Voicyそなえるらじお #81『2007年能登半島地震、キラーパルスによる建物被害』
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執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、3月25日(木)、本日も備えて参りましょう!
2007年3月25日 能登半島地震(のとはんとうじしん)
今日のテーマは「2007年能登半島地震」のお話です。
昨日は、ちょうど20年目を迎えた大地震、広島・愛媛の、2001年芸予地震のお話をいたしました。
本日は、ちょうど14年前、2007年3月25日の朝9時41分に、能登半島で発生した「2007年(平成19年) 能登半島地震」についてです。
- 能登半島地震は、石川県で最大震度6強を観測した、マグニチュード6.9の大地震です。
- 地震発生の2分後には石川県沿岸に津波注意報が発表され、最大20cmの津波が観測されました。
- 平成19年版・防災白書 で被害の状況を確認すると、次の様になります。
- 死者1名、
- 負傷者336名、
- 建物の被害は、全壊609棟、半壊1,368棟、一部損壊が約1.2万棟となっています。
- 能登半島地震は、特に木造住宅を破壊しやすい「キラーパルス」と呼ばれる振動が発生し、建物被害が特に大きくなったという特徴があります。
- 同じような揺れ方は、1995年の阪神・淡路大震災でも発生しました。
- ライフライン関係では、
- 最大16万戸が停電、1.3万戸が断水、その他電話回線の普通や、10箇所の携帯電話基地局が停止するなどの被害が生じました。
地震空白地域を襲った大地震
- 能登半島地震では、余震活動も長く続きました。
- 最大の余震は、地震発生の9時間後、夕方18時に発生し、最大震度5弱を観測したマグニチュード5.3の地震。
- 翌日にも震度5弱を1回、3日後にも震度5弱を1回、そして翌年にも震度5弱の余震が発生しています。
- また、この地震から13年後、2020年3月13日にも、最大震度5強を観測するマグニチュード5.4の余震が発生するなど、長期にわたり能登半島を揺らし続ける要因になっています。
2007年は多くの自然災害が発生
- 能登半島地震が発生した2007年は、大地震や水害が多く発生した1年でした。
- 年初の1月13日に、千島列島沖で、マグニチュード8.2の巨大地震が発生し、太平洋沿岸に津波警報・津波注意報が発表されました。幸い大きな被害は発生しませんでしたが、とにかく地震の規模が多く、これは過去100年間で、日本周辺で発生した大地震の中では、第3位に当たる大きさでした。
- その後、3月25日に能登半島地震が、
- そして7月26日には、新潟県中越沖地震が発生し、大きな被害を生じさせています。
- 台風の直撃も多く、
- 死者3名が生じた台風4号、
- 30名の負傷者が発生した台風5号、
- 首都圏を直撃し死者1名が発生した台風9号、
- 沖縄県久米島(くめじま)に甚大な被害を生じさせ死者3名が発生した台風11号
- など、多くの台風被害を受けた1年となりました。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「2007年(平成19年) 能登半島地震」のお話でした。ちなみに2007年の「今年の漢字」は「偽(いつわる)」でした。いわく、相次ぐ食品偽装問題、政治活動に多くの偽り、観光地の土産物屋老舗の料亭にも偽装が発覚、防災的には耐震偽装問題などで揺れていたのもこの2007年でした。
自然災害だけでなく、社会活動にも揺れた2007年、なかなか大変な年だったと言えますね。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!