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Voicyそなえるらじお #82『”自動的に動く何か”はできるだけ使わない、という防災』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #82『”自動的に動く何か”はできるだけ使わない、という防災』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、3月26日(金)、本日も備えて参りましょう!

自分の足で立って歩く

今日のテーマは「防災雑談」です。

ちょうど17年前の今日、2004年3月26日、午前11時半頃、六本木ヒルズ森タワーの正面入口で、自動回転ドアに挟まれた6歳の男の子が死亡する事故が発生しました。

  • 男の子はお母さんと観光で六本木ヒルズに訪れていました。
  • 正面入口から、男の子がお母さんよりも先に回転ドアに入りかけたところ、回転するドア本体と、ドア枠に頭を挟まれてしまいました。
  • すぐに病院に搬送されましたが、残念ながらそのまま死亡したという事故です。

事故の原因

  • 事故の原因は複数挙げられています。
  • まず、回転するドア本体が重すぎたこと。
  • 回転ドアは、重たくなるほど慣性力が大きくなるため、挟まれたときの攻撃力が高くなり、緊急停止もしづらくなるなど、危険な存在となります。しかもこのドア、色々と改造が行われた結果、当初仕様の3倍近い重量となっており、事故原因の根幹となっておりました。
  • 同じ速度だったとしても、軽自動車がコンビニに突っ込むのと、トラックがコンビニに突っ込むのでは、全然違うよということですね。
  • さらに、ドアに挟まれた際に緊急停止させるためのセンサー、地上120cm以上に設定されていましたが、男の子は身長が117cmだったため、反応しなかったという問題もありました。
  • また、仮にセンサーが正しく反応したとしても、ドアが重く、そして回転速度も最速に設定されていたため、正しく緊急停止が行われたとしても、25cmはドアが動くような状態となっており、安全対策そのものにも問題がありました。
  • その上で、この回転ドアが設置されてからの1年弱の期間で、類似する回転ドアの事故が多数発生していました。しかし、抜本的な事故対策はとられないままとなっており、想定されていた危険が見過ごされたという問題も生じました。

事故の影響

  • この事故を受けて、まず六本木ヒルズ森タワーからは、大型の自動回転ドアが全て撤去されました。
  • さらに、国土交通省と経済産業省は、自動回転ドアの事故防災に関するガイドラインを策定し、再発防止を目指すことになりました。
  • またこの回転ドアを製造していたメーカーも、安全対策等を施した改良機種を発表するなど、メーカー側からも再発防止対策が取られることになりました。

自分の足で立って歩く

  • このような、自動で動く何かにより発生する事故は、あちこちで生じています。
  • 回転ドア、自動ドア、エスカレーター、動く歩道、エレベーター、様々な施設が事故の原因になる可能性を秘めています。
  • また、普段は安全に利用ができていたとしても、悪意のあるイタズラや、または大地震などの突発的な自然災害の影響で、危険な状態となる可能性もあります。
  • これを個々人のレベルで回避するには、どうしたら良いでしょうか。
  • 最も確実な方法は、自動で動く何かは、できるだけ使わないことです。
  • 私自身、普段から心がけていることがあります。
  • 健康維持とダイエット、そしてセルフ危機管理を兼ねて、できるだけ階段を歩くという心がけです。
  • 駅や商業施設などを利用する際、エスカレーターやエレベーターの隣に階段がある場合は、できるだけこれを使う様にしています。
  • 地下鉄、大江戸線など、新しい路線は、地上までの距離が長いため、絶望的な階段を見かけることも多いのですが、夏の恒例行事、富士登山の練習だと思って、できるだけ楽しむようにしています。
  • 都内の地下鉄駅などで、大きなリュックを背負ったスーツのおじさんが長い階段をえっちらおっちら上っておりましたら、私である可能性があります。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「2004年、六本木ヒルズ森タワー・回転ドア事故」のお話でした。自動的に動くなにか、はできるだけ使わない、もし足と健康状態が許すのであれば、ぜひ取り入れていただきたい習慣です。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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