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Voicyそなえるらじお #214 停電は突然に…エレベーターや電車への閉じ込め対策を

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #214 停電は突然に…エレベーターや電車への閉じ込め対策を

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、10月13日(水)、本日も備えて参りましょう!

閉じ込められたくないですよね

本日のテーマは「閉じ込め対策」のお話です。

コピアポ鉱山落盤事故

  • 11年前に南米・チリで発生した、ある事故を覚えているでしょうか。
  • 2010年8月5日、チリのコピアポ鉱山で落盤が発生し、33名の作業員が閉じ込められる事故が発生いたしました。
  • 作業員達は地下700mの地点に閉じ込められ、事故発生から18日目に地上から掘られたドリルの穴を通じて生存が伝えられ、その後過酷な環境を、地上からの支援とチームワークで生き抜き、
  • 事故発生から69日後、ちょうど11年前の本日、2010年10月13日、全員が生きて救出されました。
  • 発見されるまでの最初の17日間は、2日ごとにスプーン2杯のツナ缶と、コップ半分のミルクで凌いでいたということですので、全員が生きて生還したというのは本当に奇跡的なことだったと思います。

閉じ込め対策が必要です

  • さて、日常生活において、地下700m地点に閉じ込められる可能性は、通常の生活をしている限りは小さいと言えます。
  • しかし、突発的な停電によるエレベーターや鉄道車両への閉じ込め、大地震の揺れによる倉庫や小部屋への閉じ込め、大雪による自動車内への閉じ込めなど、空間への閉じ込めに遭遇することは、誰にでもあり得ます。
  • 先日10月7日に首都圏で発生した最大震度5強の地震でも、首都圏全体で7万5千台のエレベーターが停止し、28件の閉じ込めが発生したと報道されています。
  • また、エレベーターに閉じ込められなかった場合であっても、タワーマンションなどのエレベーターが停止し、自宅まで歩いてのぼるしかなくなった、あるいは逆に、自宅から屋外へ出ることが難しくなった、という擬似的な閉じ込めが生じたケースも多数あります。
  • このような、何かの事態でどこかに閉じ込められた場合の対応については、日頃から意識と対策を講じておくことが望ましいと言えます。

閉じ込められない立ち回り

  • 閉じ込め回避としてすぐできる根本対策としては、閉じ込められる可能性がある施設を利用しないという方法があります。
  • 具体的には、エレベーターを利用せず階段を使おうという、なんでしょうか、健康に関するポスターのキャッチコピーのような対策です。
  • もちろん、階段の上り下りが物理的に難しい方の場合、10階・20階と高層階へ移動する場合、荷物を抱えている場合などは、エレベーター利用が望ましいですが、健康で時間に余裕がある場合、体力的に問題の無い範囲で階段を使うというのは、防災および健康的にも良い方法です。
  • 私も日頃からエレベーターやエスカレーターなど、自分の意思で動かない乗り物については、できるだけ回避するようにしています。ただ、やり過ぎると生活が不便になりますので、あくまでもできる範囲で行動するのがポイントです。

重要なトイレ対策

  • エレベーターや電車への閉じ込めで問題になるのが、とにかくトイレの問題です。
  • 閉じ込めが長時間になる場合は、夏場の熱中症対策、冬場の防寒対策、また水分補給の問題なども重要ですが、トイレの問題は短時間から長時間の閉じ込めまで、あらゆる状況で発生するため、極めて重要です。
  • すぐできるトイレ対策としては、閉じ込められる可能性がある施設や乗り物に乗る前には、トイレを済ませて起きましょうという、小学生並みの対策につきます。
  • 電車に乗る前に、エレベーターで移動する前に、できるだけトイレに行っておく、というのはすぐにできる閉じ込め対策です。全てが全て、できるわけではないと思いますが、階段で歩くようにすることとあわせて、ぜひ意識したい項目と言えます。

ものを準備する

  • 実際に閉じ込められてしまった状況への備えとしては、必要なものを普段から準備するということも重要です。
  • 停電で暗闇になると身動きが取れなくなりますので、LEDライトを一つは持ち歩く。
  • 救助を呼ぶために、ホイッスルなどもライトとあわせて携帯する。
  • 通勤通学の鞄の中に、できればペットボトル水や水筒の水を常時確保する。
  • そして非常用トイレと目隠しも携帯することも有効です。
  • 携帯トイレは最後の手段ですが、どうにもならない場合には有効なアイテムとなります。目隠しとなる携帯ポンチョや、アルミのエマージェンシーブランケットなどとあわせて、ぜひ一つ二つ持ち歩くことをオススメします。
  • また、エレベーターの中には非常時用の道具を詰めた箱が設置されている場合があります。エレベーターの端っこに置かれている箱、三角のイスなどが該当しますので、自宅や職場などのエレベータにこうした設備がないかは、普段からきにしておいてください。
  • またトイレが設置されていない鉄道車両などの場合、運転室に非常用トイレなどが詰まれている場合があります。どうにもならない場合は、電車内のインターフォンなどで車掌室へ尋ねて見るのも方法の一つです。
  • また逆に、どこかに閉じ込められてしまった家族や、ご近所さんや、職場・学校の人を救助しなければならない状況もあり得ます。
  • 自宅や会社の備蓄品の一つに、ぜひ救助用品、バール・ジャッキ・ノコギリ・作業グローブなどを追加するようにしてください。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「閉じ込め対策」のお話でございました。

身動きが取れなくなる、という状況は考えるだけでも恐ろしいことですが、だれでも巻きこまれる可能性があります。可能性をゼロにすることはできませんが、閉じ込め確率を下げたり、必要な道具をひとつでも携帯することは可能です。できることから、ぜひ取り組んでみてください。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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