Voicyそなえるらじお #89『地震国と言われるイタリア、実際どのくらいの大地震が起きている?』
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、4月6日(火)、本日も備えて参りましょう!
イタリア・ラクイラ地震
本日のテーマは「大地震」です。
イタリア・ラクイラ地震
ちょうど12年前の本日、イタリアで300名以上の死者が発生したラクイラ地震が発生しました。
- この大地震は、2009年4月6日の早朝、朝3:32分に、
- イタリア・アブルッツォ州の州都、ラクイラ市付近で発生した、
- マグニチュード6.3の大地震です。
- この地震の前、4ヶ月間ほど群発地震が続いており、
- 小規模な前震と、またこの本震のあともしばらく余震が続きました。
- マグニチュード6.3は、カテゴリ的には「大地震」に区分されますが、ラクイラ地震の場合はこれが地下1.2kmと浅い場所で発生したため、地上に強い揺れが伝わり、被害が拡大する要因となりました。
- この大地震で、ラクイラ市内の多くの建物が被害を受け、煉瓦造りの建物などは崩れて瓦礫の山となり、全体では300名を超える死亡者が発生しています。
イタリアは地震の多い国と言われますが…
- イタリアは、地震の多い国と言われます。
- このラクイラ周辺でも、過去に何度か大地震に襲われています。
- ただ、この地震が多い国というのは、他の国と比較してという意味合いで、日本の感覚に合わせるとすこし異なった様子が見えてきます。
- イタリア周辺で発生した、マグニチュード6以上の大地震、具体的にどのくらいの件数が生じているのかを、USGS・アメリカ地質調査所のデータベースで見てみますと、
- 1919年以降の直近約100年間で、イタリア本土直下、周辺の海、そしてシチリア島で発生したM6以上の大地震は、合計12回発生しています。
- ちなみに、日本の場合は、M6以上の大地震、過去100年間で1761回発生しており、イタリアのおおよそ150倍です。
- また、少し地震の規模を小さくして、M5以上のそれなりに大きな地震の回数をカウントした場合、イタリア周辺では、過去100年で約100回、
- 日本の周辺では、M5以上の大地震は過去100年で9536回発生していますので、イタリアのおおよそ100倍の値となります。
イタリアもヤバいけど、やはり太平洋沿岸がヤバイ
- 平均すると、年に1回のペースでそこそこ大きな地震が発生し、10年に1回のペースで大震災クラスとなる大地震が発生している、それがイタリアという国です。
- 一方日本の場合は、週に2回のペースでそこそこ大きな地震が発生し、月に1.5回のペースで大地震が発生している、これが私たちの国の悲しい現状となります。
- 大地震はプレートの境界などで発生しやすく、そのためヨーロッパでは、イタリア・ギリシャ・トルコ周辺が地震の生じやすいエリアになっていますが、
- 地球全体で見ると、やはり太平洋沿岸に大地震の発生地帯が集中しているため、あらためて、日本という国がずば抜けた地震国であることを実感いたします。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「2009年・イタリアラクイラ地震」のお話でした。大地震が生じるのは、ある意味で地球が生きている星であることの証明でもあります。あまり自己主張が強くなるのは困りものですが、自然の恵みを得られる裏返しともなりますので、地震国日本、日々の備えを行うことで、地震との共生を図りたいものです。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!