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Voicyそなえるらじお #88『大地震の直撃をはねのけた、世界最長の明石海峡大橋』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #88『大地震の直撃をはねのけた、世界最長の明石海峡大橋』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月5日(月)、本日も備えて参りましょう!

パールブリッジ

本日のテーマは「明石海峡大橋」です。

すごい吊り橋、明石海峡大橋

ちょうど23年前の本日、1998年4月5日に、兵庫県神戸市と淡路島を結び、明石海峡を横断する吊り橋、明石海峡大橋が開業しました。

  • 明石海峡大橋の全長は3,911mで、現在も世界最長の吊り橋として、ギネス世界記録にも認定されています。
  • この吊り橋を支える2本の主塔、高さは298.3mで、これは高さ的にも、6334mの東京スカイツリー、333mの東京タワー、そして300mのあべのハルカスにつぐ、日本で4番目に高い建物ということです。
  • 世界一の長さ、日本で4番目に高い建物、明石海峡大橋はすごい橋なのですね。
  • ちなみに、日本で二番目に長い吊り橋は、瀬戸大橋の一部である南備讃瀬戸大橋(みなみびさん せとおおはし)の1,723mで、明石海峡大橋はこれの2倍以上の長さとなりますので、それはもうぶっちぎりで長い、世界一の大吊橋だということになりますね。
  • また日本にある吊り橋のうち、長さの上位9本までは全て瀬戸内海にかかっている橋で、10番目の長さとなる「白鳥大橋(はくちょう おおはし)」が北海道室蘭市にあります。

大地震に耐えた明石海峡大橋

  • この明石海峡大橋、長さが3,911mと紹介しましたが、実は1988年に現地工事が始まった段階の、設計の長さは、3,910mと1m短い長さで設計されていました。
  • ところが、開業の3年前に発生した、1995年1月17日、阪神・淡路大震災を引き起こした、マグニチュード7.3の兵庫県南部地震の影響を受けて、橋の長さが1m伸びてしまったのです。
  • 兵庫県南部地震の震源地は、この明石海峡大橋のほぼ直下で、地震の影響により地盤が変動したため、震源地の真上にあった橋の幅が1m広がってしまったということになります。
  • この地震が発生したとき、すでに2本の主塔は完成済で、ちょうどメインケーブルを張り終えたところでした。主塔やケーブルなど、その他の設備そのものについては大地震の直撃を受けたにもかかわらず、まったく損害がなかったということですが、地盤そのものが動いて間隔が延びる、というのは想定外でした。
  • ところが幸いなことに、ケーブルの長さは、もともと自動車の通行や、太陽熱の温度差で橋が動くことが想定されていたため、橋の全長が1m伸びても問題無しとなりました。
  • 一方、自動車が走る橋桁については、そういうわけにもいきません。そのため、1m分の橋桁を新しく追加して、最終的に橋を完成させたということです。

建築基準法はえらいですね

  • 日本は世界有数の地震大国です。
  • 建物などを建築する際にも、工事中、そして完成後、いつ大地震の直撃をうけるか分かりません。
  • 地震の揺れに対する準備は、日本の場合、想定外ではすみませんので、建物を設計する際に大地震の揺れを考慮する、というのは、日本の場合は当たり前であり、これを形にしたものが、建築基準法であり、耐震基準であるということになります。
  • 家庭の地震対策も、最重要なのはまず揺れでつぶれない建物に住むこと。大地震の直撃を受けてもぺちゃんこにならない、安全な建物選びが重要です。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「明石海峡大橋」のお話でした。無防備な建設工事中にM7.3の大地震の直撃を受けたが無傷だった、世界最長の吊り橋、日本が誇る素晴らしい建築物、お近くに立ち寄りのさいにはぜひご覧ください。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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