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Voicyそなえるらじお #132『富士山に噴火の兆候、というニュースが引き金になる災害』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #132『富士山に噴火の兆候、というニュースが引き金になる災害』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月10日(木)、本日も備えて参りましょう!

戦いはもう始まっている

本日のテーマは「富士山噴火による間接的な影響」です。

富士山の噴火と首都圏への影響

  • ここ数回の放送で、火山の巨大噴火と、火山の冬現象のお話をして参りましたが、本日は番外編です。
  • 先日、メディアに関するお仕事の中で、富士山が火山灰の噴出の多いタイプで大規模噴火を起こした場合、首都圏にどのような影響がでるか?と質問をいただく機会があり、タイムラインを整理してみました。
  • イメージとしては、噴火して、火山灰が西風に乗って首都圏に降り積もり、ライフラインに影響を与える、という流れなのですが、恐らく富士山噴火による首都圏への影響は、もっと早い時期から生じるだろうと思っています。

富士山お買い物マラソン

  • 富士山噴火による最初の影響は、一般のニュース報道で「噴火の兆候あり」という情報が出たり、富士山の噴火警戒レベルが平時のレベル1から、2または3の「火口周辺警報」などが発表されたタイミングであると想定されます。
  • 富士山が噴火するかも、という情報がニュースなどで流されると、恐らくは各メディアがこぞって、首都圏にどのような影響が生じるかという特集を組むはずです。
  • すると、前回1707年の宝永噴火が引き合いに出され、同じような噴火が発生した場合は、首都圏の広い地域に火山灰が降りつもり、停電や断水などのライフライン停止、道路や鉄道のマヒによる流通網への影響などが強調して報道されます。
  • こうしたニュース・メディアの記事を見た方々がどのような行動を起こすのかは、もう想像に難くありません。初回のニュース報道から数日で、いわゆる噴火対策用品が根こそぎ首都圏の店舗から無くなり、ネットショップなども在庫切れとなり、全国の店頭からも順次転売を目的とした買い占めが生じると想像されます。
  • 富士山が実際に噴火するかどうかには関わりなく、その兆候ありというニュース報道がなされたり、または実際に前兆現象が観測されたという発表がなされたタイミングで、「お店からモノが消える」という二次災害がスタートするのです。

何が無くなるか

  • では、品薄になる可能性が高い、噴火対策用品としては、どのようなものがあるでしょうか。
  • まず、防じんマスク・防じんゴーグル・レインウェア・LEDライトなど身につける装備の全般が最初に無くなると想定されます。これは、2020年の初頭に、新型コロナウイルス感染症の影響でマスクが消滅したのと同じ理屈です。
  • さらに、火山灰用のホウキ、袋、車や自転車のカバー、エアコンの室外機カバー、大型のブルーシートなどの火山灰対策用品もそれほど流通量が多いものではないので、早期にお店からなくなると思われます。
  • さらに、停電や断水の恐れが強調されると、
  • 水やお茶などのペットボトル水、簡易浄水器、そのフィルター、給水タンク、非常用トイレなどの断水関連用品、
  • 乾電池、モバイルバッテリー、ポータブル電源などの停電対策用品、
  • そして、道路などの流通網への影響が強調されると、
  • 米・パスタ・乾麺などの主食類全般、缶詰・レトルト・インスタント・フリーズドライなどの日持ちするおかずの全般、
  • オムツやミルクなどの赤ちゃん用品、ペットフードやトイレグッズなどのペット用品
  • その他、ティッシュ、トイレットペーパー、サニタリー用品、洗剤などの日用品
  • などなど、日持ちする生活必需品全般が品薄になることが想定されます。
  • こうした、首都圏初の物不足が、富士山噴火のニュース報道直後から発生し、しばらくは入荷しても買えない状況が続くのではないでしょうか。
  • 問題なのは、こうした買い占め騒動は、その後本当に噴火するかどうか、その規模や噴火の内容がどのようなものになるかとは関係無く、「念のためにとか」「なんとなく不安」といったイメージだけで生じる可能性があることです。

実際噴火したら想定通りになるので注意

  • ただ、2020年に、ティッシュペーパーなどが品薄となったのはデマが原因で、待っていれば流通は回復しましたが、
  • 富士山の噴火の場合、その後実際に噴火が発生し、本当に首都圏に火山灰が到達するような状況になると、事前の想定通り外出が困難となり、ライフラインが停止し、お店にもモノを運べない状況となりますので、物資の入手はますます困難となる可能性がある点は、注意が必要です。
  • こうした状況に備える方法としては、日頃から家庭内の必需品在庫を増やす、食品だけで無く日用品についても、日常備蓄の考え方で1ヶ月分程度の在庫は持つようにする、という生活を当たりまえにすることです。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「富士山噴火による間接的な影響」のお話でした。

昨日の放送でも、火山の冬に対する備えとして、備蓄が重要だと言うことをお話しましたが、結局の所防災対策というのは、即死を防ぐための地震対策や避難計画と、その後の生活を維持する防災備蓄が重要な項目ですので、あらゆる災害に対する備えとして、備蓄は大切ですよということになります。

うちは首都圏じゃないから関係ない、ではなく、大地震や水害対策の一環として、ぜひ日常備蓄などに取り組んでください。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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