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Voicyそなえるらじお #225 宝永の南海トラフ地震と富士山宝永噴火

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #225 宝永の南海トラフ地震と富士山宝永噴火

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、10月28日(木)、本日も備えて参りましょう!

前回の南海トラフ巨大地震

本日のテーマは「宝永地震」です。

  • 本日10月28日は、314年前に宝永地震が発生した日です。
  • 江戸時代、1707年10月28日、旧暦では宝永4年の10月4日のお昼過ぎ、午後14時頃に、静岡県沖の遠州灘から四国までの沖合を震源として、マグニチュード8.6から9程度と想定される、巨大地震が発生しました。
  • いわゆる南海トラフ巨大地震、宝永地震の発生です。

宝永地震

  • 宝永地震は、2011年に東日本大震災が発生するまでは、日本史の記録にのこる最大規模の大地震でした。
  • これと同じ規模の巨大地震が現在発生した場合は、西日本大震災と呼ばれる様な被害が生じるだろうと想定されておりますが、これは遠い将来の話ではなく、近い将来発生するかもしれない脅威となっています。
  • 実際、直近30年間で南海トラフ地震が発生する可能性は、70%から80%と想定されているなど、極めて高い確率が示されています。
  • この宝永地震では、現在の静岡・愛知・三重・和歌山・滋賀・京都・大阪・徳島・高知・大分辺りで、震度6弱から7に匹敵する強い揺れを観測した他、特に巨大津波で甚大な被害が発生しています。
  • ちょうど3.11東日本大震災の被害と同じような構成と言えますね。
  • 死者は数千人から数万人と想定されていますが、なにしろ江戸時代の記録ですのではっきりした数字は分かっていません。人口も現在の2割から3割程度の時代ですので、現在の数字に直せば数万から数十万人の犠牲者が出たような大地震と言うことになります。
  • 実際、今南海トラフ巨大地震が発生した場合の死者としては、最大約23万人ほどと想定されています。
  • ちなみにこの想定死者、2012年に試算された際には最大約32万人と想定されていましたが、その後建物の耐震化、避難意識の向上、人口比率の変化などの影響で、2019年の試算では23万人と下方修正されています。
  • いずれにしても甚大な被害になることは明白で、これが過去に繰り返し発生しており、しかもいつ次が来てもおかしくないと言うことですので、
  • 自宅の耐震化、家具の固定、避難の準備、防災備蓄品の確保と言った基本的な対策は今すぐ、必須、と言えるでしょう。

宝永地震による余震

  • ところで、大きな地震が発生しますと、しばらくの間余震が発生します。この余震の大きさは、本震となった地震のマグニチュードから1つ2つ減った大きさの地震が多く発生します。
  • 本震となった地震のマグニチュードが7であれば、余震はマグニチュード5から6を中心に発生することが多いのですが、3.11東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震や、宝永地震の様に、マグニチュード9クラスの超巨大地震ともなりますと、余震ひとつがマグニチュード7から8と、単体で生じれば大震災を招く規模の地震がバンバン起きますし、
  • 本震から離れた地域でも誘発地震が生じる可能性が高まりますので、厳重警戒が必要です。
  • 東日本大震災では、地震発生の30分後に、マグチュード7.7、最大震度6強の最大規模の余震が発生しましたが、翌日には長野県北部で最大震度6強の誘発地震が、4日後には静岡県東部で同じく最大震度6強の誘発地震が、その後も各地で余震および誘発地震が続きました。
  • 1707年の宝永地震の後にも、翌朝には富士山近くを震源とする大地震が、2週間後には土佐で、3週間後には山口で大地震が生じるなど、余震または誘発地震が多発しています。

宝永噴火

  • さらに、宝永地震による二次災害で、特に問題となったのが、富士山の噴火です。
  • 10月28日に宝永地震が発生し、その49日後、1707年12月16日、旧暦では宝永4年の11月23日、富士山が大規模な噴火を起こしました。
  • 宝永噴火の翌朝、この富士山の近くで大規模な余震が発生していましたが、富士山噴火が始まる2週間ほど前から、富士山周辺で地響きが聞こえるようになり、これが噴火の前兆現象だったと想定されています。
  • 宝永地震そのものでは、江戸を含む現在の首都圏一帯は大きな被害をまぬがれていましたが、この宝永噴火により、周辺の村はもちろん、火山灰の影響で江戸にも大きな影響を与えることになりました。
  • 日本史上最大規模の地震、宝永地震と、富士山の噴火としてはかなり大きな規模となった宝永噴火、セットで当時の日本に大打撃を与えた自然災害となったわけです。
  • ちなみにこの宝永噴火、最近は富士山噴火発生時の首都圏への影響と言うことで、東京に大きな被害が出ると恐れられていますが、もちろん首都圏に影響をもたらす以前に、周辺の自治体にも壊滅的な影響が生じますので、山梨県・静岡県、富士山周辺自治体については厳重な警戒が必要になります。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「宝永地震と宝永噴火」のお話でした。

この教科書にのるレベルの大地震が、いつでもどこにでも発生するのが日本です。

南海トラフ地震だけをとっても、1707年の宝永地震、1854年の安政地震、1944年と46年の昭和地震と、まさに忘れた頃にやってきています。前回の南海トラフ地震から77年が経過した現在、次は来るか来ないかではなく、いつ来るかで検討する対象です。冬物への衣替えとあわせて、ぜひ非常時用の荷物の確認も行いましょう。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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