Voicyそなえるらじお #20『南海トラフ地震の「半割れ警戒」に備える』
最終更新日:
執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月21日(月)、本日も備えて参りましょう!
1946年12月21日 午前4時19分 『昭和南海地震』
本日のテーマは「昭和南海地震」です。
最も最近の「南海トラフ地震」
74年前の本日、1946年(昭和21年)12月21日、早朝4時19分、紀伊半島沖でマグニチュード8の巨大地震が発生、これが最も最近発生した、前回の「南海トラフ地震」です。
- 西日本・四国の広い範囲で、強い揺れと津波による甚大な被害が発生しました。
- 全体での死者は1,300名以上、特に高知県・徳島県・和歌山県など震源に近い地域については、津波などによる大きな被害が発生した。
この間も南海トラフ地震の話を聞いたような?
ところで「南海トラフ地震」の話、そなえるらじおで、最近聞いたよ、ということを覚えている方がいらっしゃるいかもしれません。
- 実は、直近で生じた過去の南海トラフ地震、12月に発生したものが多くあります。
- 1946年の昭和南海地震の2年前、1944年12月7日には、マグニチュード7.9の昭和東南海地震が発生しています。
- この、44年の東南海地震と、46年の南海地震は、時間差で連動発生した1つの大地震と捉えられていて、ふたつあわせて「前回の南海トラフ地震」と扱われています。
- また明後日12月23日は、166年前、1854年に安政東海地震が発生しています。この南海トラフ地震も時間差連動で、12月23日に東海地震が、32時間後の12月24日に南海地震が発生し、大きな被害を生じさせています。
- 前回、そして前々回の南海トラフ地震が、共に時間時間差を置いて、東西で発生しているため、もしかしら次回もそうなるかも...と恐れられているのです。
南海トラフ地震臨時情報・半割れ警戒について
この、南海トラフ地震、東西の大きな地震が、時間差で発生するかもしれない、という想定は、気象庁による情報配信の仕組みとしても整えられています。
- いわゆる「半割れ警戒」と呼ばれている状況ですが、
- 次の南海トラフ地震、東側の東海・東南海地震だけ、あるいは西側の南海地震だけが、単発で発生した場合、短時間のうちに、残りの東西どちらかの地震が追加で生じるかもしれない、というケースの想定がある。
- この場合、気象庁から「南海トラフ臨時情報・巨大地震警戒」という情報が発表され、地震が起こらなかった東西どちらかのエリアに対して、1週間程度、強い揺れや津波に警戒するための「事前避難」を推奨する呼びかけが出される予定です。
- これが「半割れ警戒」と呼ばれているもので、法律的な強制力を伴う物ではないですが、高速道路の閉鎖や鉄道の運休、学校や公共施設の閉鎖、商店の営業停止などが、各自治体・各企業の判断で行われる可能性があります。
- 私達民間人としては、もし東南海エリアにお住まいの場合で、この半割れ警戒、「南海トラフ臨時情報・巨大地震警戒」が発表された場合の計画と準備が必要です。
- 避難場所へ行くのか自宅へ留まるか、あるいは遠くの親戚知人の家に疎開するかといった計画を建てておくこと。大地震に備えた室内の安全対策を行っておくこと、1週間分程度の防災備蓄品を確保しておくこと、などが必要になります。
- もちろん、半割れ警戒が出ずに、いきなり東西連動型の、南海トラフ巨大地震が発生する可能性もあるため、基本的には事前予告なく、突発的に怒ることを想定した準備が必要です。
本日も、ご安全に!
ちなみに余談ですが、昨日12月20日、徳島県立防災センターで実施された、「昭和南海地震の日」メモリアルデー行事で、南海トラフ巨大地震に備えるための防災講演会を実施して参りました。2年ぶり三回目のお声がけ、徳島の皆さま、誠にありがとうございました。
それでは皆さま、本日も、ご安全に!