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インフルエンザ・ウイルス スペインの貴婦人
スペイン風邪が荒れ狂った120日

Richard Collier(リチャード・コリヤー) [原著] , 中村 定[翻訳]

20世紀最悪のパンデミック「スペイン風邪」を、市民視点でまとめたドキュメンタリー!

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概要・あらすじ

20世紀最大の新型インフルエンザパンデミック、「スペインかぜ」について、当時の状況を細かく描いたノンフィクション書籍です。

おなじスペインかぜを描写した『グレート・インフルエンザ-TheGreatInfluenza-』が、当時の科学者や行政・軍部のリーダーたちの視点で描かれたドキュメンタリーであるのに対して、本書はどちらかといえば一般市民や、町医者の視点で、市民生活や、個人レベルでの戦いを強いられた町医者たちの行動が、どのようなものだったのか、リアルに描かれております。

第一次大戦の末期と重なった当時、敵の砲弾が降り注ぐ中、腕の中で冷たくなっていく夫を抱きかかえていた妻の気持ち。目の前で死んでいく患者になすすべがない町医者の心情。現代社会で新型インフルエンザパンデミックが発生したらどうなるのか?ということをある意味でリアルにシミュレートした結果と言えるかもしれません。

感想・思ったこと

同じスペインかぜを取り扱った書籍、『グレート・インフルエンザ-TheGreatInfluenza-』と比較をしながら読んでいましたが、前述の通りあちらは指導者レベルの回想であるのに対し、本書は個人レベルでの視点で語られているため、ある意味情景がとてもリアルで共感できます。

また、『グレート・インフルエンザ-TheGreatInfluenza-』では、新型インフルエンザに対する科学的な描写が多くされていましたが、本書ではそういった記述は最低限にとどめ、あくまでも人間達の行動にフォーカスを当てた作りとなっています。

パンデミックが発生した際に、実際に目の前の生活はどうなるのか?ということを、シミュレーションではなく、過去の事例から知るために優れた書籍といえます。100年前の話とはいえ、人間の行動や心理については共通する箇所が多く、対策に役立つ内容ではありませんが、一読の価値はある一冊と言えます。

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書籍の情報

著書名…インフルエンザ・ウイルス スペインの貴婦人

スペイン風邪が荒れ狂った120日

著者…Richard Collier(リチャード・コリヤー) [原著] , 中村 定[翻訳]

出版社…清流出版

初版発行日…2005/12/20

紹介文…「MARC」データベース

新型ウイルスはいつ出現してもおかしくはなく、どの国も例外ではない。インフルエンザの歴史の中でも、全世界で2100万人以上もの死者を出し最大の被害をもたらした「スペイン風邪」が世界を席捲したときの状況をまとめる。

目次

  • 1.「みなさん!これは始まりです」 ● 一九一八年九月三日‐九月十二日
  • 2.「今や、一日に五人ですぞ」 ● 一九一八年九月十三日‐九月三十日
  • 3.「われわれは全滅するのだろうか」 ● 一九一八年十月一日‐十月八日
  • 4.「もともとけだものの病気でしょ」 ● 一九一八年十月九日‐十月十二日
  • 5.「キニーネ四錠と干し草の死の床」 ● 一九一八年十月十三日‐十月二十一日
  • 6.「神のみぞ知る」 ● 一九一八年十月二十二日‐十月二十六日
  • 7.「ドクター!なんとかして」 ● 一九一八年十月二十六日‐十月三十日
  • 8.「死者の命令に従います」 ● 一九一八年十月三十一日‐十一月四日
  • 9.「柵を修理する羊飼いのようなものだ」 ● 一九一八年十一月四日‐十一月十一日
  • 10.「朝食の後はキスばかり」 ● 一九一八年十一月十一日‐十一月三十日
  • 11.「苦しんでいる人たちがいるだけだ」 ● 一九一八年十二月一日‐十二月九日
  • 12.「一家で六人も死ぬなんて…」 ● 一九一八年十二月九日以後
  • エピローグ

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