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Voicyそなえるらじお #117『避難勧告が廃止され避難指示に一本化、逃げるタイミングとは』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #117『避難勧告が廃止され避難指示に一本化、逃げるタイミングとは』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、5月20日(木)、本日も備えて参りましょう!

アリガトウ避難勧告

本日のテーマは、「避難情報」のお話です。

  • 本日5月20日から、大雨などの災害時に市町村が発表する避難の情報から「避難勧告」が廃止されて、「避難指示」に一本化されるなど内容が大きく変わります。
  • 自治体から発表される避難に関する情報は、5段階の大雨警戒レベルに分けて運用されていますが、特に注意が必要なのは、警戒レベル3からです。

警戒レベル3

  • 警戒レベル3に該当する情報は、これまでの「避難準備・高齢者等避難開始」という言葉から、「高齢者等避難」という言葉に変わります
  • 気象庁からの情報においては、大雨警報などの発令が警戒レベル3に該当しますが、「高齢者等避難」が自治体から発表さた場合は、高齢者だけでなく、赤ちゃんや乳幼児がいる家庭、介護が必要な方や障害を持つ方がいる家庭、またペットがいる家庭など、通常よりも避難に時間がかかる家庭については、早めに指定された避難場所、または自治体が早期に開設をしている自主避難場所などに避難します。

警戒レベル4

  • 警戒レベル4に該当する情報は、これまでの「避難指示(緊急)」および「避難勧告」から、「避難指示」に一本化されました。
  • 自治体から避難指示が発表された場合は、大雨による浸水や土砂災害などの影響で、その場に留まると危険な場合は避難場所などへ移動を行います。
  • 特にハザードマップで、家屋倒壊等氾濫想定区域や、土砂災害警戒区域などの色が塗られている場合や、自宅が水没する深さまで浸水が生じる恐れのあるような色が付いている場合は、避難指示の段階で必ず移動を行います。
  • 逆に、ハザードマップで色が全く付いていない場合、明らかに浸水や土砂災害が発生しない場合などは、屋外への避難の必要はありませんので、自宅に留まることになります。
  • ただ、停電や断水などが発生する恐れはあるため、備蓄品の確認などは日頃から行うようにしましょう。

警戒レベル5

  • 警戒レベル5に該当する情報は、これまでの「災害発生情報」という言葉から、「緊急安全確保」という言葉に置き換わりました
  • 気象庁からの情報においては「特別警報」などが警戒レベル5に該当しますが、この段階で行うことは文字通り「命を守る行動」です。
  • 警戒レベル3は高齢者等避難、警戒レベル4では避難指示と、いずれも避難という言葉が入っていますが、警戒レベル5の段階では「緊急安全確保」という言葉になり、避難が間に合わないことを想定した対応を個々が取るように、という意味がこめられいます。
  • すでに災害が発生している状況も考えられるため、避難場所などへの移動、水平避難は手遅れになっている可能性もあります。
  • レジャー用のライフジャケットを身につけて、自宅の2階以上へ移動する。間に合わなければなにか浮くものを持って屋根に逃げる。など、死なないために何でもする段階ですので、警戒レベルが5になる前に、避難を完了させておくことが重要になります。

広域避難が必要な場合も

  • 避難にも色々な形式があります。
  • 一般的に避難と言えば、最寄りの小中学校や公民館などへ移動する、立退き避難または水平避難をイメージしますが、家庭の状況や周囲の環境によって、避難する先や方法は変わります。
  • 例えば東京の東側、江東五区と呼ばれる、江東区・墨田区・江戸川区・葛飾区・足立区などは、荒川の決壊など大規模な洪水が発生した場合、区民全員を収容できるだけの避難スペースが区内にありません。自宅がハザードマップで水没する想定の場合は、区外に避難しなければ死ぬ可能性があります。
  • また自宅が無事だったとしても、2週間以上水が引かず、電気・ガス・水道・あらゆる流通網が使えなくなるような被害が生じる可能性もあります。
  • しかし、江東五区の人口は250万人と膨大で、避難指示が出てからの移動では全員が区外へ移動することは物理的に困難です。
  • そのため、自治体から「広域避難情報」が発表された段階で、区外の知人や親戚の家、自分で借りたホテル、職場や学校などへ事前避難をする必要があります。このような広域避難も、事前避難の一種です。
  • ちなみに、広域避難は、なにも東京に限った話ではなく、誰もが行ってよい選択肢のひとつです。
  • 学校や公民館などの避難場所は、あくまでも難を避けるための場所であり、生活をする場所ではありませんので、非常に厳しい避難生活を強いられます。
  • そのため、自力で安全な場所へ移動することができ、ホテルなどに宿泊することができるならば、大雨の前に移動することは大変オススメです。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「避難情報」のお話でした。

  • ところで本日5月20日は、西日本・東日本の広い範囲で大雨が想定されており、まさに事前避難を含む警戒が呼びかけられています。
  • 今のうちに「重ねるハザードマップ」などを確認し、洪水発生時に避難が必要かどうかの確認をするようにしてください。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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