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Voicyそなえるらじお #239 子供用の防災リュックは必要か?用意する条件は?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #239 子供用の防災リュックは必要か?用意する条件は?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、11月18日(木)、本日も備えて参りましょう!

ヌイグルミリュックはいいんですけどね

本日のテーマは「子どもの防災リュック」です。

  • 本日は、Twitterにお寄せいただいた質問へ回答をしたいと思います。
  • 『8歳と6歳の小学生の子どもがいますが、個別の防災リュックは必要でしょうか。わが家の場合、子どもだけで留守番をすることもあり、万が一親がいない状況で災害が生じたら、子どもだけで避難所へ行く可能性もあるかもしれない、と悩んでいます』
  • …ということで、子供用の防災リュックはどう考えればよいか、という内容になります。りんまこさん、ご質問ありがとうございました!
  • ちなみに、私のTwitterアカウントはこちらです!ぜひフォローくださいませ。

防災リュックの目的

  • 子供用のリュックの必要性について考える前に、そもそも防災リュックは何のために準備するのか、を理解しておく必要があります。
  • 防災リュック、非常持出袋を用意する目的は、命を守る避難を行う際に、素早く安全に避難場所までいくための準備です。
  • リュックがあった方が、素早く家を飛び出せる。リュックの中身を使って、避難途中の危険を回避できる。そのために防災リュックを作るのです。
  • ところで、いわゆる避難には2つの種類があります。
  • ひとつは、津波・地震火災・土砂災害・突発的な洪水・近距離での火山の噴火など、その場に留まると死ぬような災害から身を守るために行う、避難場所・指定緊急避難場所への避難です。
  • もうひとつは、命の危険はないが、自宅が破壊されたり、停電や断水が生じて生活ができなくなった際に行う、避難所・指定避難所への避難です。
  • 防災リュックは、命を守る避難のために準備します。この時のカバンは、できるだけ身軽に・素早く行動するために、両手が自由になるコンパクトなリュックサックが推奨されます。
  • 一方、生活ができなくなった際に、避難所へ行く際の荷物を入れるカバンは、必ずしも小さなリュックサックである必要はありません。登山用の大型リュック、スポーツ用の大型ボストンバッグ、旅行用のスーツケース、何でも構いません。
  • ただ、居住地によっては、この命を守る避難と、生活をする避難が同時になることもあります。この場合は、失いたくない道具を入れた防災リュックを背負い、水・食糧・大量の着替え・生活用品などを詰めたカバンは別にしておき、余裕があればすべて持って移動、危険が迫ったら捨ててリュックだけにして逃げる、などの工夫があるとよいです。

子供用リュックの目的は

  • では、子供用のリュックサックは何のために準備するのでしょうか。
  • 例えばご質問をくださった、りんまこさんの場合は、小学生の子どもが親のいない状況で留守番をする可能性があるということですが、自宅がハザードマップ上危険な場所にある場合、津波や地震火災や土砂災害の恐れがある場所にお住まいの場合は、子どもだけで走って逃げなければならない可能性があります。
  • この場合は、防災リュックが必要です。
  • リュックがあることで、荷物を準備する時間を省略できるため、即自宅を飛び出すことができます。これは子どもだけでなく大人にも同じことが言えるメリットです。リュックがなければ、荷物を準備する5分~10分の時間がロスとなり、その間に死ぬかもしれないからです。
  • 日頃から玄関や廊下にリュックを置いておき、これだけ持って逃げるということを、避難場所まで歩いて移動する訓練とあわせて行ってください。なお、逃げるときに親がいない場合、通帳や印鑑や貴重品を、あわせて持ち出すように、などを子どもに教えるのはやめてください
  • 地震の揺れなどで取り出せなくなっている場合、持って行かないと後で怒られるかもしれない、と考えて、避難が遅れて子どもが死ぬ可能性があります。リュックだけを持って逃げる、リュックも余裕がなければ持って行かなくてもいい、とにかく命を優先することをぜひ教えて下さい。

避難所へ行く場合

  • 一方、緊急避難の可能性が低い場所に住んでいる場合や、子どもが一人きりになることがない家庭の場合、子供用リュックサックは必ずしも必須ではありません。避難所などへゆっくり移動する場合は、基本的に親が荷物を持つべきです。
  • 小学校高学年ともなれば、ある程度の荷物を持つことができますので、多少のリュックを作っておいてもよいですが、少なくとも低学年以下の子どもが背負える量はたかがしれています。
  • 防災教育の一環として、子どもに防災意識を植え付けるためにリュックを作るのはよいと思いますが、平時とは異なる災害時、足下がメチャクチャかもしれない、危険物が転がっているかもしれない、地震の余震で落下物があるかもしれない、このような状況では、できるだけ身軽にすることが重要ですので、リュックサックは大人が背負い、子どもには身軽な格好をさせた方がよいでしょう。

枕元にはヌイグルミを

  • なお、子ども向けの防災セットとしては、枕元に設置するポーチをオススメします。子どもが1人で寝ている様な場合は、停電時に使うライト、親を呼ぶための笛、手足を守る軍手・靴下・スリッパなどを、ヌイグルミリュックや可愛いポーチにいれて、枕元なり布団から手を伸ばせば届く場所に、地震の揺れで吹き飛ばされないように固定しておくと役立つ可能性があります。
  • もちろん、前提として、子ども部屋の家具の固定など、地震対策は万全にしてください。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「子供用の防災リュック」のお話でした。

もし、子供用に防災リュックを作る場合は、防災専用にするのではなく、学校行事などで使えるリュックサックを活用することをオススメします。

お金の節約にもなりますし、定期的に中の防災用品を取り出して空にし、行事でリュックを背負うことで、防災用品やリュックの状態もチェックできます。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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