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Voicyそなえるらじお #21『大地震による延焼火災から逃げる準備を』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #21『大地震による延焼火災から逃げる準備を』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月22日(火)、本日も備えて参りましょう!

大地震対策には「大規模な延焼火災からの避難計画も必須」

本日のテーマは「大規模な延焼火災」です。

2016年・新潟県糸魚川市大規模火災

  • 4年前の本日、2016年(平成28年)12月22日、新潟県糸魚川市で大規模な延焼火災が発生しました。
  • 平成29年版の消防白書によれば…
  • 市内の商店街にある、飲食店からの不注意による出火が原因でしたが、木造の建物が密集している地域であったこと、また冬場の乾燥した強風に煽られ、火災が出火元から徐々に広がるのではなく、風に煽られて複数の場所から同時多発的に発生し続けたことで、大規模な延焼火災に発展しました。
  • 糸魚川市の消防本部および地域の消防団の全ての消防力をが投入され、さらに県内外19箇所の消防本部からも大量の車両と人員の応援を受けることで懸命な消火活動が行われ、出火から11時間後に鎮火の目処がたち、30時間後には全ての鎮火が完了しました。
  • 幸いにして死者は出ませんでしたが、この火災で147棟の建物が被害を受け、17名の負傷者が発生しました。
  • この規模の市街地による延焼火災は、1976年10月29日に、山形県酒田市で発生した坂田大火依頼となりました。
  • ちなみに余談ですが、私が防災に目覚めるきっかけとなったのが、小学校1年生の頃に図鑑で読んだ、この坂田大火の話であり、なんとも感慨深いなぁと、思ったり思わなかったり…

大地震でも被害が懸念される延焼火災

  • 市街地による大規模な延焼火災は、大地震の二次災害としても懸念されています。
  • 例えば1995年の阪神・淡路大震災による大規模な火災、
  • 1923年の関東大震災による極めて大規模な火災、
  • など、過去の大震災でも、大規模な火災が発生することで被害が大きく拡大するという記録があります。
  • 地震による大規模な延焼火災は、地震火災と呼ばれています。
  • 古い、旧耐震基準(1981年6月1日以前に認可を受けた建物)の住宅が密集している地域では、大地震で建物が倒壊しやすい地域です。住宅はつぶれると燃えやすい薪の束になりますので、こうした地域で火災が発生すると、大規模な火災に発展する恐れがあります。
  • さらに古い木造住宅の密集地域は、道路なども狭くて入り組んでいるような場所が多く、消防車が出動できたとしても活動が困難になったり、避難もままならぬという状況が想定されて、火災による被害を拡大する要因となっています。
  • こうした、地震火災が発生しやすい、古い木造住宅が密集している地域は、通称「木密地域」と呼ばれ、大地震発生時に特に注意が必要なエリアとみなされています。
  • こうした地域に住んでいたり、学校や職場がある場合は、大地震発生後の地震火災に警戒して、津波や土砂災害の心配ない地域であったとしても、素早い避難の準備をしておくことが重要です。避難場所とルートの確認、非常持出用の防災リュックなどを用意しておきましょう。

本日も、ご安全に!

大地震の被害想定では、基本的に夏より冬場に発生した場合の方が、被害が大きくなる傾向にあります。これは、冬場の方が地震火災が大規模になりやすいことを反映してです。季節は冬、地震対策の一環として、地震火災からの避難の準備を、ぜひ行ってください。

それでは皆さま、本日も、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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