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Voicyそなえるらじお #140『自然災害と科学技術で移り変わる交通路』

最終更新日:

執筆者:高荷智也

Voicyそなえるらじお #140『自然災害と科学技術で移り変わる交通路』

おはようございます!備え・防災アドバイザー高荷智也がお送りする「死なない防災・そなえるらじお」、6月22日(火)、本日も備えて参りましょう!

かにの日

本日のテーマは「防災雑談」です。

  • 全く防災に関係の無いお話ですが、本日6月22日は、「かにの日」です。
  • これは、大きなカニの看板が特徴的なカニ料理店を展開する、かに道楽が、カニ料理の美味しさを広めることを目的に定めた記念日ということです。
  • なぜ6月22日かと言えば、まず星座占いの「蟹座」の始まりの日が6月22日であること、さらに、あいうえお、の50音、かにの「か」が6番目、かにの「に」が22番目に来るということで、6月22日を「かにの日」としたそうです。

箱根路の開通

  • 6月22日は、もうひとつ別のトピックがあります。それが、東海道・箱根山を越える「箱根路」が開通した日ということです。
  • この記録は、平安時代に編纂された歴史書、日本紀略(にほんきりゃく)に記載されている内容で、
  • この日本紀略によると、西暦802年6月22日、旧暦で言えば、延暦21年の5月19日、富士山の噴火により通行ができなくなった、東海道「足柄路」に変わって、「箱根路」が開通した日ということです。
  • 東海道は、平安時代ごろから整備されはじめた、日本の東西をつなぐ重要な街道のひとつですが、その難所のひとつに、箱根山がありました。

箱根路のルート

  • 箱根山は、現在の神奈川県箱根町にある山ですが、この山を越えるルートは大きく分けると3つあります。
  • ひとつは北側ルート、現代では、東名高速道路や新東名高速道路が走っているルートで、東海道が最初に整備された時代も、この北側ルート、足柄峠を越える道が使われていました。
  • しかし、西暦800年・延暦19年に富士山が噴火し、この時に噴出した溶岩流と火山灰の影響で、この足柄峠のルートが通行出来なくなってしまいました。
  • 箱根山を超えるルート、2つめは箱根山のど真ん中を登って芦ノ湖を越えるルート、現代では国道一号線が走っているルートで、お正月の定番、箱根駅伝で「山の神」達が登っているルートがこれにあたります。
  • このルートでは箱根峠を越えることになりますが、この箱根峠が開通するきっかけとなったのが、富士山の噴火で足柄峠が通行出来なくなったためであり、そして本日6月22日に、箱根峠を通過する東海道が開通したということです。
  • その後、足柄峠は復旧されて通行出来るようになりましたが、箱根峠経由のルートの方が距離が短いため、人が歩いて東海道を行き来する時代においては、長らく主要な街道として使われて続けました。
  • 箱根山を越える最後のルートは、南側ルート、現代では、東海道本線や東海道新幹線が走っているルートで、箱根山をトンネルで通過するルートになります。
  • 南側のルートは、基本的に鉄道がメインとなりますので、これは現代ならではの東海道と言えるルートになります。
  • このように、東海道の難所、箱根山を越えるルートは、過去1000年以上の歴史の中で、自然災害やその時代の主要な交通手段にあわせて切り替えられて来ています。

移り変わるインフラ

  • 大規模な自然現象は、しばしば交通網や都市を破壊し、消滅させることがあります。これは恐ろしい脅威ですが、逆に自然現象が新たな交通網や都市を生み出すこともあります。
  • 例えば富士山の噴火は、東海道の足柄峠ルートを一時的に使えなくしましたが、鹿児島の桜島、1914年の大正噴火では、流れ出した溶岩が海を埋め立てて、大隅半島と桜島を陸続きにし、現在はそこを道路が走るようになっています。
  • 大自然の驚異は、恐ろしい災害であると同時に、平時には様々な恵みをもたらしてくれる要素でもあるため、上手に付き合っていくことが重要と言えますね。

本日も、ご安全に!

ということで、本日は「かにの日と箱根山」のお話でした。

ちなみに「かに」味の非常食としては、フリーズドライ食品を製造しているアマノフーズの、フリーズドライかに雑炊がたいへん美味しくて、個人的には好きです。

賞味期限半年、フリーズドライなのでお湯を注ぐだけで、かにの出汁がよくきいた雑炊がすぐに食べられる、なかなかオススメの食品です。

それでは皆さま、本日も引き続き、ご安全に!

サイト管理者・執筆専門家

高荷智也(たかにともや)
  • ソナエルワークス代表
  • 高荷智也TAKANI Tomoya
  • 備え・防災アドバイザー
    BCP策定アドバイザー

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