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Voicyそなえるらじお #209 地震空白域は期間限定ボーナス、常に備えることが必須です

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #209 地震空白域は期間限定ボーナス、常に備えることが必須です

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、10月6日(水)、本日も備えて参りましょう!

地震が生じない場所はないのです

本日のテーマは「大地震と地震空白域」です。

  • 今から21年前の本日、鳥取県西部地震が発生致しました。

鳥取県西部地震

  • 2000年(平成12年)の10月6日、お昼過ぎの13時30分、鳥取県西部に位置する南部町(なんぶちょう)で、最大震度6強・マグニチュード7.3の大地震が発生しました。鳥取県西部地震の発生です。
  • この地震、ちょうど5年前に発生した阪神・淡路大震災とおなじマグニチュード7.3の直下型地震であり、地震の大きさとしてはかなり大きな物でしたが、幸いしにして死者はゼロ名という被害になっています。
  • これは、市街地直下が震源となった阪神・淡路大震災…を引き起こした、兵庫県南部地震と異なり、震源地の真上が山間部であり人口が密集していなかったことが最大の理由です。
  • 震源が北に20キロほどズレていた場合は、鳥取県米子市を直撃することになり、甚大な被害が発生したことが想定されます。
  • もちろん死者こそゼロ名でしたが、被害が皆無だった訳ではなく、
  • 負傷者182名、全壊家屋435棟、半壊家屋3,101棟、一部損壊家屋は18,544棟と、大きな被害が発生しました。その他停電、断水、電話集中による回線のパンク、道路や鉄道など、インフラに対しても被害が生じました。

県民アンケート

  • ところで、鳥取県西部地震の後、鳥取県が被災地の県民に地震に関するアンケート調査を行っています。
  • 2000年と言えばミレニアムで世紀末な時代でしたが、1995年の阪神・淡路大震災の記憶がギリギリ薄れはじめる頃で、防災意識はそれなり。また現在と決定的に異なるのは、携帯電話の普及初期であるため、スマホはまだなく、インターネットの普及率も低く、主要な連絡手段はまだ電話だった時代と言えます。
  • 例えばアンケートでは、地震発生時にとっさにとった行動について聞いていますが、「驚いて何もできなかった」「家の外に逃げた」という方がそれぞれ4割強で最も多い回答でした。何もできなかったというのは、大地震が発生した場合によくある行動ですので、何もできなくなることを前提に、普段から自宅の耐震化や、室内の安全対策を行うことが重要だということが分かります。
  • また家の外に逃げたという方が多かったのですが、これは、アンケート回答者の住んでいる自宅の築年数、4分の3が旧耐震基準の古い家で、建物倒壊のリスクが高いということを知っていた可能性がある、あるいは自宅が傾いたりきしんだということがあったのかもしれません。
  • またアンケートでは、地震発生前に、大地震が自分の住む場所で生じると思っていたか、という質問もしていますが、これについては全体の93%の方が、大地震が起こるとは思っていなかったと回答しており、不意打ちで生じた地震だったということが伺えます。

空白域で生じた地震

  • ところでこの、鳥取県西部地震は、いわゆる「地震空白域」で発生したと、当時言われていました。地震空白域とは、長期間にわたって地震が生じていない、今後も生じる可能性が低いだろうと想定されている地域です。
  • 鳥取県の西部も、確かに過去100年間、マグニチュード6以上の大地震は1度も発生していませんでしたし、震度5以上の揺れを観測したことも100年間なかったので、地震空白域と呼ばれていました。
  • その結果が先ほどご紹介したアンケートで、住民の9割以上の方が、まさかここで大地震が起きるとは思わなかった、という意識になっていたのです。そしてこれは、鳥取県に限らず、現在も多くの場所で同じようなことを考えられている方がいると思われます。
  • しかし、1995年の阪神・淡路大震災しかり、今回ご紹介した2000年の鳥取県西部地震しかり、さらに2005年の福岡県西方沖地震、2007年の能登半島地震、2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震なども、地震空白域と呼ばれていたような場所、およびその周辺で発生した大地震です。
  • こうした状況もあり、とりわけ2011年の東日本大震災以降、日本の場合は、北海道から沖縄まで、大地震が発生しない場所はない、大地震は来るか来ないかではなく、いつ来るかと考えて対策をしなければならない、と強く言われるようになりました。少なくとも私は、講演会やYouTubeなどで、こうしたことをよくお話しています。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「大地震と地震空白域」のお話でございました。

日本は世界有数の地震大国ですが、地震が発生しない国もあります。本気で地震空白域を探して引越をしたいならば、海外へ移住するしかないというのが現状なのです。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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