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Voicyそなえるらじお #99『市街地の大規模火災を乗り越えて、災害に強い街を作る』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #99『市街地の大規模火災を乗り越えて、災害に強い街を作る』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月20日(火)、本日も備えて参りましょう!

生殺与奪の権を他人に握らせない

本日のテーマは、「市街地の火災」です。

  • 今から74年前の今日、終戦から間もない1947年・昭和22年の4月20日、長野県飯田市で大規模な市街地火災が発生しました。
  • 通称「飯田大火」です。
  • 時刻はちょうどお昼前の11時40分過ぎ、市街地南側にある民家から出火しました。関東大震災などもお昼前の地震だったため、昼食の支度で火を使っていた家庭が多く大規模な火災につながりましたが、飯田大火の場合もまさにお昼前だったことが、悲劇の始まりでした。
  • 悪いことに、この日は観測史上に残る、極端な乾燥状態で、火が燃え広がりやすい状態になっており、
  • かつ、南から北に向かって平均風速10mの強風が吹いていたことで、ちょうど市街地南から出火した火災が、激しく市街地全域に広がってしまいました。
  • 極端な乾燥と強い南風の影響で、わずか数時間で市街地全域に炎が広がり、多くの市民は家財を持ち出すこともできず、厳しい復興を迎えることになったということです。
  • 南信州新聞の記事によると、最終的には、飯田市街地の8割の面積に当たる60万平方メートルが全焼しました。これは東京ドームの面積で言うと12.7個分に当たります…といっても、よく分からないですね。
  • 被害の数字によると、人口の53%、3,577戸が罹災し、死者1名・行方不明者2名・重症者80名の被害が生じたということです。

火災が多かった日本と復興

  • 市街地での大規模火災と言えば、 #21 の放送で「2016年・新潟県糸魚川市大規模火災」のお話をいたしました。糸魚川の火災は40年ぶりの大規模市街地火災ということで、多くの注目を集めましたが、
  • 木造住宅が多く、市街地が密集している日本は、元々大規模火災の多い国でした。「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉もあるくらいですね。
  • 市街地の火災は、巻き込まれた住民にとっては悲劇以外の何者でもありませんが、大規模な火災は近代的な市街地を作る復興の原動力にもなって来たため、過去に大規模火災が発生した都市、空襲で焼け野原となった地域などは、区画整理が進んで災害に強い街に生まれ変わっている所も多くあります。
  • おきてしまった災害を無かったことにはできませんので、多くの教訓を得て、再発を防いでいくことが重要と言えます。

大規模な地震火災にも注意

  • また過去の話だけでなく、市街地による大規模な延焼火災は、大地震の二次災害としても懸念されています。地震による大規模な延焼火災は、地震火災と呼ばれています。
  • 古い、旧耐震基準(1981年6月1日以前に認可を受けた建物)の住宅が密集している地域では、大地震で建物が倒壊しやすい地域です。住宅はつぶれると燃えやすい薪の束になりますので、こうした地域で火災が発生すると、大規模な火災に発展する恐れがあります。
  • さらに古い木造住宅の密集地域は、道路なども狭くて入り組んでいるような場所が多く、消防車が出動できたとしても活動が困難になったり、避難もままならぬという状況が想定されて、火災による被害を拡大する要因となっています。
  • こうした、地震火災が発生しやすい、古い木造住宅が密集している地域は、通称「木密地域」と呼ばれ、大地震発生時に特に注意が必要なエリアとみなされています。
  • こうした地域に住んでいたり、学校や職場がある場合は、大地震発生後の地震火災に警戒して、津波や土砂災害の心配ない地域であったとしても、素早い避難の準備をしておくことが重要です。避難場所とルートの確認、非常持出用の防災リュックなどを用意しておきましょう。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「1947年・飯田大火」のお話でした。

自宅から出火した際に素早く避難する為には、住宅用火災警報器が効果を発揮します。火災警報器の寿命は10年です。自宅の警報器が正しくなるかの確認、10年おきの交換を、ぜひ行ってください。火災警報器はホームセンターやネット通販で気軽に購入できますので、自分で取り替えることができます。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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