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Voicyそなえるらじお #18『首都直下地震、30年以内に70%の確率と言われる理由』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #18『首都直下地震、30年以内に70%の確率と言われる理由』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月17日(木)、本日も備えて参りましょう!

首都直下地震、今後30年で70%はなぜなのか?

本日のテーマは「首都直下地震」

1987年12月17日・千葉県東方沖地震

  • この地震、事と次第によっては、いわゆる首都直下地震になっていたかもしれない地震です。
  • 1987年(昭和62年)12月17日11時8分、千葉県房総半島の九十九里浜付近を震源とした、マグニチュード6.7の比較的大きな地震が発生。
  • 最大震度は千葉県内で観測された震度5でしたが、死者2名を出す災害となりました。
  • この地震が、もっと都心部に近い場所で生じていた場合、いわゆる「首都直下地震」で想定される被害をもたらしていたかもしれません。

2種類ある首都直下地震…海溝型の関東地震

  • ところで、近い将来の発生が想定されている首都直下地震には、2つの種類があります。ひとつは海、相模トラフで発生する海溝型の巨大地震、これは「関東地震」と呼ばれており、おおよそ200年周期で発生しています。
  • 前回の関東地震は、1923年の大正関東地震、10万人以上の死者を生じさせた、いわゆる「関東大震災」です。
  • その前の関東地震は、1703年の元禄関東地震で、江戸はもちろん関東近郊に大きな被害をもたらしました。
  • ちなみに元禄地震の4年後、1707年には、南海トラフ巨大地震である「宝永地震」と、富士山の「宝永噴火」も発生しており、とてつもなく大変な時期であったことが想像されます。
  • この、海で発生する海溝型の「関東地震」ですが、地震の周期は200年、そして前回の関東大震災からまもなく100周年、とうことになるため、次の地震は100年後、恐らく私達が生きている間には生じないだろうと想定されています。
  • 100年先の超巨大地震に備えて、国家100年の計で都市計画や防災対策を見直す必要があると言うことにはなります。

2種類ある首都直下地震…直下型の地震

  • 首都直下地震のもうひとつのタイプの地震が、いわゆる直下型の地震です。
  • 直下型の地震は、海溝型の関東地震が生じると、その余震として大量に発生します。
  • 3.11東日本大震災直後に、日本全国で大規模な直下型地震が頻発しましたが、同じような状況と言えます。
  • そして、前回の関東地震…関東大震災の余震が収まった後、首都圏における直下型地震は長らく発生しておらず、冒頭で紹介した1987年の千葉県東方沖地震が、関東大震災後はじめての、大きな直下型地震だったのです。
  • 問題なのは、この後になります。

関東地震の後は平穏な時期が続き、次第に活発化する

  • おおよそ200年周期で生じている関東地震、その直後には大規模な余震がたくさん生じますが、その後活動が収まると、数十年間は比較的平穏な時期が続きます。
  • 実際、1923年の関東大震災から、64年後の1987年に千葉県東方沖地震が生じるまでの期間は、比較的首都圏で、地震活動の少ない平穏な時期でした。
  • 高度経済成長がなされた要因の1つに、首都を大地震が一度も直撃しなかったから、というのもあるのではと思っています。
  • また前々回の関東地震、1703年の元禄関東地震の後も、しばらく平穏な時期が流れまして、大きな直下型地震が生じたのは、79年後、1782年の天明小田原地震を待つことになります。
  • そしてやっかいなことに、次の関東地震が近づくにつれて、足下で生じる直下型地震が増加するという歴史があるのです。
  • 前回の200年を見てみますと、1703年の元禄関東地震から79年間平穏な時期が続き、1782年の天明小田原地震辺りから、徐々に地震活動が活発になり…
  • 71年後、1853年には嘉永小田原地震が、2年後の1855年安政江戸地震が、
  • その39年後、1894年には明治東京地震が生じ、半年後には東京湾付近で大きな地震が、さらに翌年には茨城県南部で大地震が発生、
  • さらにその26年後、1921年に再び茨城県で大地震が生じ、翌年1922年には東京湾浦賀水道付近で大地震が発生、そしてその翌年、1923年に大正関東地震が発生し、東京などが壊滅しました。

本日も、ご安全に!

相模トラフで生じる、海溝型の巨大な関東地震は、恐らく100年ほど先と想定されています。しかし、前回の関東地震からまもなく100年が経過し、足下で発生する直下型地震については、今後発生の頻度が増していくことが想定されています。

という状況もあり、足下で生じる直下型地震は、今後30年の発生確率が70%と想定されています。明日、いえ、この瞬間に生じてもおかしくない首都直下地震、しかも1回では終わらない可能性が高いのです。

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それでは皆さま、本日も、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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