Voicyそなえるらじお #27『理屈ではない「物が買えなくなる」という二次災害』
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、1月5日(火)、本日も備えて参りましょう!
首都圏に対する緊急事態宣言の再発出
本日のテーマは「物が買えなくなるという二次災害」です。
2020年のコロナ緊急事態宣言
首都圏に対する「緊急事態宣言」の再発出が検討されています。
- 現在の概要としては、
- 早ければ今週中に宣言が出され、期間としてはひとまず1月末まで。
- 住民に対しては、午後8時以降の不要不急の外出自粛要請
- 飲食店に対しては午後8時までの営業時間短縮要請
- オフィス事業者に対してはテレワークの再度の徹底
- などが検討されているようようです
- 一方、学校は休校させない、劇場や映画館などの営業は止めないなど、2020年の4月~5月に出された緊急事態宣言と比較すると、緩やかな状況になりそうです
- ただ、ということは、この緊急事態宣言により感染拡大を縮小させようとした場合は、私達個々人の基本的な対策がより重要になるということですので、引き続き、当たり前の様にマスク着用やこまめな手洗いなどは継続したいところです。
前回の緊急事態宣言では…
ところで前回の緊急事態宣言では…
- 急激な需要の高まりで、1月末から5月末まで、店頭からマスクと消毒薬が消える
- デマの影響で、ティッシュペーパーとトイレットペーパーが一時的に全国の店舗から消える
- 同じくデマの影響で、在宅医療器具などに用いる精製水が、一時的に品薄となる
- 巣ごもり需要の高まりで、パンケーキミックスや各種の粉類、冷凍食品などが一時的に品薄になる
- など、ある日、突然、何かの原因で、必要な物が買えなくなるという事態が度々生じていました。
- こうした状況は、台風の直前に停電対策用の乾電池や窓ガラスに貼るための養生テープが品薄となったり、大地震の直後に備蓄食料が売り切れたり、災害の前後に度々生じています。
物が買えなくなる二次災害
- 今後、どのような事態が生じ、どんなデマ情報により、なにが店頭から姿を消すか分かりません。
- ものが消える原因がデマ情報であり、そのデマに惑わされないリテラシーを自分自身が備えていたとしても…
- 他の誰かがデマに踊らされて物を買い占める、
- あるいはデマに踊らされる誰かの影響による買い占めを心配して、念のために物を買い占める
- という人がいる限り、「ある日、突然、何かの原因で物が買えなくなる」という事態は必ず生じます。これは、理屈ではなく、「突然必要な物がなくなるという二次災害」であると言えます。
- そのため、生活に必要な消耗品については、基本的になくなってから買うのではなく、ある程度の在庫を自宅に確保し続けるようなライフスタイルが、防災的にはオススメです。
- もちろんこれは買い占めを推奨することではなく、どうせ使うことが分かっている消耗品は、常に予備を持ち、予備が減ったら安いタイミングで補充する、「日常備蓄というライフスタイル」の推奨となります。
- 特に、在宅医療で必要な消耗品、介護用品や赤ちゃん用品、ペット用品など、なくなると日々の生活に困難をきたす対象については、常に1~2ヶ月分程度の在庫を持ち続けるのがよいです。
- もちろんこの、日常備蓄というライフスタイルは、パンデミックに特化したものではありません。
- いつ生じてもおかしくない大地震や、台風や大雨による水害。また記録的な大雪によるインフラの停止といった状況にも、大変有効な備えです。自然災害大国日本における、ごく当たり前の準備として、継続していただきたいと思います。
本日も、ご安全に!
今回の緊急事態宣言が、どのような内容になるのか。その後生活にどのような影響をもたらすかはまだ分かりません。しかし同じタイミングで大雪になったり、あるいは大地震が発生しないとは限りません。ぜひ次の消耗品購入のタイミングで、もうひとつだけ余分に買っておく、という準備を進めてみてはいかがでしょうか。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!