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Voicyそなえるらじお #104『新築は…木造か鉄骨かではなく、立地と耐震等級をチェック』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #104『新築は…木造か鉄骨かではなく、立地と耐震等級をチェック』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月27日(火)、本日も備えて参りましょう!

耐震等級

本日のテーマは、「建物の防災対策」です。

  • 今回は、Voicyそなえるらじおの、コメント欄にいただいたご質問への回答を兼ねたお話。
  • 新築を検討中、東京23区内で戸建てが多い住宅街、火災等も気になるが、耐震という点を考えた際に、木造と鉄骨、どちらがよいか。ただ予算の都合上、鉄筋コンクリートは難しそうな場合
  • というご質問でした。じつは似たような質問を、つい先日YouTubeそなえるTVでもいただき、こちらは「耐震を考えた際に、新築とリフォームはどちらがよいか」というご質問でした。

見るべきは、過程ではなく結論

  • 木造は地震に弱い、鉄骨は地震に強い、というのはイメージの問題で、近年は頑丈な木造住宅も増えていますし、鉄骨だから地震で倒壊しないとも言い切れません。
  • 余談ですが、ここ数日のニュースで、木造の高層ビル建築が近年増えているという報道もなされています。技術や工法次第では、木造住宅も十分地震に耐えうる力を持つと言うことですね。
  • ということで、結論から申し上げますと、地震に対して頑丈な家を選ぶ際にチェックすべき要素は、住宅の工法・作り方ではなく、その結果得られる「耐震等級です。
  • 新築かリフォームか、についても、重要なのは、新築結果・リフォーム結果で得られる、耐震等級です。

耐震基準クリア=「耐震等級1」は最低ライン

  • 住宅を建てる際には、建築基準法に定められた耐震基準を満たしていることが条件となりますが、耐震等級1」は、この最低基準を満たした状態
  • 「耐震等級2」は、最低基準の1.25倍の大きさの地震に耐えられれる状態。
  • 「耐震等級3」は、最低基準の1.5倍の大きさの地震に耐えられる状態となります。
  • 最低基準に求められる要素は、
  • 「震度5強」程度の揺れであれば、建物に損傷が発生せずそのまま生活できる。
  • 「震度6強から7」の大地震の直撃を受けても、建物が倒壊すること無く人の人命を守る。
  • という基準になっています。
  • これは逆に考えれば、震度6強以上の揺れに見舞われた場合、1回目の揺れには耐えるが、2回目の強い揺れで倒壊するかもしれないし、また1回目の揺れに耐えて避難することはできても、建物が傾いてそのまま生活することはできない状態になる。ということが許容されると言うことになります。
  • そのため、耐震基準の最低ラインをクリアしている「耐震等級1」というものは、一生に一度の買い物としては、少々不安のある基準だと言うことなのです。
  • 2重ローンに耐えられない、というほとんど全ての方については、木造か鉄骨かRCかという工法では無く、最低でも「耐震等級3」の家を選ぶことが重要です。
  • ちなみに、地震の揺れを建物に伝えない「免震」機能が付いている住宅は、ガチガチの耐震住宅よりも地震により強い作りとなりますので、例えば地震保険の割引きなどにおいては、免震は耐震等級の2または3と同格かそれ以上みなされます。

耐震等級だけでは無く立地も確認

  • なお、一戸建ての新築をする場合には、耐震等級と同じかそれ以上に、立地選びが重要です。
  • 耐震等級3あるいは免震住宅を建てたとしても、津波・洪水・土砂災害・大規模な地震火災に巻き込まれた場合は無力です。
  • これら、地形により発生する場所が決まっている災害を避けられる土地を選び、そして頑丈な家を建てるということが重要です。
  • もちろん大地震で家が潰れ無ければ、素早い避難ができるようになりますので、耐震性は重要ですが、その後の二次災害で住宅を失ってしまえば、命は助かってもその他の多くは失われてしまいます。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「建物の防災対策」のお話でした。

  • 住宅購入は人生に一度あるかどうかのイベントです、自宅が完成した翌日に大地震が発生するというケースもあり得ます。
  • 資金に余裕があり、被災しても立て直しができる。二重ローンも問題無いという場合は、勢いだけで住宅を購入してもなんとかなりますが、多くの方は2件目の家を買うことが困難です。
  • 慎重に慎重を重ねて、ぜひ命と生活を守ることができる土地と建物を、選んで下さい。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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