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新型インフルエンザ H5N1

岡田 晴恵 , 田代 眞人

最新の研究結果に基づき、新型インフルエンザパンデミックを科学的に徹底検証し解説!

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概要・あらすじ

本書は、新型インフルエンザウイルスの構造や、感染時の病状、またパンデミックの発生原因などについて、科学的な視点で深く踏み込んで解説をしている書籍です。対策についても、個人レベルでの備蓄などではなく、科学的な対抗施策を多く紹介しています。

最新の研究データや、多くの実験結果を基に内容が記述されており、裏付けがとれた内容は、理解ができれば読んでいて納得感があります。しかしそれでいて内容が難しくなりすぎず、一般的な理系の知識があれば内容は理解できるレベルにまとめられております。

科学的な視点で書かれた書籍の多くは、とかく内容が難しくなりすぎ、読み手を選ぶ傾向にありますが、本書は要点のみを的確に切り出して内容をまとめ、科学的でありながらもボリュームを抑えているため、レベルは高いですが敷居を低くまとめております。

感想・思ったこと

インフルエンザウイルスを、H5N1やH9N1など、ヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)の構造をもとに分類をして、説明をするケースはよく見られますが、HAの塩基配列をもとにさらにクレード単位で分類をして説明をするなど、かなり踏み込んだ解説となっております。

また、プレパンデミックワクチンの重要性や、その製造方法などを解説する書籍は多く存在しますが、アジュバント(免疫増強剤)添加の必要性を説いたり、DNAを用いた遺伝子操作によるワクチン製造技術を紹介するなど、内容は濃くまとまっております。

前述の文章を読み、???となる方も多いと思います。しかし本書では、これらの意味を解説しながら内容を進めておりますので、科学的な知識に関心がある方に向けては、ぜひオススメをしたい一冊と言えます。

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書籍の情報

著書名…新型インフルエンザ H5N1

著者…岡田 晴恵 , 田代 眞人

出版社…岩波書店

初版発行日…2007/12/20

紹介文…出版元紹介文

H5N1型インフルエンザは強毒性.発生は時間の問題だ.だれも免疫をもたないため,ふれれば全身感染をおこし,数日で死に至る可能性が高い.国内に侵入したら最後,あっという間に拡大するという.第一線の研究者が最新知見からそのメカニズムに迫り,科学的根拠を示す.さらにはワクチン開発の現状から対抗策を提案する.

目次

  • 序章 迫られる対策
    • 新型インフルエンザとは?
    • 危機管理・安全保障の問題
    • 世界同時流行?
    • スペインかぜインフルエンザ流行とは比べものにならない
    • 求められる綿密な行動計画と事前準備
    • 四〇歳未満に重症化
    • 日本での死亡者数二一〇万人!?
  • 第1章 H5N1型ウイルスの病原性の特性
    • H5N1型鳥インフルエンザの拡大
    • A型インフルエンザは人獣共通感染症
    • 鳥インフルエンザウイルスにおける弱毒型と強毒型
    • 強毒型鳥インフルエンザの封じこめ
    • H5N1型鳥インフルエンザウイルスの宿主域拡大
    • 感染源はニワトリだけでない
    • タンパク源として重要だからこそ
    • 世界中のH5N1型対策
    • 徐々に病原性が高くなる
    • サイトカイン-インフルエンザ症状
    • H5N1型鳥ウイルスのヒトでの症状
    • H5N1型ウイルスによるサイトカイン・ストームの治療
  • 第2章 病原性を規定する分子機構
    • HAの構造で強毒性が決まる
    • ヒトに対する病原性
    • インフルエンザではない!
    • 鳥型からヒト型への変化
    • インフルエンザウイルスの構造
    • インフルエンザウイルスの複製
    • インフルエンザウイルスは変異しやすい
    • 連続抗原変異?
    • 過去の流行ウイルスは消えていく
    • <コラム スペインかぜインフルエンザの惨禍を検証する>
  • 第3章 ヒトへの感染のメカニズム
    • ヒトにもある鳥型ウイルスレセプター
    • 鳥型とヒト型の違いを規定する体温
    • ウイルス分離方法の違いによるウイルス性状の変化
    • H5N1型ウイルスの流行と進化
    • クレード1のウイルス
    • クレード2のウイルス
    • クレードとヒトの病態
    • ヒトからヒトへの伝播の症例
    • 鳥の間ではすでにパンデミック
    • ヒトへの感染数は氷山の一角?
    • インドネシアにみるリスクコミュニケーションの重要性
  • 第4章 新型インフルエンザH5N1とたたかう
    • インフルエンザは根絶できない
    • H5N1型新型インフルエンザの強い病原性の保持
    • ウイルスの系統の違いとワクチン作製
    • アジュバントの必要性
    • プレパンデミックワクチン
    • 現在の日本のワクチン計画
    • 不作為は許されない
    • ワクチンにおける問題点
    • DNAを用いて遺伝子操作を行う
    • 免疫原性の低さへの対抗策
    • タミフルの有効性
    • タミフル耐性ウイルスの出現
    • タミフルをどのように備蓄するか
    • <コラム WHOの勧告と未解決問題>

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