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Voicyそなえるらじお #263 南海トラフ地震の「予知」が出たらどう行動するか?

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #263 南海トラフ地震の「予知」が出たらどう行動するか?

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、12月23日(木)、本日も備えて参りましょう!

12月に多い南海トラフ関連の災害

本日のテーマは「南海トラフ地震」です。

  • 本日12月23日は、167年前に前々回の南海トラフ地震である、安政東海地震が発生した日、明日12月24日は、その32時間後にこの地震の片割れとなる安政南海地震が発生した日です。
  • また、1944年の12月7日には昭和東南海地震が、2年後の1946年の12月21日はこの地震の片割れとなる昭和南海地震が発生しています。
  • さらに、前前々回の南海トラフ地震、1707年の宝永南海トラフ地震は、10月28日の発生ですが、49日後の12月16日には、富士山が噴火を起こしているなど、直近3回の南海トラフにまつわる災害は、12月に集中する傾向にあります。
  • もちろんこれを持って、次の南海トラフ地震も12月に起こる、とは全く言えず、真夏の8月に生じる可能性も十分あり得ますが、南海トラフ地震の警戒を呼びかける期間として活用したり、自宅の津波避難計画を見直すタイミングにするのは良いことだと思います。

半割れ警戒

  • ところで、昨年もこの時期にお話をしましたが、南海トラフ地震については、半割れ警戒と呼ばれる、事前避難指示が出される可能性があります。
  • これは、前回と前々回の南海トラフ地震が、共に時間時間差を置いて、東西で発生しているため、もしかしら次回もそうなるかも...と考えられてのことです。
  • 具体的には、次の南海トラフ地震、東側の東海・東南海地震だけ、あるいは西側の南海地震だけが、単発で発生した場合、短時間のうちに、残りの東西どちらかの地震が追加で生じるかもしれない、というケースの想定があります。
  • この場合、気象庁から「南海トラフ地震臨時情報・巨大地震警戒」という情報が発表され、地震が起こらなかった東西どちらかのエリアに対して、1週間程度、強い揺れや津波に警戒するための「事前避難」を推奨する呼びかけが出される予定です。
  • これが「半割れ警戒」と呼ばれているもので、法律的な強制力を伴う物ではないですが、高速道路の閉鎖や鉄道の運休、学校や公共施設の閉鎖、商店の営業停止などが、各自治体・各企業の判断で行われる可能性があります。
  • 家庭の防災においても、南海トラフ地震の想定エリアにお住まいの場合は、この半割れ警戒、「南海トラフ地震臨時情報・巨大地震警戒」が発表された場合の計画と準備が必要です。
  • 仮に、1週間以内に大津波を伴う巨大地震が発生する可能性が高い、という避難指示が出された場合に、避難場所へ行くのか自宅へ留まるか、あるいは遠くの親戚知人の家に疎開するかといった計画を建てておくこと。大地震に備えた室内の安全対策を行っておくこと、1週間分程度の防災備蓄品を確保しておくこと、などが必要になります。
  • もちろん、半割れ警戒が出ずに、いきなり東西連動型の、南海トラフ巨大地震が発生する可能性もあるため、基本的には事前予告なく、突発的に生じることを想定した準備も不可欠ではあります。 

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「南海トラフ地震」のお話でございましたが…

太平洋側に安全な場所なし

  • ところで、先日12月21日、政府から北海道・青森・岩手沖にある、日本海溝および千島海溝沿いで、マグニチュード9レベルの超巨大地震が発生した際の被害想定が発表され、各地に衝撃を与えております。
  • この発表に関する話題は、また別の放送で詳しく取り上げたいと思いますが、冬に地震が発生した際に、流氷が津波で押し寄せることで建物倒壊が多数発生する可能性や、屋外の避難先で大量の凍死者が出る可能性が高い、といった、冬の北国ならではのリスクが明確に報じられたのが印象的でした。
  • 水濡れによる凍死リスクは、冬だけとは限りませんが、日中の気温が氷点下になる状況で津波に襲われ、ライフラインが停止して建物も失われたとなれば、大きな被害が生じることは容易に想像できます。今後は、こうした冬の防災対策についても議論が活発になりそうです。
  • またこの発表により、北海道から九州までの太平洋側については、何かしらの超巨大地震のリスクに見舞われる可能性があることが明確化されましたので、太平洋側にお住まいの場合は、常に最悪クラスの震災に見舞われる可能性があることを認識する必要があります。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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