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Voicyそなえるらじお #111『M8級の大規模内陸地震、中国・四川大地震による学校の被害』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #111『M8級の大規模内陸地震、中国・四川大地震による学校の被害』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、5月12日(水)、本日も備えて参りましょう!

超巨大な内陸地震

本日のテーマは、「四川大地震」のお話です。

  • 本日5月12日は、中国四川省で巨大地震が発生した日です。
  • 13年前の本日、2008年5月12日の14時28分、日本時間で15時28分、中国四川省北部を震源とする、マグニチュード7.9の巨大地震が発生しました。通称「四川大地震」の発生です。
  • 中国政府の発表によると、この大地震による被害は、死者69,197名、行方不明者18,341名と、9万名近い方が亡くなる大惨事となりました。犠牲となられた方々のご冥福を、お祈りいたします。

巨大地震でした

  • 四川大地震は内陸の地震にしてはとにかく地震の規模が大きく、被害が拡大した要因の一つとなりました。
  • 内陸地震でM8に近いものといえば、日本の場合1981年・明治2年の10月28日に岐阜県で発生した、M8.0の濃尾地震が挙げられます。国内で発生した内陸の地震では、この濃尾地震が最大規模で、死者・行方不明者7千人という大きな被害を生じさせています。
  • この濃尾地震以外に、記録上M8クラスの大地震はなく、内陸部でM8クラスの大地震が発生した場合、桁違いの被害が生じるという事例の一つになっています。

学校の倒壊

  • 四川大地震でとりわけ注目されたのは、子どもの被害の多さです。
  • 震源である四川省だけでも、7千棟近い学校の校舎が倒壊し、この結果、学校教職員および児童・生徒の死亡者が2万名近くに達しているということです。
  • これは、まず地震の規模がM7.9と内陸の地震にしては最大クラスと大規模な物であり、日本で言うところの震度7に匹敵する強い揺れに襲われたと考えられています。
  • また日本ほど法律による耐震化が進められておらず、レンガ積みの建物が多かったり、学校などの施設も耐震性がそれほど考慮されていなかったり、また手抜き工事などで設計通りの耐震性も得られなかったりと、建物が地震に弱かったという問題もあります。
  • そして、地震発生が日中の14時過ぎと、多くの子ども達が学校にいる時間帯であったことから、学校児童・生徒に多くの被害が集中する結果となりました。

日本の学校は

  • 日本の場合、地震に対する建物の頑丈さは建築基準法の耐震基準で厳しく定められており、1981年6月1日以降に認可を受けた建てられた、新耐震基準を満たす建物であれば、震度6強の直撃でも1回目で倒壊することはない設計になっています。
  • また効率の小中学校の耐震化も進められており、2020年時点での耐震化率は、全高平均で99%を超えているなど、少なくとも大地震の1発目の揺れで、学校がバタバタ倒壊して多くの子どもが命を落とす、という可能性は低くなっています。
  • ただし、耐震化が進められているのはあくまでも建物の構造体だけであり、天井、窓ガラス、内部の壁、照明設備、ロッカーやテレビモニタなどの設備は別の話です。
  • 建物が無事であっても、こうした室内の破壊により死傷者が発生する可能性もありますので、建物の耐震化だけに気を配るのでは無く、次は室内の安全対策はどうなっているのか、と言う点をチェックし、改善しなければなりません。
  • これは家庭の地震対策でも全く同様で、まずはつぶれない建物にすること、その後家具固定や荷物の落下防止等を行い、室内を安全ゾーンにすること、という対応が必要になります。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「四川大地震」のお話でした。

ところで昨日の放送で、昨日5月11日は、大地震がくるというデマが流れるので注意しましょうというお話をしましたが、ちょうど日が変わった直後に、青森県東方沖でM4.0の小さな地震が発生他だけで、結局大地震は来ませんでした。常に備える、という意識で地道な防災に取り組んで参りましょう。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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