備える.jp
サイトメニューサイト概要・お問合せ

雪が少ない地域で大雪、外出時の注意とポイント

最終更新日:

執筆者:高荷智也

非雪国における大雪は数年にいちどのイベント(災害)で、時間をずらすか数日待てば影響がなくなる災害でもあります。ケガや事故を防ぐには外出しないことが一番ですが、そういうわけにはいかないという場合の、雪道歩きポイントを紹介します。

大雪時には、「“雪道対策をせずに”外出をしない”」がやはり有効

 大雪時に定番のフレーズとしては「不要不急の外出はしない」が上げられます。が、不急はともかく不要の外出などそもそも多くは無いわけで(深夜徘徊とかですかね)、通勤・通学・買物などをしないわけには行きません。それに雪道=外出NGであれば、そもそも雪国での生活自体が成り立たなくなってしまいます。

 重要なのは「外出をしない」ことではなくて、「雪道を歩く対策をせずに、外出をしない」ということなのです。雪道における服装、雪道の歩き方、積雪時の心構え、雪があまり降らない地域では意識しない、雪国であれば当たり前とされる雪道での歩き方を、きちんと実施することができれば良いのです。

雪道を歩くときは、防水かつ靴底に溝が多い靴を選ぶ

 雪用の冬靴があればそれを履きますが、雪が降らない地域の家庭にそんな便利なものはありませんね。「滑らない」靴はありませんが、「滑りにくい」靴は存在します。ヒールは論外、撥水加工の革靴やブーツも底がツルッとしたものはダメ、スニーカーは防水されていないのでNG。防水で、靴底の溝が深い物を選んでください。

撥水・防水のものを選ぶ

 雪がやんで暖かくなると、非雪国の積雪はすぐにとけてグッシャグシャのシャーベット状になります。雨天時と異なりなかなか水が排水されず、歩道一面がシャーベットになっている場所も多いため、防水の靴でなければとても歩けません。レインブーツ(長靴)を履く場合、防寒仕様でなければつま先がものすごく冷たくなりますので、分厚い靴下をはくか、靴下の重ね履きをするとよいでしょう。

靴底に溝が多い物を選ぶ

 靴底がフラットなものはNG、盛大に転倒します。靴底にできるだけ深い溝が刻まれているものを選んでください。そうした靴がなければ、石の床、鉄板、凍った路面などをできるだけ割けるか、ゆっくりゆっくり歩くことを意識します。

ちなみに私自身が雪の中を歩かなければならない場合は、毎年の登山で使うトレッキングシューズを履きます。防水で靴底の溝がこれでもかというほど深いので、毎日履くのは難しいですが大雪時限定として登場します。

靴紐は普段よりキツメにして、足を靴に固定

 靴の中で足が動くと踏ん張りが利かなくなります。靴紐が付いているなら、普段より気持ちギュッとしめて足と靴を一体化させると安定します。サイズが大きい長靴を履かざるを得ないのであれば、靴下の重ね履きなどをして、できるだけサイズを調整するようにしてください。山歩きをするときにも足下を固定しますが、あんな感じです。

雪道を歩くときは、転倒に備えて帽子・手袋を必ず着用

 どれだけ「滑りにくい」靴を履いても、それでも転倒することがあります。その転倒時に被害をできるだけ小さくする格好をしておくと安心です。

できるだけ両手を空ける

 転倒時に両手が塞がっていると、受け身が取れずケガにつながります。災害避難時と大雪のときは、できるだけ両手を空けるのがよいです。降雪が続いている場合、レインウェアを着て傘を差さずに歩いた方が安全です。傘を差す場合、荷物はリュックかショルダーバッグにして、最低でも片手は空けるようにしてください。ましてスマホを操作しながら歩くのは、普段も槽ですが雪道ではダメ絶対行為です。

手袋を着用

 寒さでポケットに手を突っ込んで歩かないためにも、転倒時に手を守るためにも、手袋は必須です。そもそも雪の中を素手で歩くという方も少ないかと思いますが。溶けかけた雪に触れて濡れてしまうと手がとんでもなく冷たくなりますので、防水の手袋を着用するか、できれば予備を持って行きましょう。予備は軍手でもOKです。恥ずかしい?安心してください、予備の軍手を付けるのは人目に付かない夜の帰宅時です……。

帽子を着用

 ヘルメットとは言いませんが、帽子をかぶっていると安心です。頭を強く打つほど派手に転倒した場合、帽子が役立つかどうかという疑問は生じますが、ないよりははるかにマシです。頭上からの落雪に対処する意味合いもありますが、これも大量の雪の直撃を受けた場合は気休め、でもないよりはマシです。ただどちらかと言えば、防寒に役立ちますから、やっぱり帽子はあったほうがよいでしょう。

雪道を歩くときは、足下と頭上と周囲(つまり全部)に注意を払う

 雪国を歩き慣れていても、雪道は危険がいっぱいです。雪がなくとも同じですが、スマホの画面を見ながら歩くのは止めてください。よそ見をしながら歩き、ひとりでド派手に転んで頭を強く打って死ぬのは構いませんが、周囲を巻き込んではいけません。

雪道は足下に注意、滑りやすい場所を避けて歩く

 普段、通勤や通学、買物で歩き慣れた道であっても、普段雪が降らない地域で積雪した場合は状況が一変します。まずは足下、凍りついてアイスバーンになっている場所、鉄板やマンホール、駅のエスカレーター、ツルツルしたタイルの上、また横断歩道の白線部分(塗装されてつるつるしているところ)に雪が載っている場所は、大変滑りやすいので避けるかゆっくり進みます。

雪道は頭上にも注意、落雪やつららの落ちそうな所は早く通過

 民家の屋根や軒先、建物の突き出した玄関口や看板、電柱屋電線などから、雪の固まりやつらら(は、普段温暖な地域ではほとんどありませんが)が落ちてくることがあります。言うまでもなく直撃をすると命に関わる場合がありますので、頭上に注意しながら歩きます。具体的には、建物のすぐ近く、看板や軒先の下には長い時間立ち止まらず、屋根の下か、逆に空が見える場所を歩くようにします。大地震で余震に警戒するのに近いですね。

歩幅は小さくベタ足で、姿勢は前傾姿勢でゆっくり歩く

 雪道を歩くときは、できるだけ前傾姿勢かつ重心を移動させないようにして歩くと転倒防止につながります。体重を後ろにすると尻餅をつきやすくなり、また歩幅を広げると足が上がって重心移動が大きくなるので、できるだけ歩幅を小さくして歩きます。特にツルツルの地面を歩く際には歩幅を極端に狭く(自分の足のサイズくらいの歩幅)して、ペンギンのごとくゆっくりよちよち歩きで最徐行してください。

 足を地面に付けるときも、かかとやつま先からではなく、できるだけ真上から足全体を着地させるようにすると転倒しづらくなります。この歩き方をすると、自然と歩幅も小さくなりますので、とにかくゆっくり歩くことを意識しましょう。これもよく聞くコメントですが、普段より移動に時間がかかるため、時間に余裕を持って家を出るようにしましょう。

雪道を自動車で走行しなければならないときの注意

自宅近くを走っている場合は急いで帰宅すれば間に合う

 自動車で外出中、スタッドレスタイヤではなくチェーンもない状況で、帰宅が間に合わずに雪が降り始めてしまった場合、移動中であれば一刻も早く帰宅を開始すれば間に合う可能性が高いです。普段雪が降らない地域で大雪になった場合、降り始めてから積雪をはじめるには若干の時間差があります。自宅まで数十分圏内を走行しているのであれば、急いで(でもゆっくり)帰宅してしまうのがベストです。

カー用品店で雪道装備を購入するという方法も

 すぐに帰宅できない場所を走っている場合は、ホームセンターやカー用品店に立ち寄り、チェーンやスノーソックス、スプレーなどを購入するという方法もあります。使い方が分からなくても店員さんにその場で質問できるのもメリットでしょうか。しかし、この行動は皆考えますし、雪が少ない地域ではそもそも在庫が少ないですから、即効で売り切れるリスクもあります。店舗の近くにいるのであれば検討してもよいでしょう。

帰宅も雪道装備の調達も間に合わない場合は、車を置いていく選択肢も

 上記いずれも間に合わない、あるいは仕事中に大雪が降り始めてしばらく帰宅できない、という場合は車を置いて帰宅することも検討します。職場や店舗にいるのであれば、そのまま車を置かせてもらい、バスや鉄道で帰宅、翌日以降に車を回収という方法が最も安全です。また走行中に行動不能に陥りそうな場合も、路肩で身動きが取れなくなると緊急車両の通行の妨げになるため、早目に最寄りの店舗駐車場などに入るようにしてください。

雪道走行時の注意とポイント

 ごめんなさい、雪道走行のアドバイスは私にはできかねますので(かつて大雪の際、坂道でブレーキが効かなくなり、そのまま交差点に突っ込んで死にかけたことがあるレベルの経験値なので、何も言えません…。)以下に参考となるサイトをご紹介します。

雪道を自転車で走行するのはやめましょう

 雪道を自転車で走るのは、専用の超ゴツいスノータイヤをつけていない限りはやめてください。ママチャリは論外ですが、MTBでも雪道は無理です。雪がなくなるまで駐輪場に止めておくか、手で押して歩いて帰宅してください。

 ※かつて大雪の直後に無理矢理ママチャリで外出し、案の定坂道で転倒、そのまま20メートルほどピンボールよろしく坂道を抵抗ゼロで落下し、通学中の中学生達の視線を浴びながらゴミの集積場に突っ込んだのはいい思い出です……(生きてて良かった)。

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也Tomoya Takani
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

関連テーマ一覧

  1. 災害とリスク- 危機の対象を知る
  2. 大雪・凍結・低温 - 雪害対策
  3. 普段雪が降らない地域における、年1回の大雪対策

備える.jp 新着記事