Voicyそなえるらじお #22『防災リュックにロウソクはNG!クリスマス大震災の悪夢』
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月23日(水)、本日も備えて参りましょう!
クリスマス大震災を防ぐ!
本日のテーマは「ロウソクと震災」です。
1854年12月23日・安政東海地震
- 166年前の本日、1854年12月23日、午前9時15分頃、遠州灘から熊野灘沖を震源とする、マグニチュード8.4前後と推定される巨大地震が発生しました。通称「安政東海地震」の発生です。
- また、166年前の明日、1854年12月24日、午後16時半頃、紀伊半島から四国沖を震源とする、マグニチュード8.4前後と推定される巨大地震が発生しました。こちらは「安政南海地震」の発生です。
- この2つの地震をまとめて、安政の南海トラフ地震として区別されますが、地震の揺れ、津波などによる大きな被害を生じさせた巨大地震でした。
- また、火災による被害も各地で見られ、特に24日に発生した2つめの安政南海地震は、発生時刻がちょうど夕飯の支度などを行う16時半頃ということもあり、大規模な火災に発展した記録が残っています。
- 大地震による火災と言えば、1923年9月1日に発生した、いわゆる「関東大震災」でも甚大な被害が生じました。地震の発生が午前11時58分とちょうどお昼時であり、またたまたま近辺に台風があり、強風が吹いていたこともあり、史上空前の大規模火災に発展したという経緯があります。
クリスマス大震災という悪夢
- さて、安政の南海トラフ地震が生じた1854年は、まだ旧暦時代でしたので、当時の日付では12月23日・24日ではなく、11月4日・5日でした。
- これが現代であれば、12月23日に発生した安政東海地震、翌日12月24日に発生した安政南海地震、Xmasを直撃した震災として、クリスマス大震災などと呼ばれるかもしれません。
- ところで、クリスマスと言えばケーキに立てたロウソクです。
- そして、クリスマスと言えば、クリスマスツリーをはじめとするきらびやかな飾りと、フワフワの衣装や、素敵な包装に包まれたプレゼントです。
- もし、クリスマスパーティーで絶賛ロウソク吹き消し中に、大きな地震が発生したらどうなるでしょうか。クリスマスパーティーと言えば、たくさんの料理、たくさんの飾り、燃えやすいクリスマスツリー、燃えやすいクリスマスの衣装、燃えやすいプレゼントなど、火災の原因がたくさんあります。
- ここに大地震が直撃し、ロウソクが燃えやすい飾りに引火したら、しかもそれが町内の至る所で同時多発的に発生したら、まさにクリスマス大震災の引き金になりかねません。
- 先日、12月16日の放送で紹介した、1932年・東京日本橋のデパート、白木屋で発生した大規模なビル火災。クリスマスツリーの電球がスパークしたことが出火原因で、これが店内に山積みになっていたクリスマス用のおもちゃへ引火し、爆発的に火災が広がったことが被害を大きくした原因のひとつでした。
- ということで、リア充爆発しろ、あるいはクリスマス中止のお知らせではありませんが、この、クリスマスケーキを出火元とし、クリスマスツリーおよび楽しい飾りを延焼原因とする、最悪なクリスマス大震災は、タイミングさえあえば、全くの空想ごとではないのです…。
- あまりにも悲惨な災害ですので、絶対に現実のものにはなって欲しくないのですが…。
非常持出袋にロウソクを入れるのはやめよう
- ところで、防災対策の一環として準備することが多い、非常持出袋。
- 少し古い資料を見ると、入れるべきアイテムとして「ロウソク」がシメされています。
- しかし、ロウソクは火災の原因となるため、推奨できません。
- 大地震の後は、室内外共に粉じんやら、がれきやら、散乱した荷物やらがたくさんある状態になります。
- また余震の発生確率が高い状態になるため、ロウソク→余震→たくさんのガレキなどというコンボで、大規模な火災に発展する可能性が高くなります。
- 今時は、ロウソクを使うよりも、同じ大きさのLEDライトと乾電池を準備しておいた方が、はるかに明るく、長時間つかえる、便利な照明として活用できます。
- LEDライトの普及と共に、防災におけるロウソクは役割を終えました。リュックにはいれず、代わりに予備の乾電池を入れるようにしましょう。
本日も、ご安全に!
ちなみにクリスマス大震災は、同じ原理で、お盆の時期にも同じことが起こる可能性があります。突発的な火災はどこでも生じますので、ロウソクなどを使う場合は消火の準備を、また一家に一本、ぜひ消火器を常備してください。
それでは皆さま、本日も、ご安全に!