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Voicyそなえるらじお #42『震災体験談の落とし穴、大地震の死因は都度異なる』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #42『震災体験談の落とし穴、大地震の死因は都度異なる』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月27日(水)、本日も備えて参りましょう!

震災の体験談を聞く際の心構えについて

体験談は、その人の体験談であり、震災の総括ではない

  • 体験談は自分の体験談
  • 3.11東日本大震災であれば、いかに津波が怖かったか、すばやく逃げる準備が必要だというお話が目立ちますし、1995年の阪神淡路大震災であれば、室内がメチャクチャになった状況や、建物に潰された恐怖体験が多く聞けるでしょう。
  • 体験談は重要です、大変リアルであり、語り継ぐべき内容も多くあります。
  • しかし、あくまでも「個人の感想」であり、次の大地震でその体験談が役立つかどうかは分かりません。
  • 大切なことは、体験談だけを聞いて地震対策をするのではなく、過去の様々なデータからあらゆる大地震に有効な対策を導くことです。

過去の地震と主要な死因

  • 2011年の東日本大震災や、1993年の北海道南西沖地震・通称奥尻島地震であれば、津波による被害が
  • 2018年の北海道胆振東部地震や、2008年の岩手宮城内陸地震であれば、土砂災害による被害が
  • 2016年の熊本地震や、1995年の阪神淡路大震災であれば、建物倒壊による被害が
  • 1923年の関東大震災であれば、火災による被害が
  • それぞれ多くの犠牲者を生じさせる原因となっています。
  • また近年の震災では、災害後の避難生活で命を落とす災害関連死による犠牲者も、主要な死因となっております。
  • もちろん、建物倒壊や、家具の転倒に巻きこまれたり、個別の火災の発生などはどのような地震でも発生しますが、津波・土砂災害・大規模な延焼火災などは、発生しやすい地震とそうでない地震があり得ますので、個別の体験談だけを聞いて、対策を過剰に行う、または対策をしない、などになるのは良くないです。

 地震対策で重要な要素

  • 地震対策では、常に共通して重要な「建物と室内の安全対策」
  • 津波・土砂災害・地震火災などから命を守る「避難計画と道具の準備」
  • 避難所生活による災害関連死を防ぐため、自宅で生活を継続するための「防災備蓄」
  • などを、全て行っておくことが重要です。個別の体験談だけを参考に、偏った対策にならないようにしましょう。

本日も、ご安全に!

もちろん、災害の体験談が無意味ということではありません。災害を自分毎にするためにはこうした体験談は重要ですし、参考になる要素もいろいろ含まれています。体験談と広い視点によるアドバイス、両方を上手にかつようしてください。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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