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Voicyそなえるらじお #84『最新版・向こう30年以内に大地震に襲われる確率…は参考程度で』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #84『最新版・向こう30年以内に大地震に襲われる確率…は参考程度で』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、3月30日(火)、本日も備えて参りましょう!

地震動予測地図

今日のテーマは「大地震」です。

先日、政府の地震調査委員会「地震調査研究推進本部」から、全国各地で、今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率を示した、最新の予測地図が公表されました。

  • この予測地図は、地震調査研究推進本部のホームページでも閲覧できる他、
  • 防災科学技術研究所が運営するホームページ「地震ハザードステーション」などで閲覧することができます。
  • 特に、地震ハザードステーションは、パソコンから、登録不要、誰でも無料で利用することのできるWebサービスで、
  • 全国任意の地点の、地震リスクをまとめたレポートを作成できる「地震ハザードカルテ」機能や、
  • 全国好きな場所について、スクロール・拡大・縮小して表示できる地図に、今回政府から発表された「地震の確率分布図」などを重ねて表示できる機能などが便利です。

地震動予測地図について

  • 今回公表された、2020年度版の「地震動予測地図」は、
  • 「2020年から30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」を示した地図ですが、
  • 図に示されている確率は、「その場所で地震が発生する確率」ではなく、「日本周辺で発生した地震によって「その場所が震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」であることに注意が必要です。
  • 例えば、大阪・京都・奈良などは、南海トラフ地震の影響を受ける可能性があるため、都市部については、地震が起こる確率について、5段階中の5と高い値が示されていますが、
  • 大阪と京都・奈良を隔てる生駒山地などは、この確率が、5段階中の1と低い値になっています。
  • これは、都市部も、山間部も、見舞われる可能性がある地震の揺れの大きさは等しいのですが、地盤のよい山間部などは、同じ大きさの揺れに見舞われても、それほど激しく揺れないため、「震度6弱以上」の揺れに見舞われる確率としては、低くなっているためです。

地震以外もあるよ

  • 太平洋側は、北海道沖の千島海溝、東北沖の日本海溝、そして静岡から宮崎にかけて広がる南海トラフなどで、巨大な海溝型地震が生じる可能性が高いため、軒並み「5段階中の5」と高い確率になっています。
  • しかし、この地図は、あくまでも「震度6弱」以上の揺れに見舞われる確率を示したものです。
  • 地震の揺れにより、建物倒壊、地震火災、大津波、土砂災害、液状化現象、どのような災害が発生するかは、この地図では分かりません。
  • 建物の耐震化、室内の安全対策といった基本対応は必須ですが、必ずハザードマップなどを確認して、津波や土砂災害の危険をチェックしておくことが重要になります。

あくまでも確率

  • また、この地図はあくまでも「確率」です。
  • たとえば前述の「地震ハザードステーション」で、「地震動予測地図」を閲覧すると、過去のデータを見ることができます。
  • 最も古いデータは、2008年版の地図なのですが、この地図を見ると、北海道の太平洋側、仙台周辺、関東から九州の太平洋側、以外の地域は、それほど大地震の揺れに見舞われる確率が高くありません。
  • そのため、この地図だけをみて、「地震が来なさそうな場所に住もう」と思い、居住地を選んだ場合、例えば、
  • 揺れの確率が5段階中の1であった、山形・新潟の県境辺りを選んだ場合は、2019年の山形沖地震の被害に
  • 揺れの確率が5段階中の2であった、熊本周辺を選んだ場合は、2016年の熊本地震の被害に
  • 揺れの確率が5段階中の3であった、北海道南部を選んだ場合は、2018年の北海道胆振東部地震の被害に、
  • また、仙台周辺は揺れの確率が5段階中の4から5と高めだったので、比較的安全な岩手県や福島県を選ぼう、年多売は、2011年の東日本大震災の被害に、
  • それぞれ被災者になっていた可能性があるわけです。
  • この確率の地図をみれば、日本国内、相対的に地震で揺れやすい場所、揺れにくい場所が分かります。
  • しかし、そもそも日本という国が、世界でも有数の地震大国なのです。
  • ワールド地震グランプリのS級ランクで最弱、となっても、そもそもS級ランクであること自体がすごいことですので、まぁ、地震対策はどこでも必須ですよ、ということになります。
  • 奴は四天王の中でも最弱…といわれても、四天王であるだけすごいじゃん、ということですね。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「地震動予測地図」のお話でした。この地図は科学的には意味がありますが、一般家庭の防災的にはあまり意味がありません。大地震にはいつでもどこでも備える、という精神で参りましょう。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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