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Voicyそなえるらじお #122『大地震が大震災になるかは、建物とわが家の対策次第』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #122『大地震が大震災になるかは、建物とわが家の対策次第』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、5月27日(木)、本日も備えて参りましょう!

ジャワ島中部地震

本日のテーマは、「大地震」のお話です。

  • 本日5月27日は、いまから15年前の今日、2006年の5月27日、インドネシアで「ジャワ島中部地震」が発生した日です。

ジャワ島中部地震

  • 2006年5月27日、現地時間で早朝6時頃、インドネシア・ジャワ島中部を震源とする、マグニチュード6.3の地震が発生しました。
  • インドネシア政府の発表によるこの地震の被害は、
  • 死者5,776名,負傷者38,814名,避難者2,310,549名,家屋倒壊329,899軒,家屋損壊276,785軒と、甚大な被害が発表されています
  • 地震の規模はマグニチュード6.3と、大地震のカテゴリのなかでは比較的小さなものでしたが、その被害は甚大なものでした。
  • 現地の調査によれば、きちんと耐震を考慮されてつくられた建物や、頑丈なモスク、貯水槽といった設備にはほとんど被害が生じていないことから、
  • 日本の震度に換算した場合は5強から6弱と、地震の揺れはそれほど大きくなかったと想定されています。
  • インドネシアでは、この地震の1年半前に、マグニチュード9.3のスマトラ島沖地震が発生し、これによる巨大津波で、18万人を超える死者・行方不明者が発生するなど歴史的な被害が生じたばかりでしたが、
  • このジャワ島中部地域では、長らく大きな地震が発生しておらず、現地の方々においては地震に対する油断と言いますか、そもそも備えるべき対象として認識されていないところがありました。
  • そのため、多くの建物は耐震性が低いというか、最初から考慮されていない煉瓦造りの建物が多く、これが地震の揺れで、文字通りバラバラに破壊され、大きな被害を生じさせる原因となりました。

自然現象を災害にしない

  • 地震の規模の割に、甚大な被害をもたらしたジャワ島中部地震ですが、
  • 恐らく、同じような地震が日本で発生していた場合は、ほとんど被害が発生していなかったのではないかと想定されます。
  • マグニチュード6以上の地震は、日本の場合過去100年間で1700回以上発生しています。おおよそ1ヶ月に1.5回のペースで大地震が生じているわけですが、全てが震災になっている訳ではありません。
  • 震源が海だった場合や、地上から深い場所で発生した場合は、地震の規模が大きくても、被害につながらないことが多いためです。
  • 実際に、震度6弱以上の強い揺れが観測された地震は、過去100年で72回あります。
  • しかも、このうち60回は、1990年以降ととりわけ近年の震災が増えているのが、日本の現状です。
  • 規模の大きな地震は毎月発生していますが、それが震災につながるかどうかは、震源の近くに都市があるかどうかで変わります。
  • 日本のように、都市の建物の地震対策ができていれば、地震の揺れを受けても無被害となりますし、ジャワ島のように耐震性のない建物が揺れの直撃を受けると、大きな被害が生じることになります。
  • また、同じ地震に襲われたとしても、わが家の防災対策の状況により、どのような被害が出るかは変化します。
  • きちんと対策を講じていれば、強い揺れの直撃を受けても無傷ですみますが、
  • 建物の耐震化、家具の固定、荷物の落下防止、ガラスの飛散対策などがおろそかであると、大きな被害が発生し、最悪の場合は自分か家族が死ぬコトになります。
  • 自然現象としての大地震はいつも発生していますが、それを災害にするかどうかは、自分の対策次第だということになるのです。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「2006年・ジャワ島中部地震」のお話でした。

自然現象を災害にするかどうかは、地震だけで無く台風などでも同じ考え方が必要です。水害は生じる場所があらかじめ決まっていますので、家選びが適切であれば、浸水被害に巻きこまれることはありません。

またハザードマップに従って事前避難が行えれば、基本的に浸水で人は死にません。分かっていた被害を想定通りに生じさせないために、当たり前の対策が重要となります。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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