Voicyそなえるらじお #120『溶岩流の被害が大きい噴火、コンゴ民主共和国ニーラゴンゴ山』
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執筆者:高荷智也
おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、5月25日(火)、本日も備えて参りましょう!
ニーラゴンゴ山の大噴火
本日のテーマも、「火山の噴火」のお話です。
- 昨日 #119 の放送では「1926年:北海道・十勝岳噴火」のお話をいたしましたが、
- 現在進行系で、アフリカ中部、コンゴ民主共和国にある「ニーラゴンゴ山」が大規模な噴火を起こしており、現地で大きな被害を生じさせています。
- ニーラゴンゴ山は、現在も活発に活動を続けている火山で、直近では2002年にも大規模な噴火を起こし、火口から南に10キロ地点に位置する都市、ゴマに大量の溶岩が到達し、市街地や空港などに大規模な被害を生じさせました。
- この時の噴火では、ゴマの東部地域の大半が溶岩に覆われ100名以上の死亡者が発生、空港の滑走路も半分ほどが溶岩に埋められ、数十万人がゴマから避難をしたということです。
- 今回2021年の噴火は、日本時間で5月23日の深夜2時頃、ニーラゴンゴ山の爆発が観測され、大量の溶岩が流出し、前回の噴火と同じように、市街地および空港に迫っているという報道がなされています。
- 現在進行系の噴火であるため、被害の全貌はまだつかめておりませんが、すでに多くの犠牲者が生じているということで、安否が気遣われます。
伊豆大島・三原山の噴火
- 火山の噴火による影響は、火山の種類により大きく異なる他、同じ火山であっても噴火のたびに影響内容が変わることがあります。
- 日本の火山も、ニーラゴンゴ山の噴火と同じ様に、大量の溶岩流を噴出することがあります。
- たとえば最近では、1986年(昭和61年)11月15日に始まった、伊豆大島・三原山の噴火では、大量の溶岩流が噴出しました。当初は噴火の規模も小さく、観光客が噴火を楽しむ状況でしたが、1週間後の11月21日になると噴火の規模が大きくなり、震度5クラスの地震が連発しながら大量の溶岩が噴出、
- 最終的には大島最大の集落である元町に溶岩が迫ることになり、約1万人・大島全島民を島外に避難させることになり、実施に移されました。
桜島大正噴火
- また、1914年(大正3年)1月12日に始まった、桜島の通称「大正噴火」は、20世紀以降に日本が経験した最大規模の噴火で、大量の溶岩流・火山灰・大地震に見舞われる、噴火災害のショッピングセンターのような噴火となりました。
- 噴火による火山灰は、西から東の方向へ流され、大隅半島の桜島側では、火山灰が厚さ1mも降り積もることになりました。
- また噴火に伴い、マグニチュード7.1の大地震が発生し、錦江湾では小規模な津波が発生、火山灰の被害を免れた鹿児島市街地でも多くの犠牲者が生じました。
- さらに火口から流れ出した大量の溶岩流は、桜島の南東方向へ流れ出し、海岸線から海を埋め立てて東へ進み、噴火から2週間ほどの期間で大隅半島に達しました。この大正噴火が発生するまで、桜島は文字通り「島」だったのですが、この噴火による溶岩流で、桜島と大隅半島が陸続きになり、現在に到っています。
富士山貞観噴火
- また、現在いつ噴火してもおかしくないとされている富士山についても、たびたび大きな噴火を生じさせています。
- 有史以降でとりわけ規模の大きかった噴火は2回あり、
- 1707年(宝永4年)に発生した、富士山宝永大噴火では、溶岩の紛失はあまり多くありませんでしたが、大量の火山灰が噴出され、近隣の集落は甚大な被害を受け、また江戸にも火山灰が降るなどの被害が生じています。これが現在発生したら大惨事になるだろうとの想定がされ、富士山噴火に対する近隣自治体・および首都圏の防災が急がれております。
- もうひとつの大きかった噴火は、864年(貞観8年)に発生した、富士山貞観大噴火です。
- この噴火は宝永噴火とことなり、火山灰では無く大量の溶岩が流出したと想定されています。
- この時に噴出した溶岩が、富士山の北側に広がっていた大きな湖を分断して、現在の富士五湖を作ったり、この時の溶岩に埋められた広大な地域が、現在の青木ヶ原樹海となっています。
- この貞観噴火と、これにまつわる状況については、明日の放送で詳しくお話をしたいと思います。
本日も、ご安全に!
ということで、本日は「コンゴ民主共和国・ニーラゴンゴ山」のお話でした。
直近の日本においても、浅間山や阿蘇山などで噴火警戒レベル2・火口周辺規制が、桜島と口永良部島(くちのえらぶじま)で噴火警戒レベル3・入山規制が発令されているなど、噴火は他人事ではありません。最寄りに火山がある場合は、ぜひ噴火に対する避難計画なども、イメージをして見てください。
それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!