Voicyそなえるらじお #69『2011年3月9日…3.11前震・M7.3の大地震から得ること』
最終更新日:
執筆者:高荷智也

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、3月9日(火)、本日も備えて参りましょう!
東日本大震災の前震
本日のテーマは「3.11 東日本大震災」です。
2011年3月9日の11時45分、東北地方三陸沖を震源とするマグニチュード7.3の大地震が発生し、宮城県などで最大震度5弱を観測しました。
- この大地震では最大55cmの津波を観測し、
- 負傷者2名、住宅一棟が一部損壊となるなどの被害が生じました
- 2011年3月9日の大地震、何のことを言っているのか?3.11東日本大震災の間違いではないのか?と思われるかもしれませんが、これは3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」の「前震」の話です。
実は3.11直前に群発地震が生じていた
- 3.11のいわゆる本番、マグニチュード9の大地震、東北地方太平洋沖地震が生じる2日前から、同じ震源地付近では大きめの地震が生じていました。
- 03/09 11:45 最大震度5弱 M7.3
- その13分後に生じた、
- 03/09 11:58 最大震度3 M6
- さらに2時間後には、
- 03/09 13:36 最大震度3 M6.1
- 翌日の深夜に発生した
- 03/10 03:16 最大震度3 M6.4
- その地震の28分後に、
- 03/10 03:44 最大震度3 M6.3
- さらに3時間後、
- 03/10 06:24 最大震度4 M6.8
- その後、M4~5.9までの地震が12回発生し、そして…
- 03/11 14:46 最大震度7 M9
- 本番を迎えています。
- 3月9日から11日にかけて、
- マグニチュード4の地震が19回、
- マグニチュード5の地震が17回、
- マグニチュード6の地震が6回、
- マグニチュード7の地震が1回、
- これだけでも異常な状況が、当時発生していました。
- 結果的に見れば、2日前3月9日以降に生じた合計44回の地震は、3.11の前震だったと言えます。
3.11の前震だが、当日は本震の余震だと思われていた
- いまでこそ、なぜこの前震となる活動を見逃してしまったのか、と悔やまれるところですが、これはあくまでも結果論です。
- 当時はむしろ、3月9日のM7.3の大地震こそが、三陸沖で発生した大地震の本震だと思われており、その後続いた大きな揺れの連続は余震活動の一環。
- まさかその2日後、マグニチュード9の大地震が発生するとは思っていなかった訳です。
- 今でこそ私たちは、この3.11の前震の経験や、
- 2016年4月14日・4月16日に発生した熊本地震の経験を生かし、
- 大きな地震の直後は、しばらくの間強い揺れに警戒、場合によってはより大きな地震が発生するかも知れない
- ということを知っていますが、
- 当時は、まず大きな地震が突然発生し、その後小さな余震がしばらく続き、そして地震活動が終息する
- というような、常識にとらわれていました。
- 3月9日の大地震を受けて、1週間程度はより大きな揺れに警戒しよう、と考え、もし実行した方がいれば、3.11本番でも、素早い避難などが行えていたかもしれません。
余震という言葉が消えるきっかけとなった熊本地震
- また2016年の熊本地震では、震度7の地震が2回連続で生じました
- この地震を受けて、気象庁では、地震に関する報道を行う際の「言葉」について、方針転換を行っています。
- それは、
- 「余震」という言葉は最初の地震よりも規模の大きな地震は発生しないという印象を与えることから、防災上の呼びかけ等においては、さらに規模の大きな地震への注意を怠ることのないよう、「余震」ではなく「地震」という言葉を使用します。
- という内容のものです。
本日も、ご安全に!
大地震の後は、1週間程度の期間、より大きな地震の発生を含めた、強い揺れに警戒する。これは私達がこの10年間で、まさに命をかけて学んで来た知識です。無駄にすることのないよう、今後の地震対策にもぜひ取り入れてください。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!