備える.jp
サイトメニュー仕事依頼・お問合せ

Voicyそなえるらじお #116『鎌倉大地震の発生時期に見る、次の首都直下地震の時期』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #116『鎌倉大地震の発生時期に見る、次の首都直下地震の時期』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、5月19日(水)、本日も備えて参りましょう!

相模トラフの大地震

本日のテーマは、「関東地震」のお話です。

  • 本日5月19日は、ちょうど728年前の本日…
  • 1293年5月18日、旧暦では正応(しょうおう)6年の4月12日に、神奈川県鎌倉市辺りを震源とする大地震が発生した日です。
  • 728年前の記録が正確に残っているというのは、なかなかすごいことですね。

鎌倉大地震

  • 1293年の大地震は、震源地から「鎌倉大地震」と呼ばれたり、この地震の影響を受けて正応(しょうおう)から永仁(えいにん)に元号が改元されたことを受けて「永仁の関東地震」と呼ばれたりしています。
  • 時代としては鎌倉時代の中期ですので、今風に言えばまさに「首都直下地震」が発生したということになります。
  • この地震の大きさ、想定されるマグニチュードは8前後と極めて大きく、関東の広い範囲に被害をもたらし、また大規模な津波が発生していたらしい痕跡も見つかっています。
  • 大きな地震が発生していたことは記録に残っているので確実なのですが、なにしろ地震計などの観測器具がない時代ですので、はたして相模トラフで生じた海溝型の地震なのか、それとも陸地で生じた直下型なのか、はっきりとしたことは分かりません。
  • ただ、大津波の痕跡が見つかったことで、相模トラフによる海溝型の大地震ではないかという説が強くなっています。

関東地震

  • 関東で発生した過去の大地震、海で生じる地震なのか、陸で生じる地震なのか、これは重要なことなのです。
  • 近い将来の発生が想定されている、いわゆる「首都直下地震」は、相模トラフで発生するマグニチュード8クラスの海溝型の大地震と、
  • 関東地方のどこかで発生するマグにチュード7クラスの直下型の大地震の2種類が想定されています。
  • 直下型の地震は、いつでも、どこでも発生する可能性がありますので、今この放送を聞いているタイミングで緊急地震速報が鳴ってもおかしくありませんし、事前に予知をしたり、どこで地震が生じるかを正確に見積もることは困難です。
  • 一方、相模トラフで生じる海溝型の地震は、発生する震源の場所はおおむね固定されており、また発生する周期がある程度分かれば、次の破滅的な地震がいつ生じるのかをおおよそ予測することができます。
  • 相模トラフの地震は通称「関東地震」と呼ばれておりまして、
  • 前回は1923年のいわゆる「関東大震災」、
  • その前は1703年の「元禄関東地震」で、江戸や関東近郊に甚大な被害を生じさせました。
  • 関東地震ではっきり時期が分かっているのはこの2つだけで、これ以前の地震は”恐らく”なのですが、これがはっきり分かれば、相模トラフで生じる大規模な首都直下地震の発生時期がある程度絞り込めるということになるのです。

鎌倉大地震は関東地震か

  • もし、1293年に発生した「鎌倉大地震」が、相模トラフで生じる海溝型の大地震だとしたら、その次の1703年の元禄関東地震まで約400年の期間がありますので、
  • 前回の関東大震災からまもなく100年目を迎える昨今としてみれば、次に発生する関東地震まではまだだいぶ猶予があることになります。
  • また、1498年・明応7年に発生した大地震も、相模トラフによる海溝型の大地震ではないかと考えられていまして、これらが全て事実だとすると、
  • 相模トラフで発生するマグニチュード8クラスの巨大地震は、
  • 1293年の永仁の関東地震、205年後・1498年の明応地震、さらに205年後・1703年の元禄関東地震、そして220年後の1923年の大正関東地震と、綺麗に200年少しの周期となるため、恐らく次の巨大地震は、2130~40年代辺りではないか、と推測することができるようになります。
  • もちろん、相模トラフで生じる巨大地震に挟まれて、直下型の首都直下地震はバンバン発生していますので、警戒はいずれの場合も必要ですが、巨大な津波を伴う最悪の首都直下地震が生じるのはまだ少し先かも知れない、と考えることができるのは、気持ちの上では少し楽になります。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「鎌倉大地震・永仁の関東地震」のお話でした。

  • 過去の地震を掘り下げることで、今後生かすべき教訓をえることと同時に、次の大地震がおおよそいつ頃なのか、を把握することもできるようになります。
  • 正確な時期を特定することはできませんので、これは予知ではありませんが、防災対策を推進する動機付けとしては有効ですので、地震のメカニズム研究だけでなく、歴史から過去の地震をひもといて行くことも重要だということが分かります。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

新着のブログ記事

ブログカテゴリ

ブログアーカイブ

備える.jp 新着記事