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Voicyそなえるらじお #218 被災するなら少数派になろう理論、海外移住なら南半球がよいと思う理由

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #218 被災するなら少数派になろう理論、海外移住なら南半球がよいと思う理由

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、10月19日(火)、本日も備えて参りましょう!

コアラとカンガルー

本日のテーマは「自然災害を避けるための海外移住・後編」です。

  • 昨日の放送では、大地震が少なく、活動中の活火山がないオーストラリアって、自由に移住できるならいいよね、というお話でした。
  • 本日は、自然災害の少ない国へ移住できるとしたらどうしたいか、後編となります。

水害は「生じない国」ではなく、「その国の中で生じづらい場所」を選ぶ

  • 地球の構造上、大地震や火山については少ない場所がありますが、大雨による水害や土砂災害などは、雨と川と崩れる何かがあれば、どこにでも生じます。しかも地球温暖化の影響で大規模な水害が全世界的に生じやすくなっている状況もありますので、
  • 水害が少ない国を選ぶというのは難しく、選んだ国の中で、水害の起こらない場所に住むということが、重要だろうと思います。
  • 日本も台風が多く、山がちですので土砂災害も生じやすい国ですが、水害については起こる場所と無視できる場所がありますので、ハザードマップがあれば確認、なければ自分の目で周囲の地形を確認し、水害の生じやすさを把握するしかありません。
  • また、山火事、都市部の大規模火災、大雪による雪害なども水害と同じく、生じづらい国を探すというよりは、その国の中で安全な場所を探すという方法がベターと言えます。

感染症や害獣・害虫

  • オーストラリアを選んだもうひとつの理由が、深刻な感染症や、マラリア蚊のまん延がない地域であるためです。
  • 地震や火山が少ない地域としては、アフリカなども挙げられますが、アフリカは各種感染症のリスクが高く、またマラリア蚊が多い地域でもあるため、できれば外したいなと思いました。
  • オーストラリアは、マラリアの蔓延していない地域ですので、その点では有利です。ただ、害虫がいないわけではなく、観光ガイドサイトなどを確認すると、各種の虫に注意するべし、という勧告はあります。
  • 都市部を離れると、注意が必要なハエ、アリ、クモなどの脅威があるということです。ただこれも、オーストラリアだから危険という訳ではなく、日本にもスズメバチのような最悪の虫がいますし、山に入れば毒蛇やイノシシや熊などの脅威もありますので、どこでも注意が必要な項目と言えます。

南半球を選びたい

  • さて、オーストラリアを選んだ大きな理由が、南半球にあることです。
  • なにがよいのか、ひとつは核戦争や局地的紛争を回避しやすいという点です。
  • 戦争も自然災害と同じようなリスクの一つですが、直近で局地的な紛争が起こりそうな地域の多くは、北半球に集中しています。
  • また、人類が引き起こせる最悪の災害は、核戦争による核の冬、核爆発によって巻き上げられたチリが太陽光を遮って、直接的な被害を免れた地域にも寒冷化をもたらすという現象ですが、
  • 核戦争に巻きこまれる恐れのある主要国は、やはり北半球に集中していますので、南半球の気温低下は北半球ほど大きくならない可能性があります。
  • ただ、南半球の南極に近い地域は、オゾンホールの影響により強い紫外線を受けるため、太陽の光をあまりあびないようにする、などの白内障や皮膚がん対策は必須です。

季節が逆なのもよい

  • また、南半球には人口の多い主要国が北半球より少ないため、
  • 全地球的な災害、とりわけ寒冷化による食糧不足を招くおそれがある、天体衝突、超巨大噴火、核戦争などが発生した際に、食料の入手が北半球よりしやすいというメリットがあります。
  • 北半球で絶望的に食料が手に入らない冬の期間は、南半球は夏ですので、寒冷化が生じていても多少は食料生産の望みがあること。逆に南半球の冬は北半球の夏ですので、多少は輸入できる可能性があること、などが理由となります。
  • また、過去の放送で、災害にあうならば少数派になろうというお話をしました。
  • 例えば日本、どこかで災害が発生しても、首都圏が無事であれば支援を期待することができますが、首都圏、とりわけ東京が大規模災害の直撃を受けると、ここを支援できるほどの地方が存在しないため、厳しい状況になります。
  • オーストラリアは人口の少ない国ですので、何かの理由で大きな災害の被害を受けたとしても、北半球が無事であれば、支援を期待することができます。
  • 地震が少ないヨーロッパ北部や南北アメリカの太西洋側を避けたのは、人口が多く、何かの理由で大規模な災害の直撃を受けた際に、支援を受けられない可能性があるからなのです。

本日も、ご安全に!

ということで、昨日・本日の前後編で、「自然災害を避けるための海外移住・オーストラリア編」のお話を致しました。

なぜオーストラリアなのか、改めてまとめますと…

  • 大地震が少ない
  • 活動中の活火山がない
  • 水害は生じる可能性があるが、国土が広いので住む場所を選びやすい
  • マラリアの非・流行地域であり、その他や深刻な感染症が少ない
  • 大規模な戦争に巻きこまれるリスクが相対的に低い
  • 南半球にあるため、食料生産などを北半球とリスクヘッジできる
  • 同時に被災する人口が少ないため、海外の支援を相対的に受けやすい

このような形になります。

ただ、これはあくまでも、もし自由に海外移住ができるという条件で、災害を避けるならどの国がいいか、という仮定のお話です。

私は日本が好きです。災害が多いのは仕方ないと思っていますし、共存することで得られるメリットの方を重視しています。引き続きこの自然災害大国で、長生きするための防災について、考えて参りたいと思います。

最終回のようなまとめ方ですが、そなえるらじおは、まだまだつづきます。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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