Voicyそなえるらじお #77『最重要備蓄アイテム非常用トイレ、重要なのは出口戦略』
最終更新日:
執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、3月19日(金)、本日も備えて参りましょう!
在宅避難における出口戦略
今日のテーマは「非常用トイレ」です。
- 先日いってきました震災対策技術展や、様々な防災展示館において、非常用トイレの展示は必ず存在します。
- 防災備蓄を行う際に重要なモノは色々ありますが、そのなかで最重要アイテムのひとつが、トイレです。
- とりわけ、「在宅避難」により、ライフラインが止まった状態で自宅に留まろうとする場合、トイレの備蓄がどの程度あるかが、そのまま自宅で過ごせる時間になります。
- 人間、食べれば、出ます、
- 3日分の水と食料を備蓄するなら、トイレも最低3日分
- 1週間分の水と食料を備蓄するなら、トイレも最低1週間分
- インプットの量と、アウトプットの量は、等しくなければなりません、
- これを、防災における、出口戦略と、勝手に呼んでおります
- 特に、企業のBCP策定や、防災マニュアル作成のお手伝いをする際に、
- 「トイレは大切ですよ」と伝えるのはもちろんなのですが、
- 防災で重要なことは「出口戦略です」とえらそうな顔でいうと、ビジネス用語のようで、なんとなく興味を持っていただけている…ような気がしています
非常用トイレってそもそもどういうモノなのか
- ところで、防災備蓄におけるトイレには、大きく分けると2つ方向性があります
- ひとつは便器ごとトイレをを備える場合
- もうひとつは、便器は自宅のトイレを使い、その便器にかぶせる袋と凝固剤などを備える場合です
- ちなみに、この、非常用トイレセット、基本パターンは「袋」と「凝固剤」なのですが、それぞれの内容は、各企業が努力と工夫をされているところで、
- 袋が高性能で臭いを漏らさないようになっているもの
- 凝固剤が臭いを閉じ込めたり、抗菌防臭効果になっていたり、また凝固剤も粉だったり、タブレットだったり、シートタイプだったり、いろいろな工夫がされています
- 一度、使ってみることをオススメします
- 非常用トイレが必要な状況は、かなり切羽詰まった状況であることが想定されますので、使い方が分からないと悲劇を生むためです
どんなトイレを、どのくらい準備するか
- 車中泊やテント泊などを前提とする場合は、トイレそのものの調達が必要になるため、簡易便器と、非常用トイレセットを用意します
- 避難所備蓄も、通常時よりもトイレの需要が増えますので、簡易便器そのものが必要になります
- 一方、在宅避難などが前提となる場合、トイレは自宅の便器が使える、しかし水が流れない、という状況への備えになりますので、
- 備蓄品としては、非常用トイレセット、袋と凝固剤を大量備蓄することになります
- 目安としては1日あたり5回から7回分程度、これを最低1週間、できれば2週間分、×家族人数分準備するようにしてください
- 特にマンションなどにお住まい、とりわけマンションの高層階にお住まいの場合は、トイレがないと、被災生活が詰んでしまいます、ぜひ準備を。
- そして、自宅の便器に袋をかぶせ、トイレとして使い、凝固剤を入れて固め、袋をしばってベランダなどで保管、
- 多くの自治体では、紙おむつに準じる処理となっていますので、ゴミ回収が再開されたら燃えるゴミとして出すことになります
- また、匂い対策も重要ですので、使用済みの非常用トイレの袋を取りまとめるため、
- 日頃からゴミ袋などは多めにストックしておくと役立ちます
本日も、ご安全に!
本日は、最重要防災備蓄品のひとつ、非常用トイレのお話でした。地方で戸建てにお住まいの場合、その辺に穴をほって住ませるから大丈夫、とおっしゃられる方もいます。しかし、ぜひ、やってみてください。
トイレに行きたくなってから、穴を掘る余裕があるでしょうか。停電した夜中だったら?雨が降っていたら?子どもやお孫さんにそれをさせられますか?トイレは被災生活の最重要ポイントです、ぜひ事前準備を行ってください。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!