Voicyそなえるらじお #65『最新統計・世界で生じる地震の5.3%、大地震の10%が生じる日本』
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、3月3日(水)、本日も備えて参りましょう!
USGS…アメリカのガソリンスタンドじゃないよ?
本日のテーマは「大地震の話」です。
今日はアメリカ地質調査所、通称USGSが設置された日です。USGSは今から142年前、1879年3月3日に設置されたアメリカの科学研究機関です。防災分野においては、地球全体の地震活動を監視する活動を行っており、この星のどこかで発生した地震の詳細について、誰でもUSGSのwebサイトで情報を得ることができます。
- 日本に影響を与えた地震の情報は、気象庁が運営する「震度データベース」というwebサイトで、全体を把握することができます。
- 震度データベースには、1919年からの気象庁震度データがまとめられており、誰でも無料で閲覧することができます。
- 最近webページがフルリニューアルされまして、指定した条件に当てはまる地震の震源地を情報を、地図上に表示させて閲覧できるようになり、とても便利になりました。
- リニューアル前のサイトでも同じような機能があったのですが、従来は同時に表示できる地震が100件までだったのに対し、リニューアル後は1000件までの地震を表示できるようになったことが、特に便利になったポイントです。
- 例えばこの震度データベースで、
- 期間を全期間…1919年1月1日以降にし、
- 国内で最大震度6弱以上を観測した地震を全て検索すると、
- 合計「72」回の大地震が表示されます。102年間で72回、震度6弱以上の大地震が発生しているというのは、なかなか多い数字だなと思うわけです。
- 検索条件には、期間、最大深震度、マグニチュード、震源の深さ、震源の場所などを指定できますので、過去の地震を調べたい場合にはとても役立つサイトということになります。
最近の地震活動について
- では、USGSの地震検索サイトと、気象庁の震度データベースを使って、最近発生している地震を検索してみましょう。
- まずUSGSのサイトで、過去1年間に発生したマグニチュード1以上の地震を検索すると、全世界で124,454回と表示されます。マグニチュード1程度の地震は揺れを感じない無感地震であることも多いため、ちょっとすごい数になります。
- なお気象庁の震度データベースでは、基本的に震度1以上を観測した有感地震しか検索できませんので、このままでは比較ができません。
- そこで、USGSのサイトで、過去1年間に発生したマグニチュード2.5以上の地震を検索すると、全世界で29,609回と表示されます。なぜM2.5七日と言えば、USGSのサイトのマグニチュード設定欄のプリセット・初期設定がM2.5以上だからです。
- 次に、気象庁の震度データベースで同じ条件、過去1年間に発生した、M2.5以上かつ国内のどこかで震度1以上を観測した地震を検索しますと、合計1590回と表示されます。最も大地震は少なく、全体の60%が震度1、27%が震度2、8%が震度3と、95%は震度3以下の小さな揺れとなっています。
- 過去1年間で最大震度5弱以上の強い揺れを観測したのは合計8回、そのうち最大が、先日2月13日に福島沖で発生したM7.3の大地震による、震度6強の揺れです。
- さて、USGSのデータと、気象庁のデータを並べると、世界で発生する地震のうち、日本周辺で発生するものがどのくらいの割合なのかが分かります。過去1年間で発生した全世界の地震が29,609回、うち日本周辺で発生した地震が1590回ですので、世界で発生した地震の5.3%が日本周辺でおきたことになります。
- これは大小合わせた全ての地震ですので、大地震についても見てみましょう。USGSのサイトで、過去1年間に発生したマグニチュード6以上の地震を検索しますと、合計128回と表示されます。
- 一方気象庁の震度データベースで、日本で震度1以上を観測したM6以上の地震を検索すると、合計13回と表示されます。つまり大地震に限定すれば、世界で発生した地震の1割が日本周辺で生じているということになりますので、改めて日本が地震大国であることを実感するわけです。
本日も、ご安全に!
大地震はいつ発生するかわかりません、家具の固定をはじめとした地震対策の点検を、ひごろからぜひ行ってください。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!