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Voicyそなえるらじお #240 月食とアポロ12号と…科学も防災も「2回目」が重要

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #240 月食とアポロ12号と…科学も防災も「2回目」が重要

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、11月19日(金)、本日も備えて参りましょう!

狙って起こすには再現性が、災害は教訓に頼りすぎないことが重要

本日のテーマは「防災雑談」です。

  • 本日2021年11月19日は、月の部分月食が見られるそうです。
  • それも、月が全て地球に隠れる皆既月食に、限りなく近い月食になり、しかも月のかけ始めからかけ終わりまで3時間半も継続するということで、同じような現象は140年ぶりとか。
  • 見る場所によって開始時間が変わる日食と異なり、月食は世界中どこでも同じ時間に始まるそうです。つまり、月食が起きている時間帯にたまたま夜だった地域であれば月食を見られるということになりますが、日本はギリギリイイ感じに観測できるタイミングとなりました。
  • しかも観測相手は、特殊なグラスをかけないと観測できない太陽でも、天体望遠鏡を使わなければまともに見えない星でもなく、あの巨大な月ですので、手ぶらで観測できるというのも大きなポイントです。

月食を見よう

  • 今回の月食、開始時間は夕方の16時18分、最大にかけて見える時間は18時2分、月食の終わりは19時47分ということです。
  • ただ、月食が開始する16時18分に、月が水平線よりも上にある地域は、日本の場合、宮城よりも北の地域だけで、福島よりも南の地域は、月が昇ってきた時点ですでにかけ始めています。
  • その後、徐々に月が高くなるにつれて月食の規模が大きくなり、ちょうど18時頃に最大となります。ちょうどお仕事などの時間と重なるタイミングですが、東側の空を見られる場所があるならば、ぜひ夕方の18時前後、空を見上げてみてください
  • 幸い天気は、日本全国で晴れる様です。私もカメラを抱えて空を見てみたいなと思っております。

1回目より2回目の方が難しい場合も

  • ところで月と言えば、本日11月19日は、52年前にアポロ12号が月面着陸をした日です。
  • 1969年11月19日、アポロ12号で打ち上げられた月着陸船イントレピッド号が、人類史上2回目の月面着陸に成功しました。
  • アポロ11号による人類初の月面着陸が、1969年の7月20日のことでしたので、わずか4ヶ月後に、2回目の月面着陸を果たしたことになります。
  • ちなみに、アポロ11号の、ニール・アームストロング飛行士と、バズ・オルドリン飛行士は有名な名前ですので聞いたことがあるかもしれませんが、月に行った3人目と4人目は、ピート・コンラッド飛行士と、アラン・ビーン飛行士です。テストには出ませんが、知っておくと自慢できる…かもしれません。
  • さて、アポロ11号による人類初の月面着陸は、個人的に人類最大の偉業のひとつだと思っているのですが、アポロ12号の2回目の着陸も、かなり素晴らしい偉業であると思っています。
  • 何事も、史上初とか人類初とかいう記録は目立ちますが、それは、偶然成功した事例かもしれません。科学の発展に重要なのは再現性であり、2回目、3回目が同じようにできて、はじめて素晴らしい偉業と言えるのだと思います。
  • その意味で、わずか4ヶ月後に2度目の月面着陸を果たしたアポロ12号は、偶然の成功ではなく、ちゃんと狙ってできることを証明した結果ということになりますので、人類の偉業としては1回目がすごいのですが、科学の発展という意味では2回目の着陸の方が素晴らしいなと、私は思います。

災害の経験を活かすのはホドホドに

  • 一方、防災対策においては、1回目の経験を2回目に活かしすぎるのは少々危険です。
  • 過去の放送でも何度かお話をしておりますが、同じ大地震、同じ水害であっても、生じる災害の内容や被害の状況は大きく異なる可能性があります。
  • 前回よりも、ひどい状況を想定して、前回よりも、大きな災害を想定して、より万全な方向に準備をすることは何ら問題もありませんが、その逆が危険なのです。
  • 知合いが大地震の被害にあった時は、とにかく津波がすごかったらしい。うちは津波が来ない地域だから大丈夫。これは危険ですね。
  • 前回の大雨で洪水が起きたけど、水はギリギリ家の前までしか来なかった。きっと次も大丈夫。これも危険ですね。
  • この間大雪の予報が出たとき、念のためにコンビニに買いだめに行ったらまだたくさん売っていた、たぶんギリギリでも大丈夫。これは空っぽになった店内で呆然とするフラグですね。
  • 前回の体験は、楽観ではなく悲観方向で活かす、1回目よりも2回目をよりシビアに考える、これが死なないための防災のポイントとなります。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「月にまつわる防災雑談」のお話でした。

月食をスマートフォンなどで撮影される際、歩いている途中でいきなり立ち止まると、事故に繋がる恐れがあります。ぜひ周りをよく見てから立ち止まり、空を見上げて見て下さいね。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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