Voicyそなえるらじお #80『2001年芸予地震、瀬戸内海の”固有地震”はまた生じる』
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、3月24日(水)、本日も備えて参りましょう!
2001年3月24日 芸予地震(げいよじしん)
今日のテーマは「2001年芸予地震」のお話です。
2016年の熊本地震から5周年、3.11東日本大震災から10周年、を迎える本年ですが、実はもうひとつ、きりのよい周年を迎える大地震があります。
ちょうど20年前、2001年3月24日の15時27分に、瀬戸内海で発生した「平成13年(2001年)芸予地震」です。
- 芸予地震(”げいよ”と読みますよ)は、広島県で最大震度6弱を観測した、マグニチュード」6.7の大地震です。
- 平成14年版・防災白書 で被害の状況を確認すると、次の様になります。
- 最大の余震は、地震の2日後に発生した、最大震度5強を生じさせた、マグニチュード5の地震
- 人的被害は、死者が広島県と愛媛県で1名ずつ、合計2名
- 負傷者は287名
- 建物の被害は、全壊69棟、半壊749棟、一部損壊が約4.8万棟
- 学校などの施設にも被害が発生し、壁や窓ガラスの破壊、内装材の落下、後者の柱への亀裂などが目立った
- 広島港などの臨海部では、液状化現象などの被害が多数発生した。
- ライフラインについては、広島県・愛媛県を中心に、
- 停電が56,000戸、断水が約4万戸、などの被害、
- 高速道路や国道の通行止め、
- 山陽新幹線や各種鉄道がしばらく運休となりました。
西日本でも大地震が生じる、をひとつ証明した芸予地震
- 日本は、北海道から沖縄まで、いつでもどこでも大地震が発生する国ですが、その中でも瀬戸内海は比較的地震の数が少ない地域です
- 実際、1995年に阪神・淡路大震災を引き起こした、兵庫県南部地震が発生するまで、瀬戸内海および、西日本全体では比較的地震が少なく
- 人間の寿命を基準にしたタイムラインにおいて、広島・愛媛周辺の方々に取っては、この芸予地震は不意打ちだっと言えます。
- しかし、阪神・淡路大震災以降、
- 2000年に鳥取西部地震が、
- そして2001年に芸予地震が発生し、その後も、
- 2005年に福岡県北西沖地震が、
- 2007年に能登半島沖地震が、発生し、
- そして2016年には熊本地震が発生するなど、
- 必ずしも西日本が安全とは言えない状況になっておりますし、
- なにより、近い将来に発生が想定されている「南海トラフ地震」が発生した場合は、まさに西日本大震災という状況が生じる可能性がありますので、
- やはり日本には、地震について安全な地域はないのだ、ということを、改めて認識する必要があります。
芸予地震は「固有地震」なのでまた生じます
- また、芸予地震は、たまたまここで発生した、いわゆる直下地震ではなく、
- 太平洋側のフィリピン海プレートが、日本列島の乗っているユーラシアプレートの下に沈み込む場所、プレート境界で発生した地震です。
- どういうことかと言えば、芸予地震は、「固有地震」と呼ばれる地震のひとつで、
- 周期的に同じ場所で、なんども発生する地震だということなのです。
- 実際、2001年の芸予地震の前にも、
- 1949年に斎灘(いつきなだ)で大地震が、
- 1905年に安芸灘(あきなだ)で大地震が、
- 1857年に伊予灘(いよなだ)で大地震が、
- 発生するなど、50年周期ほどで、大きな地震が繰り返しています。
- 次の芸予地震、厳密な時期や場所については分かりませんが、私達の多くがまだ生きている時代に、次の大地震が発生してもおかしくない地域であるといえます。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「平成13年(2001年)芸予地震」のお話でした。そして明日も大地震、今度は2007年3月25日に発生した、能登半島地震のお話をしたいと思います。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!