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Voicyそなえるらじお #213 東日本大震災や2019年台風19号に学ぶ、災害の広域化・同時多発化

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #213 東日本大震災や2019年台風19号に学ぶ、災害の広域化・同時多発化

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、10月12日(火)、本日も備えて参りましょう!

台風19号の季節

本日のテーマは「災害の広域化・同時多発化」のお話です。

台風19号

  • 一昨日、10月10日(日)に、太平洋で台風19号が発生したと発表されました。現在の所、日本への直接的な影響は生じないコースを辿る想定となっておりますが、安全が確定するまでは少し台風情報に気を配りたい所です。
  • さて、台風19号と言えば、2019年の令和元年東日本台風がまだ記憶に新しい所です。

令和元年東日本台風

  • 2年前の本日、2019年(令和元年)10月12日の19時頃、大型で強い勢力の台風19号が、静岡県伊豆半島に上陸しました。その後台風は関東地方から福島県を縦断した後に太平洋へ抜けて行きましたが、東日本の広い範囲に甚大な被害を生じさせました。
  • 雨については、期間中の総雨量について、静岡・新潟・関東甲信・東北地方の広い地点で歴代1位の値を更新。
  • 関東・東北地方を中心に、140箇所の堤防が決壊するなど、同時多発的ない洪水が発生。
  • こうした状況により、
  • 死者・行方不明者108名の人的被害、
  • 住宅の全半壊が4千棟、住宅の浸水が7万棟という広域被害、
  • JR東日本の新幹線車両センターが水没して、新幹線10両が廃車になるなど、企業の防災対策においても教訓を残し、
  • また経済的にも歴代二位の損害保険支払がなされるなど、大きな被害が生じました。
  • こうした状況を受け、1977年(昭和52年)以来、42年ぶりに台風に名前がつけられました。直前で発生した台風15号には令和元年房総半島台風、そしてこの台風19号には令和元年東日本台風という命名がなされています。
  • 令和最初の年に、平成以降最悪の被害をもたらした台風が発生したことは、現代の防災対策について大きな課題を与えた形となりました。

広域災害

  • さて、防災対策は時代と共に進化します。
  • 様々な自然災害が発生するたびに、新たな想定外が起こり、これに対応するため、防災に関する法律が改正されたり、ガイドラインが設けられたり、個人や企業の防災対策の中身が見直されたりしています。
  • 例えば、2019年の令和元年東日本台風、またその前年、2018年の西日本豪雨、さらに大地震においても2011年の東日本大震災などは、新たな課題を日本に突きつけました。それが、複合災害・被災地の広域化という問題です。
  • 令和元年東日本台風では、関東・東北地方を中心に、ひとつの台風により140箇所の堤防が決壊する被害が生じました。
  • 2018年の西日本豪雨でも、中国・四国地方を中心に、同時多発的な洪水・土砂災害などが発生しました。
  • 2011年の東日本大震災でも、広い地域を襲った揺れ・津波、また原発事故による広域避難、直接的な被災地とはならなかった首都圏における、帰宅困難者問題、計画停電、物資の不足など、広域な問題が生じました。
  • 地球温暖化により、台風の勢力増加、また大雨の頻度増加は実際に数値として表れてきています。
  • 近い将来の発生が想定される首都直下地震や、南海トラフ地震では、多くの方が同時に被災することが想定されています。
  • 従来は、自分が災害に巻きこまれた時、他の誰かが助けに来てくれる、それまで数日しのげればよい、という考え方がありましたが、
  • 広い地域が同時に被災、あるいは多くの方が同時に被災者となるような災害が実際に起こり、今後も発生し続ける可能性がある現代においては、自分およびその他多くの方が同時に被災することを前提に、自分の身は自分で守る、自助を徹底する対策が求められるようになっています。

現代の広域災害への備え

  • 例えば個人であれば、
  • 自宅の耐震化や室内の安全対策はもちろん、
  • 応急手当や救助活動に必要な道具の準備、
  • 最低3日、できれば1週間分の防災備蓄品の準備などは必須と言えます。
  • また企業においても、例えば全国に拠点がある会社の場合、水害などが発生した際には被災しなかった拠点でのバックアップを計画しますが、
  • 水害の広域化・同時多発化に伴い、ハザードマップで沈んだり崩れたりする場所にある拠点は、同時に被害を受けることを前提とした初動対応計画を定める、といった変更が必要になります。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「災害の広域化・同時多発化」のお話でございました。

災害の直撃を受けたとき、もちろん最終的には誰かが助けに来てくれる、ことを前提にしてよいのですが、助けに来てくれるまでの期間が、かなり長いかもしれない、ということは認識する必要がある時代が、現代だと言えます。

備蓄品の量などについては、ぜひ見直しをしてみてください。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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