をそろえておきましょう。雪落とし棒などを事前に購入して、降雪が続く場合は定期的に雪落としをするようにしてください。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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